最後のマラウイ旅行はやはりルワワ | Que sais-je? ク・セ・ジュ――われ何を知る

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エルサルバドルに単身赴任中(7/15~8/5一時帰国)。
気候が良く日本より健康的な生活を送っています。
ドライブ旅行をぼちぼちしていますが、
この国で最も注意すべきは交通事故。
今や治安以上に大きなリスクです。

なおヘッダーは2020年に新潟県長岡市にて撮影。

前回来たのがあるいは最後かと思ったルワワ (Luwawa)。しかしやはり、最後のマラウイ国内旅行は私の最も思い入れのあるところで締めようと思い、マラウイ滞在の最後の週末、荷造りの合間を縫って、また来てしまいました。今度こそ最後です。

 

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土曜日の午後に到着して、まず赴いたのは、宿から数百メートルのところにあるルワワ湖 (Luwawa Dam)。湿地の上に架けられた木道の先にはテーブルとベンチがあります。そこに暫し座って今までのルワワ訪問を、そして今までのマラウイ滞在4年間を回想する私。写真に私が写っているのが見えますか? 同行者の日本人が、自生している4本のマツの木を使った天然の展望塔から撮影したものです。

 

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いつもこだわりの料理を出しているルワワ・フォレスト・ロッジにして、夕食のチキンカレー (Chicken Curry) は意外。しかし美味しさは変わらず。

 

ところで、今回、同行者は2人いたのですが、その一人はマラウイに8度目の滞在(しかも最初の滞在は2年間という長期間)という、いわばこの国のベテラン。今回の滞在は4か月。最初の写真を撮ったのも彼女です。

 

その彼女、大学院生なのですが、同じゼミに属しているという、いわばクラスメートの男性を夏休みの機会にこの国に誘っています。その彼は、スウェーデンの大学に在籍しており、日本人でありながら日本に「留学」しているという、変わった所属の学生です。

 

最初の写真の風景をもって私はルワワを「マラウイのノルウェイ」または「マラウイの北欧」と称しているのですが、そのことをスウェーデンに長い彼に確認したところ、確かに、とのお墨付きをもらうことができました。

 

ほかにも、彼の専門の比較教育に始まって、スウェーデンの社会保障制度に至るまで、興味の尽きない話を色々と聞くことができました(しかし社会保障については内容をすっかり忘れてしまった私(汗))。更に、話の中で、ふと、彼のお母さんが私と同郷の柏崎出身であることが分かりました。

 

私:「柏崎だって? 柏崎のどこですか?」
彼:「春日っていう所です」
私:「私は四谷。春日なら、私の実家から1キロくらいしか離れていないところだ」

 

こんなアフリカの片隅で、こんなローカルな話題ですよ。偶然とはこのことです。あるいは、何かのご縁があるのか?

 

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翌朝、母屋のベランダから庭を眺めつつ、再び回想に耽る――とはいっても、脳裏を巡る映像はおぼろげなのですが――私。

 

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これこそルワワで撮った最後の写真、それどころか、マラウイで撮った最後の写真でもあります。朝食にはイングリッシュ・ブレックファスト (English Breakfast) といって、ご覧のように、ベーコン、ソーセージ、ポテト、焼きトマトと揃ったフルコースを久し振りにとりました。否、ひょっとして初めてだったかも。

 

今回は、野鳥観察には出掛けませんでした。しかし、朝起きると宿の庭に2羽のシャローエボシドリ (Schalow's Turaco)、2羽のハタオリドリ (weaver) のほか、スズゴエヤブモズ (Tropical Boubou)、チャイロネズミドリ (Speckled Mousebird)、何羽かのタイヨウチョウ (sunbird) ―― 黒っぽかったのでブロンズオナガタイヨウチョウ (Bronze Sunbird) かと思いますが、視力が悪く度の弱い眼鏡をかけていたのでよくわかりませんでした ―― とか、とにかく様々な鳥が往来していました。

 

 

 

当初マラウイに来た時は2年の契約でしたが、プロジェクトの期間が4年間でしたので、私としても4年を想定していました。そして実際その通りになり、契約は最終的に2年延長され、今、プロジェクトの終了とともに、この国を去ります。

 

仕事はなかなかはかどらず、苦労するところがありましたが、生活は至って順調かつ快適。それは、今までの記事をご覧になればお分かりになるでしょう。長閑な国で、大病もせずに、平穏に過ごすことができました。近隣諸国に比べると観光的な魅力は今一つの国ですが、それでもそこそこ楽しめる場所、リラックスできる場所があり、ほぼ隔週で国内ドライブ旅行を愉しみました。

 

そして、この国で目覚めた野鳥観察。着任直後、アッと驚くような見事な色をした鳥を幾つも職場で見かけてからというもの、これも4年近く、一眼レフを抱えて森へ、湖へ、そして近所の探索も。まだまだ見つけられなかった鳥も多いですが、それでも収穫はたくさんありました。いいコレクションができました。

 

読書は毎日欠かさず。一日の平均ページ数は少なかったものの、それでも、最低1ページは読み進め、年間で平均40冊くらいを通読しました。ジャンルは、小説、仏教、教育、人生論などが中心で、気の赴くままに手に取っていきました。通読した中で最大の長編は、司馬遼太郎『坂の上の雲』。このようなのんびりした国に長期間滞在していなかったら、読み終えることができなかった本かもしれません。荷造りをしている時にあらためて勘定してみると、マラウイに送り、そして送り返した本の数は、およそ700冊。こんなところに暮らしていたのだから、電子書籍がよほど便利なのに、あくまで紙の本にこだわった私は、苦労してこの国に送り、再び、苦労して日本に送り返しているのです。通読したのはその中の4分の1くらいでしかないのですがね。

 

酒も、週一回のマラリア予防薬服用日以外は、ほとんど毎日でした。服用日が休肝日になったので――予防薬も肝臓に対する負担になるので休肝日にはなっていないと言う人もいましたが、少なくとも深酒してしまうよりよほど休まったような気がします――これがちょうど良かったです。

 

かくなるように、私の4年間の生活を4文字で端的に表すならば、旅・鳥・本・酒。

 

それなりに充実したアフリカ滞在だったと思います。

 

(「マラウイ日記」おしまい)