居場所のある幸せ | 「理香子」のブログ

「理香子」のブログ

波瀾万丈な人生、何人もの霊能師との出会い。

そして、開眼。
霊能師として、修業中。

奮闘記を綴っています。

6年前の夏、私はつくば市、学園都市、水戸市を転々としていた。ホームレスだった。

ウィクリーマンションを借り、落ち着き先のない生活をしていた。

電撃離婚し、無一文で家を出された私を、風俗客の3歳上の男性が不憫に思い、彼のアパートに招き入れてくれた。

知らない者同士が一緒に暮らすのだから、些細な事で喧嘩もした。

考え方も真逆だった。


それでも1年も居れば夫婦のような関係になっていた。

忘れもしない7月下旬の事だ。

父親の入盆を済ませ帰って来た彼は、携帯で誰かと話しながら部屋に入ってきた。

私は、彼を精神的に追い詰めたストーカーとして警察に訴えられた。

私自身も、生活安全課の女性担当者に別件で彼の事を相談をしていた

電話を代わると彼の担当女性警察官は、

「私の事も別の担当者から聞いている。

ただ、訴えがあった以上、警察は接近禁止命令を出さなければならない。」

との事。

ショックだった。

俺の女だと抱くだけ抱いて。

私に掛かるお金は入れて来たし、生活費も助けてきた。

家事もキチンとこなし尽くしてきた。

程なくして、パトカーが到着した。男女の警察官が部屋に入って来た。

別々の部屋で交代に話を聞かれた。

離婚してから泣くまいと決めて以来、初めて男性警察官の前で泣いた。

「悔しいよ。私、捕まってもいいから言うね。私、デリヘルも援交もやって来たの。彼は椎間板ヘルニアを悪くして何ヶ月も働いてないの。金は俺が何とかするから、お前は週3日でもいいから働けと言われて、仕事が決まったばかり。

でも、一度だってお金を何とかしてくれた事はないんだよ。」 

「仕方ないよな、男が働けないんじゃ。悪い事は言わない。あなたの為にもここを出た方がいい。」

交代で入って来た若い女性警察官にも、同じ事を言われた。

男性警察官が、大きな荷物は預かってくれるよう彼に頼んでくれた。

「貸した2万円は今すぐ返して!」 

彼は困っていたが、情けない男の裏切りと悔しさに、

「私には関係ない!」

と、言葉を吐き捨て、

離婚時と同じ様に、必要なものを赤いキャリーバッグに詰め、アパートを出た。

時計を見たら、夜の9時を回っていた。

迎えに来たタクシー運転手の新井さんと親しくなったのもこの時から。

「こんな時間にどうしたのよ?話聞かせてよ。」新井さんはビジネスホテルに着くと、料金メーターを止めて1時間近く、親身に私の話を聞いてくれた。

「男が女を養うのは当然の事。事実婚だ。元夫も、女房に1万円しかやらないのもおかしい。こんな夜遅くに女を追い出すなんて酷い男だ。離れて良かったよ。今日はゆっくり休みなよ。」

アパートを出てから私は、ある決心をしていた。女1人で生きていくには、手段を選んではいられなかった。やるしかない。


出会い系サイトでの援交だ。

元風俗嬢。幸いテクニックもあり、接客も心得ていた。
売春行為は違法だが、そんな正論を言っていられなかった。

ウィークリーマンションの賃貸契約をし、土地勘のある街に1週間部屋を借りた。家賃24000円/週。高いが仕方ない。

とにかく落ち着きかった。

コンビニで代金を先払いで振込み、1年暮した街を後にした。

駅に着くと食料品をまとめて買い、タクシーに乗り込み、借りた物件名と住所を伝えた。

ウィクリーマンションは、古いアパートを借り上げただけの部屋。

それでも、居場所のない私には十分落ち着ける場所だった。

ベッドも家電も、生活用品が全て揃っていた。

衣類をハンガーに掛け、食料品を冷蔵庫に詰めた
キャリーバッグを押し入れに片付けた。


久し振りに横になった。なんて幸せなんだろう。1週間は居れる。正直、何もしたくなかった。

しかし、稼がないといけなかった。出会い系サイトの掲示板に書き込んだ。

「エロく楽しくお会いしましょう」
申込みは殺到した。

まるで独りで、携帯で経営、営業、派遣をしているみたいだった。予定が埋まっていった。

夜遅くても予約を入れた。1日3人の男性と会った。相当無理をした。シラフでは出来ず、酒は欠かせなかった。


孤独との戦いだった。

ウィークリーマンションに空室がなければ、つくば市、研究学園都市と繋いで貰い、およそ3ヶ月に渡るホームレス生活。

それでも、私が頑張れたのは子ども達の側に居たい一心。

それに、出会い系の掲示板を見て、私を心配し、親身に相談に乗ってくれた縁もゆかりもない男気あるバツイチ年下男性の言葉だ 。

「俺が借りてるアパートに住んでもいい。家具家電はない。無理して体を売り、アパートを借りた途端、体を壊し家賃や生活費を払えなくなったらどうするんだ?
これは恥ずかしいと思わないで聞け。生活保護を受けろ!体も心も治った時に、自分で働いて切っていけばいい。生きる為の人間の権利だ。」

彼の言葉がなかったら、折れていたかも知れない


つくばから再び土地勘のある街に戻り、ウィークリーマンションで3週間過ごした。お金を稼ぎながら、アパートを探した。

個人の不動産店社長が、以前、住まわせてくれた男性宅から物件に問い合わせた事を覚えていてくれた。

店に足を運び、気になっていた物件を見せてもらった。

即入居可で大家さんが是非にとの事。
家賃22000円。スーパーまで、徒歩1分。
立地条件も申し分ない。
市生活福祉課も生活保護申請を受理してくれた。

頑張って手に入れた自分だけの城。

心のケアを受けながら、ごく当たり前の生活を送れることの幸せを噛み締めている。