検診では、先生は、脇の部分を抱えて、お座りや四つん這いの形にしたり、全体の筋力の様子をよく診られていました。

その頃は、だんだん喃語も盛んになってきて、よく笑っておりました。
脇の部分が、息子の弱点らしく(これは大人になっても変わりませんでしたクローバー)、先生に検査で抱えられては、「キャハハハ〜爆笑」と笑っているので、不安な気持ちが少し和らいだことを、今でもはっきりと覚えています。
 
 
 
それから、後日、筋電図検査をしました。
筋肉に針を刺して、その刺激で筋肉がどう反応するかを見る検査です。
反応は眠っては測れないので、睡眠剤とかは使用できず、痛いです。
検査室の向こうから、息子の泣き叫ぶ声が聞こえました…。 
 
いろいろ診ていただいて、その病院の先生の見立ては、ウェルドニッヒ・ホフマン病ではないか、ということでしたが、専門的な機関でより詳しく調べるために、大学病院を紹介されました。
 
ウェルドニッヒ・ホフマン病については、家の近くの小さな本屋さんで売っていた医学書に簡単な説明が載っていて、読んでみましたが、不安な中にも、なんか違うなと言う感覚がありました。
 
   
 
それでも、紹介された大学病院に行き、息子を診ていただきました。
そこで、息子の表情(口が常に△形に開いている)、筋力の様子(フニャフニャ感)等を診ていただいて、「先天性筋強直性ジストロフィーではないかと思うんだけど、検査をして診断します」ということで、子供用の筋電図検査と、血液による遺伝子検査をしました。
 
  
 
筋電図はまた、痛くて怖いを思いをさせてしまいました。
遺伝子検査は、ちょうど筋強直性ジストロフィーの原因遺伝子が発見された頃だったので、当時としては、筋ジストロフィーの中で、遺伝子検査ではっきり確定できる数少ない型の一つでした。

 

ただ、まだ保険が利かず、外部機関に依頼しての診断でした。

 
「1人30,000円、2人以上は何人でも50,000円だから、お母さん、お父さん、それから、お母さんのご両親も良かったら…」的な話で、今だったら、倫理的にどうかの先生の提案でしたが、無知な私たちは、素直にそれに応じて、私とバパ、それから私の母も、検査を受けました。私の父だけは、ひねくれてしまって受けてくれませんでした。
 
後日、息子と母と、結果を聞きに行きました。

 

 
「筋電図でも、特徴的な様子を見せていて、そして、何よりも遺伝子検査結果が確定的で、やはり、先天性の筋強直性ジストロフィーでした」という診断を受けました。息子は、もう1歳4か月になっていました。
 
それから、「お母さん(私)だけが、軽く同じ遺伝子異常がありました」と言われました。
 
 
『筋ジストロフィー』という言葉にひどく動揺していると、「でも、筋ジスの他の型の中では、予後は良い方ですよ」と先生が言われました。
 
予後が良いって、どういうこと?
病気のこともまだよくわからないし、実際、病気なんだし…意味がよくわからない…。
 
でも、この言葉、息子との25年間の人生の中で、節々で言われたのです。
 
私たち親も含めて、息子がこんなに早く突然に亡くなるとは、誰も思っていなかったと思います。
 
亡くなった日から、悔しくて、申し訳ない思いでいっぱいの日々ですが、心臓のこと、わかっていたとしても、自閉症もあった息子には、治療や検査は難しかったと思うけど、リハビリも往診もなく、プール

 

 

もやめて、もっとゆっくりのんびりと過ごさせてやる方が良かったのかな?
でも…それはそれで良くないのかな?
 
そんなことをふと思っては、考えても意味ないな…と、同じ時間をくるくる回り続けています。