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前回の話

 

莉多子は自分の部屋に戻ると、フーッと深くため息をついた。

 

「まさかこんなことになるなんて・・・」

 

莉多子は婚活合宿で、ある計画を立てていた。

長年の恨みを晴らすための復讐計画である。

 

しかし、結果的に死人が出てしまった。

3人が死んだのは、自分のせいかもしれない。

 

窓を見やると、すでに雪は止んでいた。

明日には山を下りられるだろう。

 

ふと、今何時なのか気になり、スマホを手に取る。

時刻は17時、そろそろ夕飯の準備をしなくてはならない。

 

そう思って立ち上がろうとした瞬間、莉多子はハッとスマホの画面を凝視した。

 

 

Wi-Fiのマークが出ていたからだ。

今ならネットが使えるかもしれない!

 

莉多子はすぐに助けを呼ぼうとしたが、

その前に、どうしても確認したいことがあり、あるSNSを開いた。

 

Wi-Fiのスピードはとても遅かったが、ようやくネットが繋がりSNSにアクセスできた。

そこに投稿されていた写真を見て、莉多子は驚愕した。

 

「なんてこと・・・。私、真犯人がわかってしまったわ」

 

あまりのショックに膝から崩れ落ちる。

 

今すぐ、警察に連絡しないと!

 

しかし、スマホを見ると、Wi-Fiのマークは消えていて

再びネットが繋がらなくなってしまった。

電波が入ってないので、電話もできない。

 

莉多子が慌てて部屋を出ると、廊下でM田と鉢合わせた。

M田はかなり狼狽した様子だった。 

 

「カモさん、さっき一瞬だけネットが繋がったの。今からルーターを調べに行きたいのだけど、機械のことがよくわからないので一緒についてきてくれる?」

 

「はい」

 

莉多子は興奮しながら続けた。

 

「私、真犯人が誰だか分かっちゃったの!」

 

「えっ、誰です?」

 

「今はまだ言えないわ。夕食の時間に、みなさんにお話します」

 

「わかりました!」

 

管理人室に行き、ルーターを調べたところ、特に異変はなかった。

 

「おそらく、外の電話線に問題があるのだと思います」

 

「そうね。雪も止んだことだし、外を調べましょう」

 

二人は外の電話線を確認することにした。


山小屋の裏手に周り、電話線を確認する。

 

「電話線に雪が結構積もっていますね。それで障害が起きているのかもしれません。まずは雪をどかしてみましょう」

 

「そうね」

 

M田が何気なく山小屋を見上げると、二階の窓に人影が見えた。

 

その瞬間!

 

「莉多子さん、危ない!!」

 

莉多子の頭上目がけて、何かが落ちてきた。

 

思わず目を覆うM田。

 

ハッと我に返ると、目の前に莉多子が倒れているのが見えた。

 

「莉多子さん、大丈夫ですか?」

 

慌てて、莉多子を抱き起こすが、硬く目を閉じたままだ。

 

「莉多子さん、しっかりしてください!」

 

莉多子の横には割れた植木鉢が落ちていた。

これが、頭上に落ちてきたのだ・・・。

 

植木鉢からこぼれた土に何か差さっているのが見えて、M田はそっと拾う。

 

見ると、かるたの読み札だった。

読み札には、こう書かれてあった。

 

仲人さんの圧が強い

 

「またもや婚活かるたか・・・」

 

M田はかるたを手に取り、愕然とした。

 

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