部屋のドアを開けると、イライはベッドから落ちそうになっていた。
「寝るなら寝るでちゃんとしなさい」
上半身が完全にはみ出して、頭を床に着けたままスマホを弄っている。
「ハイ」
返事はしても、体を動かす様子はない。
俺は鞄を出し、充電しておいたチャージャーを放り込む。
「出かけるの?」
「ああ」
「ベッド借りるよ」
改めてイライを見る。
借りる、じゃなくて、借りてる、の間違いだろう。
「どうぞ」
イライは逆さまになったまま俺を見上げる。
「楽しんできて」
俺は鞄を置いて、床に膝を着いた。
「うわぁ」
イライの体を持ち上げ、ベッドの上に戻す。
「ちゃんとしろって」
いつもと同じ軽い笑いを浮かべ、イライは答える。
「ありがと」
眠そうに見えるのもいつものことかもしれない。
顎に手をかければ、目を閉じるのも。
そのまま口付けを与えれば、楽しげに応えるのも。
唇と舌と漏れる息が、本人が自覚している以上に、俺を誘うのも。
ドアの向こうで俺を呼ぶ声が聞こえて、顔を離す。
少しだけ充血した目が潤んでいて、その姿は。
やっぱり。
「出かけるの、やめようかな」
そう言ってみると、イライは笑って俺を突き飛ばし、ケットを被った。
声をかけようとした瞬間、その隣に女性がいることに気付く。
親しげに話す様子に衝撃を受け、その場を去ろうとするKS。
ところが、慌てて道路に飛び出したせいで、車にぶつかってしまう。
そのまま意識を失い、病院に運ばれるKS。
幸い大事には至らなかったが、目を覚ましたKSは、ここ数年の記憶を失っていた…。
もちろん、JSを好きだったことを忘れるために全部忘れたのだった。
他の人のことを思い出してもJSのことは中々思い出せないという。
JSと一緒にいた女性は親戚オチか何かで。
ネタ元は成田美名子の「花よりも花の如く」の中の「風天」と、古張乃莉の「痛みのない日」。
***
眩しさに目を開けると、ベッドの横には両手を組んで俯く青年がいた。
背にした窓から指す日の光は髪を透かして輝き、祈りを唱える唇が小さく動いていた。
その姿は、まるで天使のようだった。
「あの…」
声をかけると、青年は僕を見て微笑んだ。
「よかった、気がついたんだね」
安堵の声を漏らし、ナースコールのボタンを押す。
「覚えてる? 事故に遭ったんだよ。でも、ほとんど傷はなかったって」
頭の中で青年の言葉を繰り返す。
事故。
交通事故?
記憶をたどっても、覚えはない。
「ファソク兄とイライも来てる。あと、ジェソプも」
ファソク兄、イライ。
ジェソプ。
僕は何度か瞬きして、青年の顔を見る。
「ちょうど事故現場の近くにジェソプがいたんだって」
青年は椅子に座りなおし、僕の手を取って両掌で包む。
「救急車で運ばれる間もずっと一緒で、昨日の夜はそのままここに泊まったんだ」
柔らかに握られた拳で口元を隠し、青年は少し笑っているように見えた。
「だから、キソプの顔を見るためと、ジェソプの迎えのために僕たちは来たんだよ」
キソプ。
僕の名前。
眉を寄せると、青年は気付いたように言った。
「ごめん、眩しかったね。カーテン閉めようか」
解かれた手を掴んで立ち上がる青年を引きとめ、僕は尋ねる。
「ねえ、君は誰?」
青年は目を大きく見開いた。
HMの汗を拭くEL。
司会ジャケットが暑いELにペットボトルの水を飲ませるKS。そのボトルを貰って水を飲むJS。自分でも飲むKS。
社内恋愛は相変わらず禁止で、KEがSHに蹴られると、ELはSHの足を叩く。
uBeat準備で三人残されたとき、HMはSHに寄り添ってKSはひとり蚊帳の外。
SHは右端に立つと必ずKSの肩を抱きます。いつものことですが。
司会KEにツッコミが激しいSH。EL「ケビン好きだよ」KE「ありがとう」
箱の中身はKS。見事当てたので、KSはJSをお持ち帰りに。Yumiさんナイス過ぎる。
またSHがKEを蹴ったので、一番反対側にいたELがまた足を叩きに。
Yumiさんがそれを拾ったので、HM「社内恋愛禁止」。
Soohoonに引き裂かれるElvinの横で、抱き合う2Seop。
こういうときJSは乗り気なのにKSはイマイチだよね。
何かと誰かとひっついてる印象のあるHMと、セクハラ番町のSHと。
でもやらしーって感じがあまりしないんだけど。
たしか東京追加の日にHMはJSに「離婚だ!」って言ってたので、社内恋愛は禁止だけど社内結婚は禁止じゃないんだね。
* 最新版はこちら。
2007年~2012年の日本と韓国の音源媒体収入を比較してみました。
金額は2007年~2010年はレコード会社収入ベース、2011年・2012年は卸価格ベース。違いは不明。単位は百万米ドル。ソースは日本レコード協会の機関紙「THE RECORD」。
* リンク先PDF注意
2008年7月号(2007年分) 2009年8月号(2008年分)
2010年6月号(2009年分) 2011年6月号(2010年分)
2012年6月号(2011年分) 2013年6月号(2012年分)
(via. longlowの日記)
* 一部の値を四捨五入しています。
* フィジカルとデジタルのパーセントは全体に対する割合です。
* パーセンテージあるいは金額しかない項目について、記載のない値はforgeが計算で出したものです(図の中の緑字)。
* フィジカルはCDとかのパッケージ販売のことです。
図を作って満足したので、みてください、という話なのだけど、日本は市場規模が少なくとも20倍くらいある。ちなみに人口は2.5倍くらい。
これはレコード協会が出してるので、音源売上や著作権収入的なものだけで、コンサート収益やグッズ販売なんかは含まれてないから、日韓だけをとれば実際に動く額はもっと開くのだろうね(逆に欧米は興行で稼いでるはず)。
やっぱり気になるのは、2011年→2012年の韓国でパッケージ販売が増えてること。配信が計算上前年比73%の3000万ドル近く減らして、卸価格ベース売上も1200万ドル減なのに、CD売上だけ伸びるって有り得る? もしフィジカルがデジタルと同じくらい減ったとしたら、8780万×0.75で6400万ドルくらい。でも実際は約1億300万ドルで、その差は3900万ドル。金額はもちろん計算値なので、ズレがあるけれど。
すでに指摘されているとおり、このフィジカルの増加は国外消費分が含まれているのではないかな。韓国での各ランキングに反映される形で購入すると、韓国側の金額に参入されるよね、きっと。
これが前年比。2008年以降順調に増やしてきたけど、前述の通り2012年で減ってる。今年はどうなるか。
ここからは自分用のメモ。
音楽番組のランキング決定要素におけるCD売上のパーセンテージ。
M Countdown 10%
Music Bank 5%
音楽中心 10%?
人気歌謡 なし
音楽中心は配信音源と合わせて70%で、デジタルフィジカルの割合が公表されていない。
人気歌謡は、そもそもチャートにCD売上を加味してない。
あとは音楽配信サイトのシェアがどっかにないかしら。
Soribadaが2012年8月末で海外ユーザーを完全に切ったみたいだけど、どれくらい影響があったのものなのか。
ちなみにiTunes Store 韓国版は音楽を取り扱っていない。
最後にひとつだけ書いておくと、やっぱりダブルワークはタフだよ。
「キソプ、まだ起きてる?」
囁くような小さな声。
それでも、静かな部屋では充分に聞こえた。
僕は目を閉じたまま、隣のベッドに手を伸ばす。
「眠いよ」
ケビンが僕の手を取る。
「眠りたくない」
明日はツアーファイナルだというのに。
ケビンらしくないことを言う。
「どうして?」
手を握り返して、僕は尋ねる。
「明日になるのが惜しい」
ケビンの指に力がこもる。
「ツアーが終わっちゃうから」
ここ名古屋で。
明日で。
ツアーは終わるけれど。
それは、惜しいと思うべきことなのだろうか。
「楽しみ、の間違いじゃなくて?」
「楽しみだよ、もちろん」
「なら」
「でも」
僕の言葉を遮って、ケビンの声が少し大きくなる。
目を開けずに顔を向けたけど、光の気配はない。
「明日でツアーは終わるけど」
言いながら、僕はあくびをする。
「次は9月にまた来るし、uBeatも歌うでしょ?」
AJとイライのユニットなのに、ケビンとバックダンサーたちみたいになってるuBeat。
さっそくAJが振り付けを忘れていて、でもケビンは完璧に踊れそうなあの曲。
「うん」
再び手が握り返される。
「じゃあ、もう眠って」
僕はまたあくびをする。
「眠らなくても明日は来るけど、寝不足は辛いよ」
笑う気配がして、僕は安心する。
「12時過ぎたから、もう今日だけどね」
ケビンは僕の手を自分の頬に当てる。
「そうだよ、もう寝なくちゃ」
僕は手を伸ばして、ケビンの目を塞ぐ。
「ちゃんと寝て、完璧なステージにしなきゃね」
やっぱり分かってるじゃないか。
そのためには充分な睡眠が必要なのも分かってるはずじゃないか。
「おやすみ」
僕が言うと、ケビンの穏やかな声が返った。
「おやすみ」
その夜、夢の中で、愛してるよ、というケビンの声を聞いた。
僕も愛してる、と夢の中で僕は答えた。
キャップを被り、その上からパーカーのフードを被る。
口元にはマスク。サングラスはかけない。
鏡の中の自分に睨みを聞かせると、前の通りでエンジンをふかす音がした。
窓を覗けば、AJの車の助手席からスヒョンがこちらを見上げている。
後部座席にいるであろうケビンの顔を思い浮かべながら、俺は部屋を出てアパートの階段を駆け下りた。
*
ロンドン風不良なELとJSとSH。
車盗んで店に突っ込んで中の商品を盗んで売りさばく、という手口。
元ネタは映画の「ショッピング」だけど、あまり内容を覚えてないや。
HMは対立するグループの長だけど、後に足を洗う。
KEは一応グループの仲間で、どうにも儚い雰囲気の恋人。たぶん死にはしない。
KSはイートン校出の大学生で、講義に潜って勉強してたJSと知り合う。もちろんKSはJSも同じ学生だと思ってる。
ある日、いつものように店を襲うと、無人だと思っていた店内にDHがいて、顔を見られたのでそのまま連れ去る。
最初は殺すだのなんだの言うけど、そんなことができるわけもなく。
結局SHがHMに促される形で自首して、DHはなぜか二人に懐いて、SHの出所を待つ。
JSも一度いなくなって、最後に本当の学生になってKSの前に現れる。
ELとKEだけが姿を消したまま出てこないエンドで。
140114. Freezin'
2Seop/-11℃/700字
140105. Lullaby Away
2Shin/後朝/1200字
140105. The Other Room
Hoonvin/もう一つの部屋/600字
140104. Sleep Furiously
Elvin/よく寝る二人/900字
140103. Pour Femme
Soohoon/子供ができる香水/500字
140102. Unspoilable
Soojae/夢を壊す/1000字
140102. Summertime Slumber
Donghoon/膝枕/800字
140101. Old Year's Kiss
2Seop/新年のキスができない/900字
131231. Angel Admire
Elseop/気弱な天使/800字
131230. Triumph
Jaeli/故郷に錦を飾る/400字
131229. Fawns on You
Elhoon/尻尾を振るように/600字
131209. Chestful of Heartache
2Seop/君は僕の心臓/1000字
131028. Care and Caress
2Seop/手櫛/500字
131022. Sweet Like Fruit
Dongseop/果物みたいな/300字
131021. Black Velvet
Dongvin/どんな味/900字
131010. Promise Me Next
2Shin/前夜/1300字
131003. Between Blue and Red Roofs
Hoonvin/高いところ/600字
130925. Off the Floor
Sooli/いってらっしゃいのキス/400字
130911. Save the Night
Vinseop/眠りたくない/700字
130905. Attention
Jaeho/こっち見ないで/1300字
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