アレグリア(4)3日目 | Que sais-je? ク・セ・ジュ――われ何を知る

Que sais-je? ク・セ・ジュ――われ何を知る

エルサルバドルに単身赴任中。
気候が良く日本より健康的な生活を送っています。
ドライブ旅行をぼちぼちしていますが、
この国で最も注意すべきは交通事故。
今や治安以上に大きなリスクです。

なおヘッダーは2020年に新潟県長岡市にて撮影。

 

2月18日(日)。朝起きると、鳥の鳴き声が聞こえるので窓から中庭の木を見ると、中米に広く分布するハイイロイカル (Cinnamon-bellied saltator) が。意識して鳴き声を聞いていなかったので覚えていないのですが、ウィキペディア(英語版)によると、エルサルバドルではその鳴き声からディチョソフイ (dichosofui) と呼ばれているそうです。2単語に切り離して「ディチョソ・フイ!(¡Dichoso fui!)」とは「私は幸せだった」という意味。

 

 

しばらくして、こちらも中米に広く分布するバフムジツグミ (Clay-colored thrush)

 

 

上の木は鳥の往来が多く、またしばらくすると、今度は頭部がブルーの鳥がやって来ました。モンキフウキンチョウ (Yellow-winged tanager) です。メキシコのメキシコ湾岸からコスタリカ北部にかけて分布。派手ではないですが、一風変わった綺麗な配色です。

口に何か小さな赤い実を咥(くわ)えていますね。

 

 

そうなんですよ。すぐそばに実を付けた桑の木があるんですよ。恐らくクロミグワではないかと思われますが、植物同定アプリ Pl@ntNet に画像をかけたら筆頭で出て来たものの、一致率が33.4%なので、少々自信がありません。

実は、サンサルバドルに帰る前にもう一か所訪れてみたい場所がありました。フィンカ・ラウダ (Finca Rauda)、「ラウダ農園」です。昨年、出張でたまたまウスルタン県を通過中、「そのうちアレグリアに行きたいと思っているんだ」と借りた車の運転手に言ったところ、彼が薦めてくれたレジャー施設です。入園料大人1人4ドル、駐車料1台1ドル。自転車、ジップライン、空中自転車、バギーと幾つかのアクティビティがあります。子供向けの遊具も色々とありました。

 

 

レストランやカフェも幾つかあります。私はこの建物に入っているラ・テラサ (La Terraza) というレストランで朝食をとりました。

 

 

田舎風朝食 (Desayuno Campestre) という名の付いた朝食セット。英語では「ピクニック朝食 (Picnic Breakfast)」という名になっていました。6.75ドルは約1,000円、いや、最近は更に円安が進んでいますから、約1,040円。玉子焼きはスクランブルエッグにしてもらいました。豆のペーストであるフリホーレス、揚げプランテイン、アボカド、サワークリーム、それにパンかトルティーヤで本日はパンを選択。

あれっ、今更ながらに気づいたのですが、メニューにあるソーセージと白チーズが付いていない!

コーヒーはアメリカンの12オンス(トールサイズに相当)で2.25ドル、約350円。チップを付けて10ドル支払いました。

 

 

道を挟んで向かい側にはカサ・ラウダ (Casa Rauda) という名のレストランもありましたが、朝のこの時間はまだ営業していなかったようです。

 

 

その脇にある、床がガラス張りの展望台から西方面のアレグリアの村を眺めた景色。中央の教会がランドマークです。

 

 

園内の一番奥へと下って行った所にもマサテペケ展望台 (Mirador Mazatepeque) というのがあります。デコレーションを施したベンチやブランコがありました。

 

 

そこからは北方面の眺望。展望を良くするためでしょう、柵がなく、辺縁には水平にネットが張られています。実際、視界を遮(さえぎ)る物がほとんどなく拓けていますが、景色自体はやや霞んでいました。

アクテビティをする気は起きなかったので、私は野鳥観察をしながら園内を散策することにしました。

 

 

宿で見たハイイロイカルのように眉のところが白くなっていますが、それにしては嘴(くちばし)が細いです。鳥同定アプリの Merlin で画像検索しても候補が出て来ず、条件検索で絞っていくとフナシマネシツグミ (Tropical mockingbird) が似ていますが、確信は持てません。

 

 

マミジロアメリカムシクイ (Tennessee warbler)。和名の通り、眉の部分が白い筋になっています。北米から南米北部にかけて広く分布する渡り鳥だそうです。

 

 

ニシフウキンチョウ (Western tanager) のメス。オスは顔面が赤くなっていて派手ですが、見ませんでした。北米・中米に分布する渡り鳥。

 

 

 

空中自転車の設備。

 

 

こちらはバギー。私はいずれもパスしました。もしやるとしたら、空中系は嫌いなのでバギーを選んでいたでしょうか。

私は本当に空中系アクティビティは嫌です。バンジージャンプ、ハンググライーダー、パラグライダー、気球、ヘリコプター遊覧、……。スカイダイビングなどもってのほか。どうしてあんな命の危険を冒してまで愉しみたいんだと思ってしまいます。

別に陸上や水中も安全が保障されているわけではありませんがね。前日の噴出口探索など、結構危険だったかもしれない。

帰路にはサンビセンテのお気に入りの店、ミケランジェロ (Michelangelo) に寄りました。日曜日でもあり、昼間は閉まっていることが多いこの店。私が来た時も閉まっていましたが、到着して電話をかけると開けてもらえました。ピザを待っていると、家族連れが入って来ました。お母さんと二、三の会話。私はこの国で教育プロジェクトの仕事をしている旨、説明。

私が店のご主人に「名刺を新しくしたから」と言ってそれを渡すと、私は彼にあげるつもりだったのに、彼は勘違いをしてその家族にあげてしまいました。別に見ず知らずの他人で自分をPRする必要の全くない相手にあげてもしょうがないのですが、既に名詞はお母さんの手に。今更、「いやいや、これはご主人にあげたんですよ」とは言えません。

この時には「では、あなたにも」と言って彼に追加で渡す機転が利きませんでした。

 

 

食べたのはマッシュルームと野菜のピザ (Pizza con hongos y vegetales) 。6.5ドル、約1,000円。少々値上がりしていますが、それでもサンサルバドルのピザ屋やイタリアンレストランよりはるかに安いです。普段昼食を取らないことも多い私は、後で食べるためと、日本人同僚のN君へのお土産用に大半を残しておきました。

ピザを食べている時に、J-POPSが流れ始めました。ステレオポニー「ヒトヒラのハナビラ」、いきものがかり「ブルーバード」など。YouTube を流しているとのこと。私は歌詞を手掛かりにアーティストと曲名を同定しました。もっとも、いきものがかりは有名ですし、曲作りやボーカルの特徴を知っていましたので、曲名だけを同定。

この旅行後に知ったのですが、「ブルーバード」は昔の歌なのに、最近の The First Take にも収録されていますね。紅白歌合戦ではまだ披露していないようです。次の出場では是非これを歌ってほしいものです。

こういう、何気ない所で日本を意識した計らいや、日本に関する質問を現地で受ける度に、マンガやアニメの力は偉大だと思う今日この頃です。かつては、私にごく近しい現地人か日本人を相手にした何かのイベントでもない限り、中南米でこんな経験をすることは少なかったです。

そういえば、今週の土曜日すなわち4月27日には、先日亡くなられた鳥山明さんの追悼イベントが、当地の文化省、日本大使館などの共同開催で行われます。会場はダビッド・J・グスマン国立人類学博物館 (Museo Nacional de Antropología Dr. David J. Guzmán)。イベントの中身――コスプレコンテスト、カラオケコンテスト、お絵描きコンテスト、折り紙・マンガ・墨絵・切り絵のワークショップ等、色々あるようです――にはあまり興味がありませんが、当地での彼の人気の程を見てみたいですし、博物館自体も行ったことがないので興味があります。

この機会に行ってみようかな。