コロナに罹る(下) | Que sais-je? ク・セ・ジュ――われ何を知る

Que sais-je? ク・セ・ジュ――われ何を知る

エルサルバドルに単身赴任中(7/15~8/5一時帰国)。
気候が良く日本より健康的な生活を送っています。
ドライブ旅行をぼちぼちしていますが、
この国で最も注意すべきは交通事故。
今や治安以上に大きなリスクです。

なおヘッダーは2020年に新潟県長岡市にて撮影。

前回の続きです。

 

 

5種類もの薬を処方されました。先生が何の薬か簡単に説明したのですが、早口で、かつ知らない単語もあったので、家に帰ってからネットで調べ直しました。

TIALGIN(錠剤):鎮痛
ZAMEN(錠剤):抗炎症
SPAR ALERXOL(錠剤):(特にアレルギーによる症状としての)痰切り、咳止め
BRONCATOX(シロップ):咳止め
TANTUM(喉への噴霧):抗炎症、鎮痛

服用指示は患者にとって面倒です。というのも、すべて「XX時間おき」と書いてあり、今回の場合、「8時間おき」が3つに「6時間おき」が1つ、「1日1錠(つまり24時間おき)」が1つ。厄介なのは「6時間おき」が1つあることで、なるべく投与を日中に多くしてかつ時間を複雑にしたくない私は、一覧表のチェックシートにして整理し、それぞれの日の6時に4つ、8時に1つ、14時に5つ、20時に1つ、22時に3つ、と振り分けてみたものの、それでも夜中の2時にその「6時間おき」を飲まなければならない。しかも、常用薬である降圧剤と鼻炎薬を朝に3つ服用しているので、6時は何と7つも!

処方箋をもらった時に医者に、「これって、薬がなくなるまで服用する必要がありますか?」と聞くと、「いや、症状が治まったら服用しなくていい」とのこと。抗生物質だったりすると、最後まで服用しきらないと耐性菌が増えたりするので良くないですが、今の場合はすべて症状を抑える薬なので、飲んだり飲まなかったり、途中で止めちゃったりしても構わないようです。だから、夜中に目が覚めなければ、そのまま薬を飲まないで寝ていていいということでしょう。

でも、結局は、夜中に目覚ましをかけて起きたり、自然に目が覚めたりして、ほぼ処方通りに服用しましたがね。服用期間は5~7日。

それと、これは大したことではないんですが、そもそも、薬は日本の処方箋受付薬局のように、必要な分だけ1錠ずつとかで売っておらず、すべて箱売りです。なので、すべて処方通りに服用しても、大抵は余りが出ます。

さて、病院から戻るとすぐにお手伝いさんを帰宅させ、それからは木・金・土と指示通り3日間は自宅に籠っていました。

ただ、その間ずっと、ゆっくり休めたかというと、全くそうさせてもらえませんでした。まず水曜日の晩にはオンライン会議がありました。よほど体調が悪くない限り、在宅でも出席できてしまいますからね。ミュートにしておけば咳の音で他の出席者に迷惑をかけることもありませんし。「コロナに罹ったので、ほとんど発言できる状態ではないか、発言しても聞き苦しいと思うので、ご了承ください」とメールで会議のホストに予め断った上で、出席です。

また、月曜日からの流れで水・木と一種の緊急事態が発生したので、自宅から遠隔――メール、WhatsApp(日本でいう LINE)、電話――で対応しました。特にスペイン語のメールは、書くのに二、三時間かかった長文のものが2通。金曜日もそのフォローに WhatsApp や電話のやり取りを、同僚日本人であるN君と少々。なかなか落ち着きません。

それぞれの応対が一段落してはベッドで横になり、また暫くして突然 WhatsApp の着信を受けて応対する、そんなことでかなり時間を費やしました。

かくして、当座の仕事から解放させてもらえたのは土曜日(緊急を要しない業務・課題は山積していますが)。まだ咳と喉の痛みは残っていますし、鼻も詰まり、痰も出る。しかし頭痛はなくなりましたし、熱は、水曜日に病院で処置を受けて以降、ずっと36℃台前半の平熱。そこで、ようやくこうしてブログの記事を書いているわけです。

ところで、ネットで調べたところによると、今回罹ったのはオミクロン株に違いありません。

まず症状。特に火曜日に始まった乾いた咳、喉の痛み、そして火曜日には測っていませんでしたが、さほど高くない発熱というのが、オミクロン株の三大症状とも言えるほど典型的なようです。一方、それまでのアルファ株やデルタ株などでよく見られた味覚・嗅覚異常はオミクロン株の場合、1%くらいの人にしか現れないそうで、私も幸い、食事は美味しくいただけましたし、手を洗う石鹸の匂いもよく分かりました。

そして潜伏期間。感染した場所は、年が明けた後、日本か移動中の可能性が高いですが、エルサルバドルで感染した可能性もゼロではありません。この中で私が感染源として最も疑っているのは、羽田発ヒューストン行きの飛行機内です。月曜日の症状がコロナの発症だとすればその2日半前、火曜日の咳がそうだとすると、その3日半前が、この機内にいた時間に当たります。オミクロン株は、潜伏期間が最も多いケースでで5~7日くらいと言われていたそれまでの株と比べて短く、2~3日の人が最も多いという話です。つまりインフルエンザと同じくらいです。

私はエコノミークラスの3人掛け座席で窓側に座っていましたが、一人置いて反対端の、日本人中年男性がしばしば咳をしたり、洟(はな)をすすったりしていました。気分が悪そうに見えなくもない(後から思うと)。顔色は蒼白ではない、というか、むしろやや赤ら顔に見えます(後から思うと)。

機内では客室乗務員以外、マスクを着けている人はほとんどいません。私は、マスクを付けて機内に入りましたが、座席では外していることの方がほとんどでした。
1m強ほど離れていましたし、お互いに顔は前を向いており平行なので大丈夫だろうと思っていたのが迂闊(うかつ)でした。

 

なおワクチンは、2022年12月に打った4回目(ファイザー)が最後でした。

私と彼の間には、若い女性が座っていました。羽田のチェックインの列でたまたま私のすぐ前にいたのですが、彼女は家族連れと思われる4人グループで来ており、他の3人は別の場所に座っています。そのうち、お父さんと思われる人は欧米系の顔でメキシコのパスポートを持っていましたし、お母さんと思われる人は日本人風で日本のパスポートを持っていましたので、彼女はきっとハーフでしょう。

その彼女、抗体が十分でなければ、完全に感染しているだろうなあ。

感染しておいてこう言うのも何ですが、私は感染対策に気を付けてきた方だったと思うんですよ。マスクの着用率がぐっと低くなったエルサルバドルでも、人前では結構付けている方でしたし、帰宅すると大抵手洗い・顔洗い・うがいをしていました。

それでコロナ禍を乗り切ったかな、と思ってマスクを着用する場面や時間を減らした矢先の、油断の感染でした。

飛行機の中って密閉空間ですから、気を付けなければなりませんよね。まだ機内感染と決まったわけではありませんが。

とにかく、体調がかなり回復してきたのは、ひとまず良かった。

しかし仕事が山積している。

ということで、暫く記事の更新はかなりゆっくりになります。ご了解ください。