ムランジェ | Que sais-je? ク・セ・ジュ――われ何を知る

Que sais-je? ク・セ・ジュ――われ何を知る

エルサルバドルに単身赴任中。
気候が良く日本より健康的な生活を送っています。
ドライブ旅行をぼちぼちしていますが、
この国で最も注意すべきは交通事故。
今や治安以上に大きなリスクです。

なおヘッダーは2020年に新潟県長岡市にて撮影。

マラウイには標高が 3,000 メートルを(辛うじて)超える山が一つだけあります。ムランジェ山 (Mt. Mulanje) です。正確には、幾つもある山頂の中でサピトワ山 (Sapitwa Peak) が 3,002 メートルで最高です。マラウイのみに限らず、アフリカ南部でも最高峰だそうです(アフリカ最高峰は勿論キリマンジャロ山)。

 

このムランジェ県には先月出張で初めて訪れましたが、業務があって、全く観光することができませんでした。そこで、今回は茶のプランテーション見学と山のハイキング(山の上の方までは登りませんでしたが)で訪れました。

 

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本日の宿がある リクブラ (Likhubula) という村へ行くには、ムランジェ (Mulanje) のメインの町のすぐ手前にあるチタカレ (Chitakale) という村で分かれ道を北上するわけですが、そこの分岐点で、おしゃれなピザ屋を発見。「ムランジェ・ペッパー (Mulanje Pepper)」という名前の店です。普通のサイズ、薄い生地のピザが1枚 4,200 クワチャ(約 1,000 円)するので、普通のマラウイ人にはとても手が届きません。客も、ほとんど欧米人風の人々でした。素朴だが上品な柄のオリジナル・Tシャツや、土産品も少々売っていました。

 

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この店で、宿泊地の名のついたリクブラ・ピザ (Likhubula Pizza) を食します。バジル、トマト、ガーリックとモッツァレラ・チーズの、あっさりしたベジタリアンのピザです。美味しそうでしょ? 美味しかったですよ。

 

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腹ごしらえをした後は、宿泊地の村には向かわず、そのままムランジェの町を通過して、モザンビークとの国境近くにあるルジェリ・ティー・エステート (Lujeri Tea Estate) という茶のプランテーションに行きました。

 

本当はこの茶園内にある観光客向けの宿泊施設に泊まりたかったのですが、今年中は予約でいっぱいとのこと。突然生じた休暇で簡単に泊まれるようなところではないようです。

 

せめてお茶でも飲むか買うかして、更に願わくは見学ツアーなどあれば参加できないか、などと思っていると、従業員の一人と思しき女性に声を掛けられ、彼女の紹介する男性からメイン・オフィス(写真)に入れてもらえました。

 

土曜日の午後で、周囲には、帰りのバスを待っているのであろう労働者がたくさん集まっているような状況。オフィスも閑散としていました。予約していれば、何かしらアレンジしてもらえたようですが、アポなしのいきなりの訪問では、観光客の対応も全くできない様子です。ただの会社といった様相です。お茶するどころか、購入することすらできないような雰囲気です。

 

それでも、広い茶園内の簡単な絵地図をもらうことができ、車で散策です(歩いては回れないくらいの広さです)。

 

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茶園内には事務所、工場など会社関係の建物だけではなく、学校や医療施設、それどころか村も幾つか入っていました。あと、広い池と、流れ出る水が道路を横断する小さな「ダム」がありました。それ以外はひたすら茶畑が広がっています。写真の背景は、ムランジェ山の端の方です。

 

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植えてあるのが茶であるというのを除けば、緑で一面を覆われた丘の上に大きな木と白い家があって、一瞬、フランスかスペインに来ているかのような錯覚さえ起きます。実際、この日は一日中はっきりしない、半袖では肌寒いほどの天気で、最高気温も 20 ℃を超えたか超えないかというところでした。

 

宿泊したのは、先ほど言及したリクブラという村にある、リクブラ・フォレスト・ロッジ (Likhubula Forest Lodge)。ガイドブックの Lonely Planet には、"faded but lovely colonial house" とあり、まさにそんな感じでした。建物は色褪せ気味でやや薄暗いですが、アットホームな感じで、宿の方は丁寧、食事の用意なども要領を得た対応でした。夕食後、従業員が「ビールをもっと召し上がりたいでしょうから、冷蔵庫から適当に出して飲んでください。おやすみなさい」と。朝晩食込みで一人 45 ドル。勿論ビール代は別料金です。
 
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翌日の天気は一転して好天。日差しが強烈です。ムランジェ山もこんな感じです。岩山のところどころに白い縦の筋が見られますが、これはどうも水の流れのようです。

 

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リクブラの村にはガイドがたくさんいて、観光客をつかまえようと必死です。その中の一人を雇って、歩いて1時間ほどのところにある滝までハイキングしました。ちなみにガイド料は 3,500 クワチャ(約 800 円)。数か月前まで大学で工学を勉強していたが中退(あるいは休学)し、復学を図って地元でガイドをして資金を貯めているとのこと。

 

途中、体長 10 センチほどの大きなカタツムリを発見。

 

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滝は落差が 20 メートルくらいでしょうか、それほど大きくはありませんでしたが、雨季とあって水量は豊富で、滝壺もあり(欧米の登山客が泳いでいました)、水も冷たく爽やか。背後には山を望み、なかなかの景色です。一時間登ってきただけの甲斐はあります。

 

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小さな赤とんぼが、水辺の岩間から飛び出した枯れた葦のようなものに留まりました。風流です。

 

午後は昨日通って来た道を戻って、一路、チョロの茶園に向かいました。