一時帰国はロスで一泊乗り継ぎ | Que sais-je? ク・セ・ジュ――われ何を知る

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エルサルバドルに単身赴任中。
気候がいいので日本よりよほど健康的な生活を送っています。
ドライブ旅行をぼちぼちしていますが、
この国で最も注意しなければならないのは交通事故。
今や治安以上に大きなリスクです。

なおヘッダーは2020年に新潟県長岡市にて撮影。

12月。一仕事終えて、今回の赴任でようやく初の一時帰国です。12月2日(土)にエルサルバドルを発って、1月6日(土)に戻る予定ですので、1か月余りの日本滞在となります(なお往復には2~3日かかります)。

飛行機の便は、私は本当はメキシコ経由が好きなんですけどね。トランジットのための入国検査・荷物検査もアメリカ経由ほどには煩わしくなく、スペイン語圏の航空会社でスペイン語圏を経由する方が、語学的にも、気分的にも、私にとっては今や楽なのです。アメリカに多い高飛車な係員も好きではないですし。更に、アメリカ経由だと一泊することになったりして、ホテル代が異常に高い。

しかし、航空料金が20万円以上違うとなると話が違います。この日のエルサルバドル発の便は、最安がロサンゼルス経由の約3,400ドル(約50万円。高い!)。それに対して、メキシコ経由だと何と5,000ドル(約75万円。超高い!)。

ただしロス経由だと一泊する必要があります。その経費を差し引いても、やむを得ずメキシコ経由を諦めるに十分な差です。ロスって、物価が高くてだだっ広くて、わたし的にはつまんない都市だという印象なんですが。

そして、下に書いていくように、その印象は十二分に当たっていました。

まずは、サンサルバドル発ロサンゼルス行きユナイテッド1670便。07:30発ですので、ウーバーを予約して自宅を早朝5時に出ます。まだ真っ暗です。気さくな感じのオバチャン運転手と気楽な話をして(内容は忘れました)、リラックスした感じで空港に向かいます。ああ、ロスではもっと緊張するんだろうな、と思いつつ(はじめからこんな気持ちなのが良くないのですが)。

 

 

サンサルバドル国際空港にて。これは搭乗機ではないですが、尾翼のデザインが好きなので撮りました。メキシコのボラリス (Volaris) 航空です。

飛行機は定刻の出発でした。エコノミークラスの3席並んでいる、私はその廊下側でしたが、隣に座ったのは、長いまつげに真っ黒なマスカラと、やけにケバケバしい若い女の子。よく見ると、KUROMIと書かれた服に、同じキャラクターのバッグと、すべてKUROMIグッズで身を固めています。

「クロミって、日本語っぽい響きなんですが」と私が言うと、「キティちゃんのお友達なの」と一言。

後でネットで調べたら、KUROMIはサンリオのキャラクターの一つで、キティの友達と言うか、悪役のようです。

私は日本発のキャラクターにどっぷり浸(つ)かっている彼女を目にして喜びつつも、精神的に弱いから、こんなにケバケバしくして、キャラクターで身を固めているのだろうなと、彼女の心理を分析するのでした。

彼女との会話はそれだけ。ロスまでは5時間半と、意外と長いですが、定刻に到着。

空港内には無料WiFiがあるので、それを使って、こちらでもウーバーでタクシーを見つけます。値段の表示が出て、私は目を疑いました。ホテルまでは約8キロしかないのに、片道約60ドル(約9,000円)。高あ〜〜いっ!! サンサルバドルの相場の6、7倍ですよ。これなら空港そばの送迎ありのホテルの方が安くついたと後悔。

迎えに来た車は好印象を与える、やはりオバチャン運転手でした。丁寧で穏やかな方でした。クレジットカードで支払いましたが、ウーバーのシステムには、何パーセントのチップをあげるか選択する機能も付いています。アメリカでタクシーにチップをあげないのは、よほど気に食わない事がない限りはマナーに反しますので、仕方なく最低額の選択肢を(確か10%だったか?)。

私が泊ったのは、歴史的なロックバンドとも言えるザ・ビーチ・ボーイズ (The Beach Boys) が結成された場所として知られるホーソーン (Hawthorne) 地区(だからそこにしたわけではなく、単に空港に近かったからですが)。メンバーのうち5人が卒業したホーソーン高校 (Hawthorne High School) の脇を通り過ぎて……。

 

 

デラックス・イン・ホーソーン (Deluxe Inn Hawthorne) へ。素泊まり税込み140ドル。

 

 

 

シンプルであっさりしたビジネスホテル風の宿で、清潔感があります(しかし、夜中に隣の部屋から男女の営みの声が……)。

昼食を食べるため、グーグルマップでレストランを探し、早速宿の周辺を歩き始めました。

 

 

だだっ広い道路です。ああ、落ち着かない。

 

 

のっぺりした街で、ああ。落ち着かない。

 

 

住宅地の路地(と呼ぶには広い道)に入ります。ある住宅の雨どいに留まったのはクロツキヒメハエトリ (Black Phoebe)。アメリカ合衆国西半分からアルゼンチン北部まで広く分布する鳥らしいです。エルサルバドルにもいるそうですが、当地ではまだ野鳥観察の経験が少ないためか、見たことがありません。

 

 

大きな交差点は押しボタン式信号。

 

 

落ち着かない。だいいち、道路を渡るのに時間がかかりすぎる。

 

 

最初はメキシコ料理屋を目指していたのですが、来てみると、レストランというよりコンビニのイートインという感じで落ち着かなかったので他を探すと吉野家が。この方がまだ落ち着くし、ロスの吉野家の味にも興味があったので、昼食はそこにしました。

女性店員3人。客対応は黒人で、多分アメリカ人。厨房の2人はスペイン語を喋っていました。歩いていても、道行く人のざっと半数程度はスペイン語を喋っているという印象です。

 

 

牛丼の並。量は日本のと同じくらいなのに、8.59ドル(約1,290円)はチョ高! 味も日本のと変わりありません。その意味では、安心して食べられました。ドリンクは Boba という名の付いたタピオカ入りミルクティーで、4ドル。4つのチョイスがあり、私は抹茶を選びました。やや苦いですが、大体想定した味でした。税込みで13.88ドル(約2,080円)。

 

 

近くにはメキシコ料理の食材をたくさん売っているスーパーもあり、入口にはスペイン語も書かれています。しかし中には入りませんでした。

夕方、お腹が空いてきたけれども、ネットサーフィンをしている間に外は暗くなってきました。そのネットで周囲の治安状況を調べたら、ロサンゼルスの中では特別良い方でも悪い方でもないようです(いや、やや悪い方かもしれない)。少なくとも、夜間に歩いて近くのレストランやセブンイレブンに行くのはかなり危険そうです。

デリバリーのメニュー表が部屋にありましたが、結構高かったので、これもやめて、結局、「夕食の一食くらい抜いてもむしろ健康的かもしれない」と思い、空腹のまま早く寝ることにしました。

翌朝、再び空港へ。

 

 

 

朝食には、搭乗ゲートのそばにあるヒルトップ (HILLTOP) という名の店で、ブリトー15.90ドル、コーヒー(アメリカン)4.10ドルを購入。

高あ~~っ。いかに空港だからと言って、たかが朝食がコーヒーと併せて何と3,000円ですよ!

ロスからはユナイテッド32便、10時半発。乗客は半数くらいで、私の並びの3席は、私が独占できました。

この航空会社では、酒類は基本的に有料になりましたが、大陸間運航の長距離便ではビールとワインのみ無料とのこと。嬉しい。コップ1杯分の小ボトルを3本いただきました。

客室乗務員には日本人も何人かいましたが、なぜか年齢が60歳前後と思われるベテランのみ。コロナ禍と関係があるのでしょうか。

成田には翌4日の15時半着。17時間の時差があるので、12時間の飛行時間です。成田エクスプレスと新幹線を乗り継いで、長岡の自宅に着いたのは20時過ぎでした。

ということで、今回の記事では、もともと好きではなかったロサンゼルスを、ますます嫌いになったということがお分かりになったかと思います。