アレグリア(2)2日目の上 | Que sais-je? ク・セ・ジュ――われ何を知る

Que sais-je? ク・セ・ジュ――われ何を知る

エルサルバドルに単身赴任中(7/15~8/5一時帰国)。
気候が良く日本より健康的な生活を送っています。
ドライブ旅行をぼちぼちしていますが、
この国で最も注意すべきは交通事故。
今や治安以上に大きなリスクです。

なおヘッダーは2020年に新潟県長岡市にて撮影。

 

2月17日(土)、アレグリアへのドライブ旅行の2日目。朝食は、中央公園の斜め前にあるミ・プエブリート (Mi Pueblito) にて。店名は「私の小村」という意味です。入ったすぐの所は土産屋になっていて、その奥に案内されました。

 

 

テーブルがたくさんあって、結構大きなレストランです。200人くらい入れそうですが、この時間、他に客はいませんでした。

 

 

朝食のセットはデサユノ・セナ・ティピカ (Desayuno Cena Típica) という名の付いた当地の典型的な料理で5ドル。それにコーヒーが1ドル。大皿には、玉子焼き(目玉焼き、スクランブル、野菜入り玉子焼きのチョイスがあって、トマト系のソースをかける)、ソーセージ、揚げバナナ(プランテイン)、白チーズ、サワークリーム、そして豆入りライスであるカサミエント (casamiento)。小皿にはトルティーヤ2枚。

チーズはやや塩辛く、カサミエントは柔らかくて味が濃かったです。トルティーヤを含め、全体的に田舎風の、言い換えれば粗野な感じの味という印象です。

 

 

アレグリアの村から車で10分余り、テカパ火山 (Volcán Tecapa) を上っていくと、火口湖であるアレグリア湖 (Laguna de Alegría) があります。入園料1.25ドル、駐車料1ドル。

 

 

浅く、今にも干からびそうな感じです。割合強い硫黄臭がします。

 

 

このように、ぐるりを切り立った山が取り囲んでいます。なお、写真は山頂ではありません。

コンクリートの円形テーブルがあちこちにあり、簡易ながらサッカー場もありますが、それ以外には園内にこれといった設備はありません。湖を反時計回りの一方通行で回るようになっていて、一周約2.5キロ、車で15分です。

園内全体で訪問客が100人か200人くらいいました。みな家族連れ風か若者のグループまたはペアで、私のように一人で来ている人は他にいなさそう。ピクニックの目的地という感じです。

 

 

乾いた砂地に咲いていたのは、植物同定アプリの Pl@antNet の画像同定によると、マメ科のゾルニア・レティクラタ (Zornia reticulata)。画像一致率89.3%で出て来て、分布も熱帯・亜熱帯アメリカのようですから、まず間違いないでしょう。

 

 

火口湖を取り巻く公園の敷地内に、何故か小さい学校が一つ。サン・フアン村第1学校 (Centro Escolar "Cantón San Juan I") の看板が。この規模からして、きっと複数の学年を同じ教室で教える複式学級の学校でしょう。エルサルバドルの公立学校の半数近くが複式学級であるという話です。しかし、生徒数で言うと全体の1割弱という情報があります。

さて、アレグリア湖から、私はグーグルマップで見つけた温泉の噴出口であるエル・オヨン (El Hoyón) に向かいます。「オヨン」とは「でっかい穴」という意味です。

湖からは土の悪路になります。しばらくは集落が点在しており、まだ普通の未舗装道路でしたが、噴出口が近づくにつれ、だんだん悪くなってきました。遂にこれ以上進むのは厳しいかなと思ったところで、平らなスペースのある所まで引き返して車を停めてそこから歩こうと思いバック。しかし右下の死角にあった高さ30cmほどの岩に気づかず、乗り上げて後輪が越えたところでガンと衝撃が。側底面のプラスチックガードが吹っ飛んでしまい、金属部分もやや凹んでしまいました。

 

幸い軽い損傷で、サンサルバドルに戻って、後日自動車整備場にて直してもらいました。修理代485.57ドル(約73,000円)。私はもっと安いと見積もっていたので、最初は保険を申請せず、この金額を聞いて慌てて申請したのが26日後。車も現場から移動していましたし、保険会社に連絡して修理場で破損個所を確認してもらった時には、既に相当部分直されていました。会社からも上記の事情のために補償額は割り引かれる旨のメールが来ました。

というか、ゼロかもしれないなと覚悟していました。

こんな事なら、事故った時にすぐに保険会社に一報を入れるべきでした。そして保険会社の指示する修理場に持って行ったら、恐らくタダだったでしょう。

それでも査定された補償額は212.48ドル(約32,000円)。かなり良心的な会社だと思いました。

話を戻して、車を置いて歩いて進むと、そこから道の状況はやや良くなって、結果的にはそのままエル・オヨンの入口まで車で進めたようです。しかしそれを確認できたのは、しばらく歩いた後でしたし、エル・オヨンまでの距離もさほどなかったので、そのまま歩いて向かいました。車を置いた場所から噴出口入口のゲートまで約600mでしたしね。

さて、噴出口へのトレイルの入口と思われる位置には木と有刺鉄線でできたゲートがあって閉まっていたので、隙間を越えて入ってみましたが、道は見つからず。木の間をすり抜けつつ、こちらかと思しき方向に歩いて行くと、最後は崖で終了。やむなく一旦ゲートまで戻って、道を挟んで反対側の農園でチェーンソーを使って作業していたおじさんに「噴出口に行こうとしたんですけど、道がないですよね」と言うと、「いや、ありますとも (Cómo no)」。そこでもう一度ゲートを入り直してよく見ると、果たして岩や木の幹に赤い印がしてあったりして、道がありました。

 

 

そこを辿(たど)って行くと難なく噴出口に。中央に湯気の噴出しているのが見えますね。

 

 

側面はこのように、硫黄が析出して黄色くなっている部分から盛んに湯気が出ています。

 

 

析出部分を拡大するとこんな感じ。苔(こけ)のようにへばりついています。

 

 

こんな感じに、黄色と黒が入り混じった部分もあります。

 

 

硫黄の単斜結晶もそこら中で見られます。これこそ硫黄の苔というか硫黄の華(はな)というか。美しいです。

 

 

最も盛んに湯気が出ている箇所。熱さに要注意。あまり近づき過ぎてはいけません。

 

 

ぼこぼこ。激しいです。

 

 

こちらもぼこぼこ。やはり激しいです。

当然のことながら、周囲は硫黄臭が蔓延(まんえん)しています。火口の窪地になっているので、空気も淀(よど)んでいます。ひょっとしてガス中毒など起こして倒れたら、他の人が今日中にここに来ることもなさそうだし、生きては戻れないと思った私。その場にはゆっくりせず、一通り写真を撮ったら足早に立ち去りました。

 

 

立ち去る時に、周囲に咲いていた花を撮影。Pl@antNet にトリミングしたもう少し解像度の良い画像をかけたら、Ipomoea tiliacea が26.6%、Ipomoea asarifolia が13.4%といずれも低く、確信が持てません。いずれも中米に分布しています。とにかく、花の形や色からしてヒルガオ科であることは明らかです。

この日の続きは次回の記事にて。