4月29日の記事に追記しようと思いましたが、少し長くなったので、むしろ独立させた方がいいと思い、別にしました。その方が、読んでいただける方も多いでしょうし。
前の記事では、基本的には中国に損賠賠償請求を行うべきではないという旨の主張を行いました。現時点では、この主張を変えるつもりはありません。
しかし、今後、いかなる条件・状況でも、ということではありません。
「正義」が相対的であっても、いや、「正義」が相対的であるからこそ、その「正義」が世界における多数派になった場合は事情が違ってくる。つまり、欧米主要国の多くが損害賠償請求の動きに出た場合は、日本としても歩調を合わせないと、かえって国際平和から後退することになるでしょう。その場合は中国を敵に回すことになるでしょうが、中国に迎合して損害賠償請求という刀を引っ込めていると、今度は欧米各国と不和になるでしょう。
つまり「長いものに巻かれろ」ということ。
そんな意見は付和雷同だ、日和見主義だとの誹(そし)りを受けるかもしれません。その批判は甘んじてお受けしましょう。
でも、政治とはそういうものでしょ?
「何が正しいか」はかなり哲学的な問題で、凡夫である私たちにはなかなか分からないものだと思います。前の記事の繰り返しになりますが、中国には中国の正義がある。だから正義に固執し、水掛け論を永遠に続けて日本自身が結局不利になったり損害を被ったりするくらいなら、「何が正しいか」は一旦カッコに括って、世界が平和になり、その中で日本がうまく立ち回っていくにはどの選択肢が最適かを考えましょう、ということです。
この意味で、私の主張は、手の裏を返すように見えるかもしれませんが、一貫しているつもりです。