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昨日ブログ読者の方からある質問を頂きました。
僕がオススメするケアテクトシリーズに少量配合される
「紫外線吸収剤」
について、その安全性を心配していらした様子です。
既に質問へは回答を済ませていますが、
本日はその件について詳しく解説させて頂きたいと思います。
では本題に移りましょう!
◎紫外線吸収剤 「オキシベンゾン」 と 「発がん性」
「オキシベンゾン」
という化学物質をご存じでしょうか。
→ベンゾフェノン(wikipedia)
オキシベンゾンは「ベンゾフェノン」と呼ばれる紫外線吸収作用を持つ有機化合物の一種です。
現在このオキシベンゾンは紫外線吸収剤として化粧品、特に日焼け止めの成分としてよく用いられています。
「cosmetic info.jp」
という化粧品開発者向けの情報サイトでは、
オキシベンゾンを配合している化粧品は登録してあるだけでも190以上あります。
当然未登録のものもあるので、実際にはその倍以上の化粧品類に配合されているであろう、
日本ではとてもポピュラーな日焼け止め成分の一つです。
しかしインターネット上ではこの成分については非常に否定的な情報が出回っており、
消費者の間では「まず避けたい化学物質」の一つとしても知られる、
そういう意味でもとてもポピュラーな成分でもあるのです。
気になる方は是非今すぐに、「オキシベンゾン」を検索してみてください。
なぜこのオキシベンゾンがこれほどまでに忌避されるのか、
その理由は2006年にアメリカで行われた一つの研究結果にあります。
つまりアメリカ国家毒性計画(NTP)の発ガン性に関する研究において、
オキシベンゾンにはラットを用いた実験で「発がん性」が認められました。
またその後2007年にドイツで行われた研究では、
オキシベンゾンが成長ホルモン生成を阻害する、という結果も得ています。
その為、
実はこのオキシベンゾンはEUやアメリカの多くの州では
皮膚塗布する化粧品類に配合することは禁止されている、
「配合禁止成分」として取り扱われている物質なのです。
しかし日本ではそのような取り決めはなく、
今でも普通に日焼け止め成分として用いられています。
なんということでしょう!
これは大問題かもしれませんね!
しかしここで僕ははっきりと皆さんにお伝えしておきます。
オキシベンゾン配合化粧品は、「安全」です。
発がん性のリスクなどほとんどありません。
そもそもからインターネット上で騒がれているような危険な物質ではないのです!
アメリカの研究やドイツの論文を差し置いて
なぜ僕がこのように言いきれるか、その理由を説明しましょう。
◎日本の皮膚がん発症率
オキシベンゾンを含む化粧品を作っているのは、
日本や韓国などが主流です。
先ほども言ったようにドイツによる論文や、
アメリカの研究によってEUやアメリカでは使われていません。
では日本や韓国の皮膚がんの発症率はそれらの国よりも高いのでしょうか。
オキシベンゾンが皮膚がん発症を助長するのならば、
日本や韓国の皮膚がん発症率は高くなるのが道理ですね。
しかし実際の所
日本や韓国は世界で最も皮膚がん発症率が低い国として数えられています。
日本で言えば、およそ10万人に3~5人の罹患率で、
この数値はアメリカの50分の1程の数値になります。
環境省
http://www.env.go.jp/chemi/uv/uv_pdf/02.pdf
http://www.env.go.jp/earth/report/h13-04/13.pdf
この統計はオキシベンゾンの発がん性の理解とは大きく矛盾がありますね。
もちろん黄色人種と白人では皮膚がんへの耐性がそもそも異なっている為
統計では白人の皮膚がん発症率が高くなるのですが、
それでもこれだけの差があるのは少し異常ですね。
この原因は一体なんなのでしょうか。
◎“肌を最も傷つけるもの”
僕たちが日々生活する上で、
最も肌を傷つける危険性があるものはなんだと思いますか?
もちろん「危険!」って書いてあるようなものは除外ですよ(^_^;)
(塩素漂白剤とかサンポールとかカビとりハイターとかは明らかな劇薬がはいってますからね)
タンパク質変性作用の強いラウリル硫酸Naでしょうか。
はたまた溶解性の強いプロピレングリコール(PG)か、
発がん性が疑われる紫外線吸収剤なのか…。
実際にはどれも違います。
本当の答えは「紫外線」です。
普通に考えれば分かることですが、
上で紹介しているようなちょっといけない成分が配合されている化粧品を使用しても、
数時間で肌に明らかな影響が現れることなどほとんど無い筈です。
(アレルギーの場合は別です)
しかし紫外線は、ピークの春や夏ならば1時間も浴び続ければ
肌は赤く炎症を起こし、三日後にはメラニン色素が黒変し沈着します。
このように、
紫外線は下手したら数十分で肌に明らかな変調を来たす、
皮膚に対して言えば超が付くほどの有害物質なのです。
オキシベンゾン含め紫外線吸収剤は、
紫外線を吸収することで別の物質に変化し、
紫外線の脅威を自身の身を以て低減させることができます。
しかしその変化後の別の物質は平常状態に比べエネルギー順位が高いので、
肌などに対して刺激を与えることになります。
しかし、
それでも紫外線を普通に浴びるよりははるかに小さな刺激です。
皮膚がんを発症するリスクについても同様で、
紫外線を防御するという概念が乏しい白人の国では、
非常に高い皮膚がん発症率が記録されています。
(オーストラリアやニュージーランド)
つまり、発がん性が最も高いと考えられる物質も「紫外線」なのです。
紫外線吸収剤を用いて紫外線を防御することで受ける発がんのリスクと、
紫外線をそのまま浴びることで受ける発がんのリスクでは、
比較するまでもなく後者の方が大きいのです。
そういう統計を見ても尚、
オキシベンゾン含め紫外線吸収剤を排斥しようというのは愚かであり、
紫外線を普通に浴びるくらいなら
オキシベンゾン配合の日焼け止めを塗った方が
まだまだ圧倒的に皮膚への影響は緩和できるのです。
※
もともとアメリカの研究ではラットを用いて実験を行っており、
実際に人間で試したというわけではないというのもポイントです。
当然人間とラットでは皮膚構成やタンパク質などの諸システムに違いがあるので、ラットで認められているものが人間にも同様に認められるとは必ずしも言えないわけです。
私たちの身の回りには普通にオキシベンゾンを使っている人たちが溢れているのに全く皮膚がんになる人がいないというのを考慮すると、オキシベンゾンの人体への発がん性についてはかなり疑わしいと考えるのが妥当なのではないでしょうか。
◎成長ホルモンは紫外線を浴びることで作られる
もう一つ、オキシベンゾンには成長ホルモン生成阻害という性質がありましたね。
これはドイツの研究で明らかになったことです。
しかしこれについても全く考慮に値しません。
なぜなら、そもそも成長ホルモンは紫外線を浴びることで生成されるものです。
オキシベンゾンは紫外線を吸収してしまうのですから、
それを肌に届かないようにしてしまうということで
オキシベンゾンが成長ホルモンの生成を阻害するのは当たり前です!
逆に言えば、紫外線を吸収するオキシベンゾン意外の吸収剤(メトキシケイヒ酸エチルヘキシルなど)だって、
吸収しちゃうんですから生成阻害の影響があります。
しかしだからと言って成長ホルモンが一切生成されないのか?
と言われたら全くそんなことはありません!
成長ホルモンとはビタミンDのことなのですが、
ビタミンDは魚介やキノコなどに多く含まれている栄養素で、
食品からも摂取できます。
また、実際どのくらいの時間紫外線を浴びる必要があるのかと言うと、
「手の甲程度の面積で15分くらい」
「日陰で30分過ごす程度」
で十分だと言われています。
(http://www.env.go.jp/chemi/uv/uv_pdf/02.pdf 環境省)
日焼け止めを塗ったとしてもそれくらいの面積はどこかで漏れてますし、
まぁ普通に24時間暗闇の中で生活するでもしなければ
上の条件を満たさないことは逆に難しいのではないでしょうか。
日焼け止めに用いられる物質としては
二酸化チタンや酸化亜鉛などの紫外線散乱剤もよく知られていますね。
これは簡単に言えば白色の顔料で、
物理的に紫外線を反射してくれる性質があります。
反応して別の物質に変わるというわけではないので
肌への刺激は小さく済みます。
ただし、吸収剤と比べると防御できる紫外線の量が圧倒的に小さい為、
結果的には紫外線の影響を大きく受けることもあります。
これは日焼け止めについてだけ言えることではありませんが、
物事、特に化学物質についての話で言えば、
それを使用することによるメリットとデメリットを正しく判断し、
ケースバイケースで利用していくというスタンスが非常に重要になります。
これは昨日質問を頂いた方にも全く同じことを言ったのですが、
普段目に触れることのない化学物質に関しては、
1の悪い部分を100に広げて拡張して報道されたり、
それを間に受けて捉えネット上にさらに1000にして拡張して載せてしまうようなことが多々あります。
一般市民ではその信ぴょう性を確かめる術はほとんどありませんが、
ソースやその記事を書いている人の職業や身分なんかをしっかり吟味して
情報を選んでいかなければなりません。
そうでなければ怯える必要のないものに過剰に怯え、それに目が眩むうちに
本来問題として捉えなければならないものを見逃してしまうかもしれません。
以上非常に長くなりましたが、
今日の所はこのあたりで。
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