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 こんにちは。こんばんは。おはようございますの方もいらっしゃると思います。理系の達人です。

 現在、私の著書(参考書・問題集)が発売中です。私がどのような指導をしてるのかのご参考になると思いますので、一度手に取って頂ければ幸いです。内容は小6の9月以降を想定した内容になっておりますが、最難関校を目標とする1学期の小6生でも解ける内容になっています。実際の入試の落とせない問題の難易度を知っておくには最適だと自負しております。一度手に取ってみて頂ければ幸いです。

 

 

 全国の超難関校で繰り返し出題されてる平面図形の問題の考え方を自ら使いこなせることを目的とした問題集です。超難関校対策とありますが、あらゆる受験生に必要な考え方が掲載されており全ての受験生が必要とする問題や情報が書かれた問題集となっております。解説部分は無機質な解説でなく、講師が前に立って授業をしているかのような感覚になることを目指して作成しているので、その問題の取り組み方や問題の背景、そして解説の際にしゃべることなども書かれております。一問一問を深く掘り下げて解説をしていますので、類題が出題された場合でも対応することが可能になります。

 

 また、有難いことにエール出版社様より、第2弾となる

  『語りかける中学受験算数 超難関校対策集 立体図形編』

の執筆の依頼を受けました。現在、鋭意執筆中になります。より良いものを作成中です。御期待下さい。

 

 今回は2021年9月20日に実施された『学校別サピックスオープン 開成① 算数』における大問4番の問題の解説をさせて頂きます。いつもの通り、全体的な感想、難易度、小問ごとのコメントなどを行います。その上で、開成中受験生が残りの期間で何を行なえば合格点に到達するのか?そして、開成中ではどの分野が良く出題されるのか?をお話させて頂きます。開成受験生必見の内容になっております。

 

★全体を通して★

 基本的に第1回の学校別サピックスオープンは昨年の入試問題の類似問題を出題してきます。昨年の開成中は大問3題構成(そのうち、1題は小問集合問題でした)でしたので、大問4題構成の出題はやや意外でした。ただ、大問2の『速さに関する問題』は易しい問題でしたので、大問1に組み込んでも良さそうな感じがしました。この大問2については、解答用紙も問題のボリュームに応じて適切なスペースだったと思います。ですから、解答欄が不足したという場合は、

 余計な事を書いている

可能性が高いです。例えば、この後解説しますが、大問2などは解説にあるような状況図ではなく、ダイヤグラムを書くだけの十分なスペースしか与えられていません。しかし、式を書くよりも考え方を重視するのは当然ですから、ダイヤグラムをしっかりと書けていれば十分得点出来たと思います。問題自体が簡単なので、ダイヤグラム=正解としなければなりません。こういった部分は過去問演習などを行った際に、添削者の指示をしっかり受けて少しずつ改善していくようにして下さい(国語とは異なり、塾などでは余り対応していないと思います)。それは開成中だけではなく、記述形式の算数の問題を出題してくる学校の場合、完答出来ればそれで良いのですが、大半の受験生は完答までは厳しいのではないかと思います。ですから、問題の問われている軸をずらさないように

 考え方をしっかり書いて1点でも多く取る工夫

をして、今回の反省をした上で次回の模試へと繋げていくべきでしょう。そして、入試当日には最高のパフォーマンスが出来るように仕上げていくのが良いでしょう。また、ここから先受けるべき学校別模試はサピックスオープンだけで十分だと思います。また、今回の学校別サピックスオープンに関しても難易度、受験者数も適切でした。関東の開成受験生の中での立ち位置を測るには良い材料であったと言えます。ですから、300位以内であれば十分合格圏にいると言えます。しかし、安心することは出来ないのは言うまでもありません。

 早稲田アカデミーなどでも開成の模試が行われていますが、はっきり言って問題の難易度が本番を想定して作られていないのと、開成の求める力を確認出来る模試かというと正直疑問です。作問も偏っています。平均点もサピックスのα1の開成受験生などが受けているにも関わらず、10点代とか…。正直受ける意味はないでしょう。

 

 大問1は、やはり小問集合題でした。(1)は集合算と見せかけて数論問題です。いきなり、ビビらせにかかってきますね。ベン図や表に整理しても一向に手が進まないと思います。いつもと違う出題形式に戸惑わないようにしたい問題です。

 (2)は規則性の問題で『フラクタル』っぽく見えますが、そこに騙されずに基本に忠実に解いていけば解ける問題であったと言えます。この問題は小4生からチャレンジ可能な問題です。大問1だけを見ると、昨年の開成中の入試問題と比較すると一問一問が小振りな印象です。まあ、大問4題の出題ですから、この位が適切な難易度であったとも捉えられます。

 

 大問2は『速さに関する問題』でした。昨年は速さの問題は出題されていませんので、今年は出題されるのではないかというサピックスの見解だと思います。私もこの意見には賛成します。速さは徹底的に演習をしておくべきでしょう。開成中の併願校に選ばれやすい、聖光学院中でも速さは必須となります。しかし、開成中の速さの問題は一工夫が必要(頭の良さ?発想力?)な問題が昨今は出題されています。しかし、突き詰めていくと典型問題へと変わりますので、聖光の問題などが無理なく解けるようにしておけば十分対応可能です。それと比較すると今回の速さの問題は、かなり簡単であったと言えるでしょう。しかし、速さの問題を状況図で用いて解いていると難問に感じるかもしれません。ダイヤグラムを用いて解くことでこの問題は素早く終わらせることが出来ます。速さに慣れていればこの問題は5分以内に完答しなければならない問題です。後ろに控えている問題に十分に時間を掛けられるようにするためにもこの問題は手早く終わらせておきたい所です。今回はこの問題の手順を解説します。

 

 大問3は、毎度おなじみの『立体図形の構成』の問題で、切断絡みの問題でした。立体図形は開成中では必須単元になりますので、今回この問題が上手く解けなかったという受験生は立体図形の様々な問題に触れておく必要があるでしょう。(1)は立方体の各辺に切断する点があることから、通常の立体切断の問題です。しいて言えば、③に立体の体積を求めさせても良かったかもしれません。開成受験生であれば、淡々と処理していくだけの問題でした。そう考えると、昨年の大問2に似ています。

 (2)は立方体を通過する直線の問題であまり見たことのないテーマであったかもしれません。しかし、まずは与えられた通りに作図をし、相似を探していくことで正解まで辿り着ける問題です。しかし、立体を切り口の線が通過するような余り見たことないテーマの問題なので戸惑った人もいると思います。どちらかと言えば、算数というよりも数学に近い問題です。空間把握力が問われる問題です。この問題に関しては、改めて解説をしたいと思います。

 

 大問4は『条件整理の問題』です。これは予想通りの出題形式でした。昨年の開成中の大問3の問題に条件設定が似ていますが、問われていることは全く別物です。しかし、小5でも解けるような問題です。そのような視点から考えると良い問題でしょう。この問題に関しては、先日解説を行っております。以下のリンクを貼っておきます。また、昨年の開成中の大問3についても普段はアメンバー限定公開ですが、期間限定で公開致します。

 

 昨年度の開成中の大問3の解説は ☞ こちらより

 

 (1)は問題の条件を理解しているのかを見る問題です。ここで、何かを掴んでおかないと後の問題の難易度が大きく変化します。つまり、難関校特有の出題形式である、

 前問の結果を上手く利用する問題

であったと言えます。(1)でわかったことを(2)以降に活用していきます。この手の問題はまだまだ慣れていない受験生が多いと思いますので、訓練が必要でしょう。

 (2)はまだ簡単です。しかし、問題の条件をよく読まないと解けません。日頃から問題の読み飛ばしなどをする場合は、問題の条件の広さに戸惑ったかもしれません。しかし、考えられるものを全通り調べていっても十分時間の足りる問題でした。本番でも同様の事態になることが想定されますので、いざというときは数える覚悟を持つ方が良いです。

 (3)は難しい部類に入る問題です。(1)、(2)よりわかったことをしっかりと把握していれば何とか解けた問題です。

 (4)は、条件整理の問題に場合の数的な考え方が加わります。①の問題を見て、1通りしかないことに気付いた人も多かったと思います。その上で条件を整理していけば実はそれほどの難問ではありません。そこまで出来て、はじめて②の挑戦権が発生します。これも(2)のように、全通り調べていけば正解出来る問題ではありますが、制限時間との勝負になってくるでしょう。完全に白紙にするのではなく、部分点が取れれば十分です。

 

 大問4の解説はこちらより ☞ こちらから

 

★2021年度 学校別サピックスオープン 開成① 大問2★

 まずは以下の問題に取り組んでみて下さい。目安時間は先程も書きましたが5分以内です。それ以上時間が掛かる場合は速さの単元に不安が残ります。

 

★2021年度 学校別サピックスオープン 開成① 大問2 解説★

 

 速さの問題は状況図では解きにくい問題ばかりが入試では出題されます。ですから、ダイヤグラムを用いて処理をしていく方が問題が解き易くなります。この問題も例外ではありません。ダイヤグラムに表すと、上の解説のようになります。

 (1)は、解説にもある通りですが、行きと帰りでたかし君が学校に出発・到着したとき、みつる君は図書館にいることから、たかし君が公園に到着した時刻とみつる君が郵便局に到着した時刻が同じということがわかる。つまり、

 ダイヤグラムは左右対称

であることがわかる。そこまでわかれば、ダイヤグラムの特性(解説の黄色で囲まれている部分、時間が一定に注目して時間の比から速さの比を求める)に注目するだけで簡単に答えが出ます。ダイヤグラムに慣れていない場合は、ダイヤグラムを書いた後に上の形を探すことを知っていれば解く上で大分楽になります。

 

 (2)についても簡単です。問題を解く上でのポイントとしては、速さの比がわかっていること(大体の問題で、最初に聞かれる)が大前提となります。そして一番大切なことは

 まだ使っていない条件の吟味

になります。これは、速さの問題だけではなく算数全般で言えることになります。この問題では、224mという条件がまだ使われていないことに気付くはずです。その上でダイヤグラムの特性(ここでは、時間が一定であることから、速さの比より道のりの比を求めています)に注目すればおしまいです。

 

 入試を塾だけでは乗り切れるのはごく一部の超優秀生だけです。つまり、塾任せにするのではなく、必ず 保護者の方がサポートをする必要があるというのが中学受験で成功するための秘訣です。

 そして、合格する御家庭は必ず何かしらの手を打っています。これは絶対に他人には漏らしません。保護者の方自身で模索するしかないのです。御子様が頑張っている中で保護者の方も裏方に徹しないといけません。御子様以上に保護者の方も頑張らなくてはなりません。つまり、合格するのは塾の力などではなく、御家庭の力なのです。私などはただのきっかけにしか過ぎません。

 

 今後は難関中の算数や理科の出題傾向や過去問の解説(これはアメンバー限定にすると思います)やおすすめの参考書や問題集などの記事も出していこうと考えております。無言申請は受け付けませんのでご了承下さい。

 

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★著者紹介★

 中学受験専門のプロ家庭教師(算数・理科)。大手進学塾時代は高い合格率を残しておりその合格率は85%を超える高い合格率を残してきた。合格率1位になることもあり、講師アンケートにおいても1位を獲得するなど高い評価を得る。その傍らで、志望校別コースの算数科目責任者を歴任し、テキスト作成や模試作成なども行っていた。高校入試においても大手塾在籍時には早慶高校附属の合格率が92%という高い数字を残している。算数、理科どちらの科目でも優秀な結果を出していた。

 家庭教師においては90%以上の高い志望校合格率を誇り、どこの学校にも対応出来る講師。難関校入試に特に強く筑駒、開成、麻布、駒東、聖光、栄光、桜蔭、女子学院、雙葉、フェリスなどに関しては極めて高い成績を残している。勿論、それ以外の学校の対策も万全に行う自信と経験を持っている。

 

 

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