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「ねぇ、貴女は何を怖がってるの?」
急に、そんな言葉を投げられた。
「え・・・・、何をって・・・・?」
「貴女は、どうしてそんな顔をしてるの?」
何なのだろうか、この人は。
何の色にも染めいてない黒い髪。
目なんてずっと見ていると、闇に引きずり込まれそうだ。
「わ、私・・・変な顔してますか・・・?」
「えぇ・・・、まるで・・・・人を殺した後みたいな・・・・」
その言葉に体が震えた。
私はとっさに目を背ける。
「何を、言っているんですか?」
どうしてだろうか、声までも震えてしまう。
「ふふ・・・ごめんなさい、冗談よ」
すると、黒髪の女の人は、またさっきみたいに柔らかい笑顔をした。
「冗談って、言って良い冗談と悪い冗談がありますよ」
苦笑いしながら私は呟く。
女の人は軽く頷いた。
「ごめんなさい。私、ミステリー系の小説とか読むの好きだから、こういう台詞を言ってみたくなるのよね」
クスクス笑いながらそんな事を言った。
どうしてだろう、私はこの女の人が急に怖くなった。
このまま一緒にいると・・・・・。
「じゃ、私はこれで失礼するわ」
そう思った瞬間、女の人はそう呟いた。
そのまま下り階段の方に向かって行く。
「あ、はい・・・・」
すると、女の人は急に立ち止まった。
そして顔だけを私の方に向ける。
「無いのよ」
「え?」
「その神様、名前がないの」
それだけ言うと、女の人はその場を去って行った。
私は神の像に目をやる。
「神様・・・・・私はどうしたら良いの・・・・・」
/続く