Shudder Log -8ページ目

Shudder Log

* このブログの内容はすべてフィクションであり、実在の人物や団体とは一切関係ありません。

一番うまいのはイライ。
フンはやり始めればきっとすぐうまくなる。
キソプが器用にこなせるはずはもちろんなくて、ケビンは、まあ。
できると言っていたAJは、正確には「やったことがある」だったのだろう。
 
「俺の勝ち」
 
コールしたとおりに8番目の球を落として、俺はAJを見た。
台に両手をついてうなだれ、大きくため息をついている。
 
「賭けは覚えてるよな?」
 
AJは顔を上げて、悔しそうに唇を噛む。
 
「最低だ」
 
そんな風に言われたら、俺は楽しくなるしかない。
 
「最高だよ」
 
一晩を賭けるのに、大して得意でもないゲームを選ぶなんてAJらしくない。
それとも、それを選ぶほどに動転していたとでも言うのか。
キューを受け取りながら、俺はAJに微笑みかける。
 
「最低だ」
 
苦々しい顔で同じ言葉を繰り返す。
だから。
そういう表情をするから。
 
「楽しみだね」
 
肩を叩いて、耳元で囁く。
掌越しにも身体が強張るのが分かった。
永遠の愛なんてないなんて嘯いてみたりして。
リアリストぶっても、本当は誰より夢を見てるのは分かってる。
運命的に出会って、一目で恋に落ちて?
彼女のすべてを自分のものにしたがる男。
実際に惹かれるのは、そんな男を受け入れるようなタイプの女性ではないように思うけど。
キューを返し、俺はAJの元へ戻る。
クールを装って、けれどまだどうにかならないか考えてる。
 
「もう出るぞ」
「ああ、行ける」
 
素直に店を出て隣に並べば、歩く様子は普段と変わらない。
静かなのは、やっぱり頭を回転させてるから。
でもきっと、何も思い浮かばない。
だって最初からこんな賭けをしたのが間違い。
間違いを犯させたのは。
 
「だからやめとけって言ったのに」
 
思わず口に出すと、ちらりと視線を寄越す。
 
「ヒョンがそれ言う?」
 
その疑問はもっともだが、俺としても言わざるを得ない。
 
「言うよ。大事な弟のことだから」
 
AJは立ち止まり、怪訝そうに俺を見た。
 
「いくら動揺してたって、こんな賭けはないだろ?」
 
それを言うのか、と目が訴える。
 
「乗った俺も悪いけど」
 
本当は、乗せた俺が一番悪い。
からかうつもりで、予想外にAJの本音が覗いたから。
その先を見てみたくなった。
 
「だったら」
 
そう、今からやめてもいい。
むしろ、初めからそんなつもりなんてなかった。
自分が思ったよりも信用されていないことが分かったのも収穫だ。
 
「じゃあ、これだけ」
 
背の高いAJに近付いて顎を上げれば、ちゃんと唇を重ねてくる。
瞼は開いたまま、挑むような瞳が俺を射る。
ああ、これで充分だ。
この目をこうして見られたら。
できもしないビリヤードを頑張ったかいがあるというものだ。
俺は満ち足りた心を得て、キスが終わるまでの数瞬で飢えた口も満たした。
UVカットガラスの外は、夏の日差しだった。
向かいのビルに反射した空は、見事なまでに青く輝いている。
僕は腕を枕代わりに、ソファに横になった。
 
「外見てるだけで暑くなる」
 
フン兄は僕を見て、少しだけ笑った。
 
「窓際だからだよ」
 
そう言いながら、ソファに近付く。
僕が上半身を起こすと、空いたスペースに腰を下ろした。
その膝に頭を乗せ、僕はまた横になる。
ヒョンは僕を見下ろして、髪を撫でた。
 
「眩しくない?」
 
直射日光は入らなくても、部屋は充分すぎるほど明るい。
 
「大丈夫。ヒョンが影になってくれたから」
 
僕は目を閉じて、ヒョンの掌を感じる。
髪に触れる手と、胸に乗せられた手。
それから、頭の下の体温。
 
「演技って難しいね」
 
発せられた言葉の先は、聞かなくても分かった。
だから遮るために、僕は尋ねる。
 
「でも楽しいでしょ?」
「うん」
 
即答されて、思わず笑ってしまう。
 
「ミュージカルは楽しいのが何より」
 
歌えて、演技もできて。
劇中にはしっかりダンスするシーンもある。
僕にはできそうにない、と思うと、見透かしたように言葉が降ってきた。
 
「ドンホはミュージカルより映画やドラマの方が似合うかもね」
 
僕は目を開けて、ヒョンを見上げた。
 
「僕、歌えないし」
 
歌うのも踊るのも得意ではない。
逆光の中のヒョンは、どうやら笑っているようで。
 
「じゃあ、ラップミュージカルで」
 
お見通しだぞ、とは言われなかった。
だから僕も、ラップもすごく好きなわけじゃない、と返すのはやめる。
 
「そんなの聞いたことない」
 
顔をしかめてみても、ヒョンは微笑んだまま。
その表情に安心して、再び目を閉じる。
 
「作ってもらおう、ジェソプに」
 
ヒョンらしい提案に、結局僕も笑うことになる。
 
「あとで聞いてみてよ。絶対それ面白い」
「分かった」
 
いくらHIP-HOPが好きで、作曲ができても、ミュージカルをまるごと1本作ってと言われたら驚くだろう。
その後できっと、フン兄とAJ兄のコントが見られるに違いない。
 
「ちゃんと僕がいるときに聞いてよね」
 
念を押すと、返事がさっきまでより近くで聞こえた。
 
「そうする」
 
続いて降ってきたのは、言葉ではなく唇だった。
僕は目を開けられずに、その口付けを味わった。
一昨年の秋のこれ
SHにセクハラされるVinseop。
じゃなくて、頬杖のKEも相当だけど、髪を耳にかけたDHがボーイッシュな女の子みたい。
 
あと最近のKSのこれ
こんな人間が実在するんだねっていう。
思い出したように、キソプが言った。
 
「外国だと、年が明けた瞬間に近くの人とキスするんだって」
 
それを教えたのはおそらくケビンで、何を考えていたかは想像がつく。
たぶん、何も考えていなかった。
自分たちのこと以外は。
 
「年越しは一緒にいないだろ」
 
そう返すと、キソプは少し顔を伏せて上目遣いで俺を見た。
 
「そうだけど」
 
きっと家族と過ごすだろう。
少なくとも、同じ場所で真夜中の12時を迎えることはない。
かといって他の誰かとキスするわけでもない。
ここは、外国ではないから。
 
「誰とキスつもり?」
 
尋ねてみれば、焦ったように口を開く。
 
「しないよ、誰とも」
 
そう断言して、唇を尖らせる。
 
「そう?」
 
軽く返すと、キソプは不審そうに俺を見た。
 
「ジェソプはするの?」
 
聞かれたことに嬉しくなって、俺は堪え切れずに笑みを浮かべる。
それを見たキソプは、さらに眉をひそめた。
 
「しない」
 
そう答えても、細められた目は変わらない。
 
「本当に?」
 
する相手が近くにいないのに、誰にすると言うんだろうか。
そのつもりで話をしたのではないのか。
疑われたことに苛立ちを覚えて、俺は思いつくまま口に出す。
 
「本当は」
 
驚いたような、傷ついたような表情を確認して、俺は続ける。
 
「近くの人じゃなくて、最初に出会った人だよ」
「え?」
 
今度は本当に驚いて、キソプは聞き返した。
 
「新年になって、最初に会った人にするんだ。12時に誰かといれば、もちろんその人にはなるけど」
 
感心したように頷いて、その顔からさっきまでの陰は消える。
 
「でも、最初にも会わないな、きっと」
 
更に続ければ、また傷ついた顔。
 
「そうだね」
 
暗い声で呟いて、視線を逸らす。
初めはきっと、そんなつもりではなかった。
そっちに引っ張ったのは、もちろん俺の魂胆で。
 
「じゃあ、こういうのはどう?」
 
キソプを抱き寄せて、努めて優しく口付ける。
すぐに閉じられた目は、まるで夢を見ているようで。
絡ませた舌はとけて、胸元のシャツが強く握られる。
漏れる息の合間に、甘い唾を飲み込む音が響く。
音を立てて唇を離せば、名残惜しげに顎がついてくる。
俺は満足して、心から告げた。
 
「今年も一年ありがとう」
 
キソプは顔を伏せて、つっかえながら答えた。
 
「こちらこそ、ありがとう」
隣に椅子を寄せて座り、脚を組む。
膝に頬杖をついて下から顔をのぞけば、その表情は穏やかそのものだった。
 
「取っちゃってゴメン」
 
キソプはそう言った俺を見て、大きな目を瞬く。
 
「何が?」
 
微笑んでさえいるようなキソプに、俺は言う。
 
「俺の女だ、俺が守る」
 
今度は本当に微笑んで、キソプは首を振った。
 
「なんだ、そんなこと」
「元はキソプのパートなのに」
「気にしなくていいよ」
 
口ではそう言って、笑って見せて。
本当に気にしてないのか、やっぱりよく分からない。
一人になった途端に落ち込んだりすることがあるから。
 
「イライはすごいよね」
 
そんな考えをよそに、キソプは感嘆の息を吐く。
 
「あんなにファンを楽しませられるなんて」
 
俺は思わず頭をかいて、視線を逸らした。
 
「そんなことないよ」
 
言葉がうまくできないから、他のところで自分を出すしかない。
 
「僕も見習わなきゃ」
 
微笑むキソプは、自分よりもずっと日本語が喋れる。
だから本当は、ステージの上でももっと喋ればいいと思う。
それを阻んでいるのはだから、言語の壁ではなく。
 
「キソプは」
「うん?」
 
言いかけて、俺は止まる。
言語の壁ではない。
けれど、その先を告げて。
今、それを言って。
何か良い方にことが進むだろうか。
 
「笑いを取らなくても、完璧だから」
 
言い濁す代わりに、俺は親指を立てる。
 
「ありがとう」
 
てらいのない感謝は、きっと本心から。
外見に関わることだと思えば、こんなにも素直に受け入れるのに。
 
「イライも格好良いよ」
 
ふいに発されたキソプの言葉に、俺は思わず聞き返す。
 
「え?」
 
聞き取れなかったわけではなかったが、キソプは同じ言葉を繰り返した。
いつものように、極上の微笑と共に。
 
「イライも完璧に格好良いよ」
 
外見に限らず、褒められるのは得意じゃない。
ましてそれが、キソプからなら。
もっとも、キソプが人を褒めることは珍しくないが。
 
「ありがとう」
 
自分の声が上擦ったのが分かる。
照れがバレるのは恥ずかしいから、どうせなら道連れにしてしまおう。
俺は身体を起こし、キソプを見つめる。
それから、不思議そうに見つめ返した天使の唇を素早く奪った。
0330から10年ほど後。
兵役を終えたDHは実家に戻り、ふと客間にあるピアノを開く。
弾くともなく鍵盤を叩いてみると、突然めまいに襲われる。
そして、かつてこのピアノを一緒に弾いた恋人がいたことと、その恋人のことを今までずっと忘れていたことを思い出す。
 
高校生のころ、DHは交際相手の少女を交通事故で失った。
それは出会った日と同じような雨の日だった。
その後しばらくDHは彼女が生きているかのように振る舞い、周囲を心配させた。
ある時からその行動は止まるが、それは夢の中で彼女と会うようになったからだった。
毎晩眠りにつくと、DHは決まって森の中に立っていて、まっすぐ進むとピアノが置いてある場所に出る。
彼女はすでにそこにいることも、後から現れることもあったが、とにかくそこで待てば彼女に会うことができた。
夜明けが近付くと、自分の後を追ってはいけない、と言い残して彼女は森の奥に去った。
DHはそれを、後追い自殺をするな、という意味だと解釈していた。
周囲からは、DHは完全に回復したように見えた。
彼女は、今まで以上の生活を送るようになったDHを見て、森(=間の国)を去ることを決意した。
ある夜、いつもの森の中の場所で、彼女はDHに別れを告げ、彼女がその場を離れるのではなく、DHがもと来た道を戻るよう促した。
DHは拒否したが、やがて夜が明け、結局どちらもピアノの側から離れることなく夢から覚めた。
次の夜、眠りにつくと、DHはまた森の中にいた。
いつもの道を行き、ピアノの側で待ったが、彼女は現れなかった。
その次の夜も、そのまた次の夜も同じだった。
5日目の夜、DHはピアノの横を通り過ぎ、彼女が去る方へと歩いてみることにした。
しばらく行くと、小さな川が流れていた。
DHはその川を跳び越えて、先へ進んだ。
さらに進むと森は途切れ、街があった。
気付くと雨が降り始めていた。
引き寄せられるように歩き、やがてトンネルを抜けると、見慣れた制服の後姿が見えた。
彼女は振り返ると、DHを見て驚く。
 
 *
 
彼女は悲しげに言った。
 
「どうして」
 
僕は彼女の手を取って、その感触を確かめた。
冷たくなった指先はしかし、血の通った温かさをもっていた。
 
「会いたかった」
 
抱きしめると濡れた髪が頬に触れる。
タオルを持ってくるべきだった、と僕は思う。
 
「後を追わないでと言ったのに」
 
肩の方からくぐもった声が言う。
 
「どうして?」
 
腕に力を込めて、僕は尋ねる。
夢の中での再会は、突然の別れの痛みを忘れさせてくれた。
会えたからこそ、日々を送る力を取り戻すことができた。
それを奪われたら、何を思って生きていけばいいのか分からない。
勝手に終わりにされては困る。
せめて理由くらい教えてもらわなくては。
そう思ったが、彼女の答えはない。
 
「どうして――」
「行って」
 
再び口を開いた僕の言葉を遮って、彼女は言った。
 
「行って」
 
身体を離し、彼女は毅然と僕を見つめる。
 
「いずれにしても、君はここから先には進めない」
「どうして」
「まだ、君の'その時'ではないから」
 
彼女は微笑み、僕はもちろん意味を理解する。
その時。
人である以上いつか訪れるその時。
僕はまた彼女を追ってここに来るのだろうか。
彼女の髪から、透明な雫が滴る。
'ここ'でも、時間は流れているかのように。
 
「私は充分に時を過ごした。君にはまだ残ってる。使い切らなきゃ」
 
黒い瞳がきらきらと輝く。
 
「できるよ、君なら」
 
別れの言葉ではなく激励を。
涙ではなく意志を。
こんなときまで、彼女は彼女だ。
 
「忘れない」
 
いつか、自分の時間を使い切ったら。
またここに来る、と僕は心に誓った。
 
「忘れるわ。君は、私のことを」
 
彼女は首を振り、悲しげに微笑んだ。
 
「忘れないよ」
 
僕は強く答える。
忘れない。
そして、いつか'その時'が来たら、またここに帰ってくる。
どんな風に時間を使うことができたか、彼女に伝えるために。
彼女は僕を見つめ、それからふっきれたように笑った。
 
「それでいいの。夜が明ける前に川を渡って」
 
僕は彼女を引き寄せ、力の限り抱きしめる。
 
「行って、忘れて、もう戻らないで」
 
やっぱり少し泣いていたかもしれない。
それでも最後に聞いたのは、別れの言葉ではなかった。
 
「私、君を愛してた」
ふと写真が目に入って、俺は尋ねた。
 
「ニューヨークには誰が来んの?」
 
イライは顔を上げ、俺の視線を追う。
その先にあるものを確認して、笑顔になった。
 
「家族みんな」
 
俺はベッドに倒れこんで、天井を仰いだ。
 
「ケビンもサンフランシスコだもんな」
 
ホームカミングショー。
これを錦衣還鄕と呼ぶんだろうか。
 
「DCだったらもっと良かった?」
 
イライは髪をかきながら答える。
 
「いや、充分だよ」
 
そう言って、俺の隣に横になった。
 
「ワールドツアーをやるときは、もっと色んな場所に行くだろ?」
 
真横の顔は得意気だ。
 
「そうだな」
 
俺が天井に視線を戻すと、手が繋がれる。
握り返せば、言ってもいないことまで通じているような気分になる。
 
「でもジェソプが戻ってきてからだから、少し先になるけど」
 
ワールドツアーなら。
あるいは、アジアツアーなら。
台湾でも、日本でもなく。
 
「楽しみにしてて」
 
俺は自分の口許が緩むのを感じながら、隣を見る。
 
「楽しみにしてるよ」
 
この国で。
俺と俺たちの故郷で単独公演ができる日を。
そうは口に出さず、でもきっと通じてしまってる。
合わせた視線を外せずに、俺たちは言葉で確かめる代わりにキスをした。
「お手」
 
手を差し出したら、フンは素直に掌を重ねた。
 
「クマはお手しないよね?」
 
俺が言うと、フンは首を傾げる。
 
「お手しないっていうか、ペットにできないと思うよ」
 
思わず想像して、俺は笑う。
 
「白クマ飼えたら楽しいだろうな」
 
凍った湖の横にログハウスを建てて、雪の中でクマと過ごす冬。
春や夏には一緒に山に登って、テントに泊まる。
クマには外で寝てもらう。
森の中であの白い身体は目立つだろう。
そう話すと、フンも笑った。
 
「イライのあのテントじゃクマは入れないだろうね」
 
重ねた手を握って、俺はフンを引き寄せる。
 
「クマの子供のふりして、巣穴に入れてもらうのは?」
 
フンは子供のように繋いだ手をブラブラと揺らし、俺の肩に顎を乗せた。
 
「子供のふり?」
 
訪ねれば、また機嫌よく笑う。
 
「クマのふりはできないっけ?」
 
モノマネでクマをやったことはないかもしれない。
というより、クマのマネできるような特徴なんてないんじゃないか。
それに、そもそも。
 
「それ、飼うって言わないだろ」
 
懐いて遊べたら楽しいだろうと思って言ったのに。
 
「だって飼うのは無理じゃない」
 
肩の上のフンは笑顔のまま。
 
「育ててもらうのは無理じゃないのかよ」
 
今度は俺がつられて笑う。
 
「イライなら」
「なんだよそれ」
 
答えてから、似たようなことを思いつく。
 
「じゃあ、フンミンなら飼えるんじゃない」
「どうして?」
 
聞き返されて、俺は自信を持って頷く。
 
「強いから」
 
フンは答えずに、甘えるように頭を頬に押し付ける。
それが首を振って否定していたのだ、ということに気付いたのは、思わずキスをした後だった。
SH 「キス取りゲーム
HM 「ルールは?
SH 「音楽が止まったらキスする
EL 「誰に?
KE 「オニ?
KS 「オニって?
SH 「…真ん中にひとり立たせておく
KS 「それがオニ?
SH 「音楽が止まったら、その人にキスをする
   キスした人が、次のオニ
   最初のオニだけ、輪の中に戻る
EL 「一巡目と二巡目は人数が変わらないってこと?
SH 「そう
   二巡目でキスできた人が三巡目のオニ
   二巡目のオニは勝ち抜けて輪から出る
   最後までオニにキスできなかった人が負け
JS 「キスを取れなかった人
SH 「そう
HM 「…じゃあ、最初のオニは誰にする?
 
 *
 
1) 仮オニKE → 勝者EL
2)  オニEL → 勝者KS
3)  オニKS → 勝者JS
4)  オニJS → 勝者HM
5)  オニHM → 勝者SH
 
最初は当然KE。
背の違いがあるので、真ん中で椅子に座ることに。
KEがオニのときELが勝ってくれたのに、ELがオニのとき勝てなかったKEは、その後なげやりになって他の人のブーイングに遭い、本当はそんなルールないけど最後にオニの椅子に座ったSHにキスさせられる。
 一言も喋らずに彼女の気を引いてしまうほど
 ゴールキーパーも止められない俺の魅力
 でも俺の女じゃない
 想像はお前の自由だ
 信じたいように信じればいい
 何も分からないならやめちまえ
 彼女は俺のものなんかじゃない

 
言うまでもなくShe Ain't Mine。
俺の女だ、と言っているのはKSかKEかな。
で、JSは俺の女じゃない、と返す。
だって自分のものにしたいのは'女'のほうじゃないから、とは口には出さないけど。
タイトルは「He Ain't Either」か「You Ain't Either」か。