語彙拡張 | Que sais-je? ク・セ・ジュ――われ何を知る

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エルサルバドルに単身赴任中(7/15~8/5一時帰国)。
気候が良く日本より健康的な生活を送っています。
ドライブ旅行をぼちぼちしていますが、
この国で最も注意すべきは交通事故。
今や治安以上に大きなリスクです。

なおヘッダーは2020年に新潟県長岡市にて撮影。

6月に受けたGREではVerbal630という、自分でもまぐれと思う結果でしたが、
最初に受けた2月のGREでは340でした。

「たった4ヶ月でGRE Verbalが340から630へ!」

と書けばセンセーショナルですが、自分では、それほど短期間で飛躍的に伸びているような気はしません。
実際の語彙力はその中間の、500くらいではないかと思います。
率直に言うと、GREはあまり当てにならないのではないか、と思っています。

しかし、とにもかくにも、私が大学院留学を意識して本格的に英語を勉強し始めてから1年余りたって、
語彙が格段に広がったことは確かです。

この1年間で語彙拡張のためにやってきたことをここに書きます。


《塾》

別に悪いことを書くつもりもないのですが、一応塾の名前は伏せておきます。
ここには半年間通いましたが、特にSAT対策(私はSATは受けませんが)のリーディングの先生が語彙の説明を中心に授業を展開される方で、語彙拡張のいいきっかけになりました。

一回の授業で、テキストに出てくる未知の単語と先生の言及する単語を合わせておよそ200語、
それらのすべてをノートに整理し、更に語源や関連語について言及のあったものは、すべて図書館で研究社の『英和大辞典』でチェックしました。
17回授業を受けたので、3,000~4,000語になります。
結構な作業でしたが、半ば偏執狂のようになって調べまくりました。

それと、毎回60語の単語テストがあり、それに向けて授業前に30分くらい集中して、テストに出そうな100語くらいを覚えました。
日本語訳を一つだけイメージしながら、メモ用紙に各単語を4~5回殴り書きします。また、何回か発音します。そして十分に覚えられなかったものについては、これを繰り返します。
こんな単純なやり方で、毎回、かなり満点に近い点が取れました。

もちろん、すべての単語を今でも覚えているわけではありません。


《書籍》

1.『TOEFLテスト英単語3800』 神部孝、旺文社

TOEFLで高得点を取るのにこの本のRANK 4まで全部覚える必要は到底ないと思います。
点数はもっとほかの要素で決まってくるでしょう。
しかし、この程度のレベルの英単語をリストアップした日本語の本は他にあまりないので、まずはこの本から始めました。そして実際、語彙もかなり増えました。
難点は、例文が一部の単語にしかないこと、それと、訳語があまり適切でなかったり、正しい訳語でもその意味で使われることがあまりなかったり、という単語を多く含むことです。

2.Instant Word Power, Norman Lewis

Amazonで800円台で売っています。網羅的ではなく、全体的な語彙の拡張にはなりませんが、語源を軸にして単語の拡張を図る、いわば正攻法の本です。これでもか、これでもかの反復練習のおかげで、読みながらにして頭に定着していきます。1ヵ月半で読み終え、最後に新出語を一通りノートに整理しました。

3.Word Power Made Easy, Norman Lewis

上の本の元祖版です。分量も、単語も、説明も、上の本と比較してハードです。しかし、とにかく、一日か二日で1セクション進ませることを心がけて読み進めました。途中、実家が中越沖地震で被災したので中断してしまいましたが、3ヶ月で読み終えました。ノートに一通り整理しました。

4.「GRE単語リスト」

現在、宮前先生の「英語と日本語の窓」というサイトの「SAT・GRE」→「GRE単語リスト」のページを手書きでカードにする作業を続けています。3分の2くらい終わりました。
急いで作られたのか、所々にミスがありますが、それでもすばらしいデータベースになっています。
カードにするには長すぎる例文もありますが、なるべくそれらも写すようにしています。

4が終わったところで、Barron's の Basic Word List でチェックし、知らなかった、または忘れた単語はノートかカードに書くつもりです。この本は発音がないことが短所です。しかし、すべてに例文があり、簡単なチェックテストもあり、類義語で意味を説明しているところなど、GREに役立ちそうな要素を持っています。


《その他》

1.英字新聞(International Herald Tribune)を時々読んでいます。
2.英語の本を少しずつ読んでいます。
3.The New Yorker, Harper's Magazine の気に入った記事を時々、図書館でコピーして読んでいます。

私がリーディングの教材としている以上の材料で、知らない単語をいちいち調べてノートに整理しています。

4.NPRのポドキャストをよく聴きます。(「リスニング教材」の投稿を参照)
5.CSでCNNをよく見ますが、聞き流すことが多いです。

これらからも、少々単語を拾ってノートに書いています。

6.「単語力(たんごりき)」なるサイト(2020.1.18追記:このサービスは終了しています)で英語のクイズに挑戦しています。これを書いている時点で、920点あたりを行ったりきたりしています。
単語の仕入れ元の一つにはなりますが、訳が一単語に一つしかないことと、ある程度以上になると、語彙力の問題よりスピードの問題になってしまって、語彙拡張の助けになるのか疑問です。
単語数が8,000語というのも、GREには足りないでしょう。

最近、音読も単語を覚えるのに有効であるということがわかってきました。
もちろん、principal と principle のように、発音が実質的に同じ語は混乱を招く(そしてネイティヴにこの混乱は多い)ことがありますが、その短所よりも長所の方がずっと勝ります。
だいいち単語は発音も含めて初めて覚えたことになるのですから。

以上、この1年間にやってきた、あるいは現在進行中の、私の語彙拡張作戦です。
カード作りやノート整理ばかりやっていて、なかなか覚える方が追いついていないのが実情です。

40歳を過ぎて、以前ほどの記憶力はないでしょうが、それでも、上記の本の著者 Norman Lewis が書いていた、「年をとって学習能力が落ちるといっても20歳の時から15%も落ちない」という言葉を信じて努力しています。