ドンフアンの滝と周囲の花 | Que sais-je? ク・セ・ジュ――われ何を知る

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エルサルバドルに単身赴任中。
気候が良く日本より健康的な生活を送っています。
ドライブ旅行をぼちぼちしていますが、
この国で最も注意すべきは交通事故。
今や治安以上に大きなリスクです。

なおヘッダーは2020年に新潟県長岡市にて撮影。

 

エルペロルの滝へは行けなかったものの、その日の晩に宿にてグーグルマップで調べてみると、もっとアクセスが良く観光客も多く訪れる滝が、同じアタコ市内にあるのを見つけました。ドンフアンの滝 (Cascadas de Don Juan)です。失敗を挽回するため、翌日の10月15日(日)には、温泉に行く前に、まずそちらの方に行ってみることにしました。宿から車で20分余りの所にあります。

入園料3ドル、駐車場無料。

受付のある駐車場から滝までは、道路を渡って反対側にある小道を10分程度歩いて行きます。途中には植えてある植物や、恐らく自生している植物の花が、色々と咲いています。年配者の女性を含む数人のグループが私の前をゆっくり歩いていくので、私に先を譲ってくれましたが、私はところどころで立ち止まって花を撮影するので遠慮しました。

 

 

ベゴニア・セリコネウラ (Begonia sericoneura) が、解像度を落とす前の画像を Pl@antNet にかけて、一致率22.05%(以下も同様に解像度を落とす前の画像の一致率)。ここには掲載していませんが、葉だと31.39%まで上がりました。

 

 

シコンノボタン (Pleroma urvilleanum) の8.74%がせいぜいで、他の候補は1%ないしそれ以下です。

 

 

うまくトリミングしたら、メガスケパスマ・エリトロクラミス (Megaskepasma erythrochlamys) が60.48%なので、多分これでしょう。ベネズエラ原産。幾つかのサイトをあたると、分布はニカラグアからベネズエラのようですが、ニカラグアの隣国であるここエルサルバドルにも分布しているということなのでしょう(自生しているとすれば)。

 

 

カリシア・セルラータ (Callisia serrulata) が91.41%で断トツ。

これだけの一致率で名前に確信が持てたわけですが、この花の名前が分かった瞬間、ふと感じたことは……。

カリシア・セルラータ。でも、その名前だと分かったところで、so what?(だから何?)


とにかく、道端に花が色々と咲いているものだから、肝心の滝に着く前に、どんどん気になってその都度立ち止まります。

 

 

ヘリコニア・コリンシアナ (Heliconia collinsiana) が89.09%なのでまず間違いありません。ウィキペディア(英語版)では、エルサルバドルも自生分布域に入っています。「果実は目立つ (The fruits are showy)」と記述されているように、派手な赤色の苞葉(ほうよう)を持ち、目を引く変わった格好をしています。日本語のサイトも二三ヒットしますので、日本にも園芸植物として入っているようです。

 

 

ヒメアリアケカズラ (Allamanda schottii) が56.51%。似た植物にアリアケカズラがありますが、そちらはつる植物であり、写真のは低木でしたので違います。ブラジル原産。

 

 

花の中央部には赤い筋が並んでいます。

 

 

オオバンマツリ (Brunfelsia pauciflora) が78.32%。こちらもブラジル原産。

 

 

ドンフアンの滝に着きました。このように2つの滝から成り、日本語なら夫婦(めおと)滝とでも呼びたくなるような姿です。左の大きい方が直線的で、右のやや小さい方が嫋(たお)やかに曲がっているあたりも、そんなネーミングがぴったりくるように思われます。

 

 

手前にたくさん咲いているメガスケパスマ・エリトロクラミスと「夫滝」のコンビネーション。

 

 

滝壺のそばにはこんな面白い花が。オオヤマショウガ (Zingiber spectabile) が71.03%の高一致率で出て来ました。東南アジア原産だそうですので、植えてあるのでしょう。

 

 

ナガバハリフタバ (Spermacoce remota) が95.58%ですのでほぼ確実です。ウィキペディアによると、「世界の熱帯地方に分布し、日本では沖縄に帰化している」と。

 

 

Schwackaea cupheoides(すいません、もはや日本語表記でどう書くのか分かりません。Schwack という綴りからして、ドイツ語の人名に由来するのでしょうか)が11.19%と低いですが、他の候補はかなり違いますし、他のサイトでは分布が中米に集中していますので、多分これでしょう。
 

 

落花生の仲間、アラキス・ピントイ (Arachis pintoi) が47.57%。ウィキペディア(英語版)によると飼料として利用されているそうです。

今回の記事は滝の紹介というより花の紹介になってしまいましたね。

こんなわけで、滝そのものも良かったものの、その周辺に咲いている花々の方が私の目を引いたのでした。