ドミニカ共和国旅行(2)サントドミンゴ・コロニアル地区散策の1 | Que sais-je? ク・セ・ジュ――われ何を知る

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エルサルバドルに単身赴任中(7/15~8/5一時帰国)。
気候が良く日本より健康的な生活を送っています。
ドライブ旅行をぼちぼちしていますが、
この国で最も注意すべきは交通事故。
今や治安以上に大きなリスクです。

なおヘッダーは2020年に新潟県長岡市にて撮影。

現地で携帯電話のSIMカードを購入していないので、WiFiが使えるところしか、スマホによるネット利用はできません。近年は他の国と同様、都市部ではウーバーが発達していますので、ホテルのロビーでそこのWiFiを使って呼びます。

車の運転は私の住んでいるサンサルバドルよりも総じて荒く、顕著なのが車間距離の短さ。その上、割り込みも多く結構危険です。

他に気付いたのは、タクシーにしても、ホテルのウェイターにしても、かなり訛りがあって聞き取りにくいこと。語尾の「s」がしばしば発音されないので、私が今までに行った国の中ではパナマの訛りに近いですが、それよりもややぶっきらぼうな言い方です。昨年のエクアドル旅行の時にはエルサルバドルとの発音の違いをほとんど感じませんでしたが、ここは違います。最初の二、三日は、しばしばコミュニケーションにも差し障りがあるくらいでした。

人種について言えば、ドミニカ共和国はやはり中米大陸部とは違って、アフリカ系の血がやや強い印象です。

 

人々の性格も、エルサルバドル人が日本人に近い気質というか国民性であるだけに、やや違和感を感じます。

その違和感が、むしろ興味深くはあるのですが。

 

 

40~50分で旧市街であるコロニアル地区 (Zona Colonial) にある本日の宿泊先、ラ・アルデア (La Aldea) に到着。宿の名は「集落」「村落」という意味。日本で言うならペンションといった感じで、他にコロンビアから来たという家族連れが泊っていました。素泊まり一泊3,200ペソ(この時のレートで1ペソは約2.55円ですので、約7,200円になります)。

オーナーはフランス人のフランキー (Franky) さん。かなりのフランス語訛りがある、だけでなく、彼の話す言葉に一部フランス語が混じってさえいます。

 

 

 

個人経営の小ぢんまりとした宿です。部屋やバスルームはこんな感じで至って清潔。フランス人の綺麗好きさを感じさせます。

チェックインして荷物を部屋に置いたのが正午前。さてさて、午後は丸々、この国で唯一UNESCO世界遺産に登録されているコロニアル地区の散策といきますかね。

 

 

宿周辺の家並みからして実にコロニアル風。宿の向かいのこの家なぞ、ブーゲンビリアを豪華にアレンジして、いやあ、もう、カリブ海の国に来たことを否が応でも感じざるを得ません!

 

 

宿から2ブロック半(約250m)で、歩行者道であるエル・コンデ通り (El Conde) に。飲食店や土産屋が立ち並び、外国から来たと思われる観光客風の人々が目立ちます。

かく言う私も外国からの観光客なのですが、一人でカメラを構えつつ歩いている姿は、他の、特に通行者の大半を占める団体客からすると若干浮いて見えるかも。

しかし、他にも日本人らしい男性が一人で歩いているのを見ましたし、むしろ国際観光都市サントドミンゴの光景を構成する一断片と言えるのかもしれません。

 

 

エル・コンデ通りを東に数ブロック歩くと、コロニアル地区の中心とも言えるコロンブス公園 (Parque Colón) に行き当たります。

 

 

公園中央に立っているコロンブス像。説明板には大提督 (El Gran Almirante) の称号が付されています。1887年建立。

 

 

そこに面した教会は本日の最初の目的地、サンタマリア・ラ・メノール大聖堂 (Catedral Santa María la Menor) です。ヌエストラ・セニョーラ・デ・ラ・エンカルナシオン大聖堂 (Catedral Nuestra Señora de la Encarnación) とも呼ばれているようです。聖なるマリア(サンタマリア)は神なる子であるイエスキリストを生んだ(肉体を与えた=エンカルナシオン)我々の淑女(ヌエストラ・セニョーラ)であるということで、同じマリア様を指すのに別の表現をしているわけです。要するにマリア様を祀(まつ)ってある教会です。

ウィキペディア(スぺイン語版)によると、アメリカ(合衆国ではなく米州)で最も古い大聖堂で、1514年の建立と言いますから、コロンブスのアメリカ大陸発見からわずか22年しか経っていません。

 

コロンブスの遺体が安置された場所でもあるそうです。しかし1795年にキューバのハバナ大聖堂に移され、現在はスペインのセビリア大聖堂に安置されているとのこと。

世界遺産「サントドミンゴの植民都市」のランドマーク的建築物です。

 

 

公園とは反対側から入ります(そして公園側から出ます)。拝観料は音声ガイドなしが80ペソ(約200円)、携帯音声ガイド付きで100ペソ(約255円)。

では、内部の様子お見せしましょう。中は帽子着用禁止、静粛にとの注意書きがあります。写真撮影はフラッシュなしならばOK。

 

 

説明板によると、この建物自体は1524年頃建設されたとのこと。ゴチック様式の「交差リブヴォールト」と呼ばれる、幾重にも連なる天井のアーチが見事です。

 

 

正面中央にはイエスキリストを抱えるマリア像。

 

 

聖堂内がうす暗いだけに、ステンドグラスから射す光が目を刺すような眩(まぶ)しさに見えます。

 

側面には小さな礼拝室 (capilla) が幾つもあります。その中の3つをお見せします。

 

 

これはヌエストラ・セニョーラ・デ・ラ・アンティグア (Capilla de Nuestra Señora de la Antigua) または預言者イエス (Capilla de Jesús Predicador) と呼ばれる礼拝室で、説明板によると、新しい部屋の一つだそうです。中央に描かれたのが、ヌエストラ・セニョーラ・デ・ラ・アンティグアと呼ばれるマリア像。1917年、エンリケ・タラソナ (Enrique Tarazona) 作。

 

 

聖コスマスと聖ダミアヌスの礼拝室 (Capilla de San Cosme y San Damián)。かつて、壁龕(へきがん)にはこれらの名を持つ双子の医術守護聖人の像があったそうです。現在、中央にはサントドミンゴの大司教であったフェルナンド・アルトゥーロ・デ・メリーニョ大司教の遺体が安置されているとのこと。

 

 

「苦悶のキリスト」礼拝室 (Capilla del Cristo de la Agonía)。1517年にイスパニョーラ島にやって来たディエゴ・デル・リオ (Diego del Río) という人が作った礼拝室とのことですので、かなり古いです。

しかし補修されてきたのでしょう、この像も壁も、その頃に作られたとは思えないほど良好な状態です。

 

 

大聖堂を出て、道を挟んで反対側にあるのはサントドミンゴ大司教区教会 (Arzobispado de Santo Domingo)。二階の窓から国旗が垂れ下がっていますね。

UNESCO世界遺産に登録されているだけあって、見ごたえのあるコロニアル地区。こんなもんじゃあ、ありませんからね。まだまだ続きますよ!