精密胎児エコーをやってもらいに、子供たちを送り出した後、すぐに車で都会に向かいました。
道路もそれほど混んでなく、病院もすぐに見つかって、近くのパーキングもちょうど空いていて、余裕を持って辿り着くことができました
クリニックのフロアは、高級感がある感じで少し緊張しました
問診票も事前にプリントアウトして、記入していたので、全てスムーズ
まずは遺伝カウンセラーさんとのお話でした。
アメリカで勉強されてきたという女性の先生。
とても感じが良く、とても頭の回転が早く、知識が豊富で、話していて、とても楽しくお勉強になりました。
息子の病気の話をしたら、もちろんどんな病気かもご存知で、
無脾というと、けっこう重度の心疾患になりますからね。
私なんかが想像できないくらいのご苦労があったことと思います。ご両親も頑張りましたね。
と労いの言葉を言われ、パパが、「そんなことないですよ」みたいな顔をしていることに、イラっとして、
パパは…ね…とにかく、1番頑張ったのは息子です
パパはさ、好き放題やってたのよ。頑張ってたのは、私と息子よこいつは、息子が命懸けの時も遊んでたのよ付き添い入院で大変な時もここで、全て言ってやろうかお前のクズっぷりを
と、蘇る感情…
これはね、一生許せない。
無脾の子は、今の医学でも中々難しいんだけど、今、お元気で過ごされているというのは、素晴らしいことですね。そういうお話を聞けて、私たちも嬉しいです。
きっと、重度の中でも、幸い、(奇形の)組み合わせがよかったのだと思います。
無脾の子は、総肺静脈の還流異常とか、いろいろありますからね…
息子は、還流異常については、手術が必要なかったので、それもよかったのかと思います。
本当に知識が豊富だな…何を言っても話が通じる感じがすごいな。パパなんて、何の話か分からないでしょ
染色体の話もとても興味深く、面白かったです。
息子の病院のこともよく知っていて、転院先の病院のことも、不妊治療で通っていた病院のことも、
あそこの病院は、これこれこういう感じよね〜
あぁ、あそこはこうね。
その地域だと、〇〇クリニックかしら?
凄いですねなんでも知ってるんですね
狭い業界ですから
いや、それにしても、知識がすごいこの人すごい
これから、診察を受けるに当たって気になることは、ありますか?
やはり、高齢なので、染色体異常と、息子が心疾患があったので、心臓の奇形が気になります。
確率の話をしますと、こうやって数字で見ると、40代以降、染色体異常多いように思うかもしれないですが、絶対的に健康な子が産まれて来る確率の方が高いので、そんなに心配しなくて大丈夫ですよ
確かにそうなんですよね…健康な子が産まれる確率の方が高い。でも、息子は、染色体異常じゃないけど、1万人、2万人に1人ってところを引いてますからね
無脾、多脾、ウチなんかだともっと多い気がするな…まぁ、他で異常を指摘されて、ウチで精密検査をしに来る方も居るからかもしれないけど。でも、遺伝する病気じゃないですから。
性別は知りたいですか?
え?もう分かるんですか?
まだ、性器はできてないんですけど、ウチの院長で、今の初期の時点で、90%以上当たります
すごっ!じゃあ、教えてもらおっか
では、これから、院長の診察になりますので、お待ちくださいね
いやぁ、本当にこのカウンセラーの先生とのお話、楽しかったなぁ。頭の回転は早いし、母子手帳もらった時の市の職員の人みたいに、全部ポジティブに返してくれる方だった
世の中、みんながみんなこういう感じがいい人だったらいいのにな
出生前診断について、日本はかなり遅れているらしいです。
アメリカや、ヨーロッパの方では当たり前になっているらしく、日本だと20万円以上かかる新型出生前診断が、アメリカだと5千円くらいでできるとか…結局は、染色体異常が、見つかると産まない人が多いことから、日本では、命の選択になるということで、簡単には受けられなくなっているようです。新型出生前診断ができるのは、分娩施設がある病院だけ。だから、このクリニックでは、精密胎児エコーと血清マーカーで、異常の確率を出していくやり方だそうで…
本当なら、全ての産婦人科で、精密胎児エコーができればいいのだけど…と言っていました。
命の選択…
確かにそこは難しい問題ですね。
酷なことだけど、染色体異常だけじゃなく、妊娠初期で、息子のような心奇形が分かったら、産まない人もいるかもな…
大変は大変だし、この先も不安は尽きないけれど、息子を産まなきゃよかったなんて、一度も思ったことはないなぁ。むしろ、産まれてきてくれてありがとうとしか思わない。
後付けの綺麗事のようにしか聞こえないかもしれないけど。
息子本人には、これからもたくさんの苦労をかけるなぁとは思っています。それを思えば、私は息子が産まれてきてくれて、居てくれてるだけで幸せだけど、それは、私側の勝手な思いで、息子本人は、息子の人生として病気を今後どう受け入れていくのか、それはまた難しいことだと考えています。
命の選択…難しい。