目黒区全域を芸術文化の香りあふれる街に | 前目黒区議会議員 鴨志田リエ オフィシャルブログPowered by Ameba

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令和4年目黒区議会第2回定例会(6月議会)で

「目黒区全域を芸術文化の香りあふれる街に」ついて、青木目黒区長に5点一般質問しました。

区長の答弁と鴨志田の再質問は目黒区議会ホームページでご覧頂けます。

 

「めぐろ区議会だより7月号」

 

 目黒区は新たな区民センター整備、駒場国家公務員住宅跡地1万㎡の整備、区有施設の複合化・多機能化、そして、24の学校施設の建替えに30年間で1700憶円を投資する計画はじめ、100年に1度とも言える、我が街が大きく進化しようとしています。

 世界文化遺産のパリの都市整備の基礎をナポレオンが築き、初代パリ市長が、芸術文化の融合したまちづくりを進めたことによって、今のパリがあり、ナポレオンがハード面を初代パリ市長がソフト面を担い、両者の遺産が今、大きく花開いている説明を過日の予算委員会でいたしました。

 目黒区が、これほど大規模に街が変わるにあたり、インフラ・ハード面にプラス、ソフト面が街をさらに進化させてゆきます。

 目黒区と言えば、桜、さんまが代名詞ですが、プラス、芸術文化のソフト政策を目黒区全域に展開し、目黒区の魅力を高めることは人材育成にもつながり、将来にわたり、誇れる遺産となる街づくりを目指すべきでは、ないでしょうか。

 

1点目 新たな区民センターについて

 新たな目黒区民センターのコンセプト「未来とつながる 人とつながる 新たな自分とつながる」は創造性をかきたて、目黒川に面した広大な敷地が、文化を感じ、交流が生まる目黒区のランドマークとなるでしょう。

施設整備の方向性で、美術館が発信してきた芸術文化の香りを敷地全体に広げていきますとあります。どのように具現化するか、お伺いいたします。

 

2点目 目黒区美術館の建替えとその後の運営について

 目黒区美術館は開館に際し、10憶円の基金から作品を収集し、その後、基金に2000万円を積み増しし、現在の基金残高はゼロに近い状況です。今後、作品を購入して所蔵品を増やす、という方向性は無きに等しいと認識しています。

 目黒区美術館は2000を超える所蔵作品を有していますが、所蔵作品を常設展示していないことから、休館が年間100日あまりとなり、施設の見直しと共に美術館のスペース活用を考えるべきではないでしょうか。

 近年開館した日本の美術館の業態として、作品を購入・所蔵せずに他館から作品を借りる企画展が話題を呼び、収益を上げている例として、六本木の森美術館、国立新美術館が挙げられます。

 所蔵品・コレクションを持たない代わりに、人々が様々な芸術表現を体験し、学び、多様な価値観を認め合うアートセンターとして発信しています。

 目黒美術館の建替え後は、これまでの独自企画、子どもたち展・目黒の作家展などを一部残し、貸館をメインに運営する手法がありますが、見解をお伺いいたします。

 

3点目 目黒区美術館所蔵の作品を区有施設に展示してはいかがか

 美術作品は日々生まれ、作品自体の価値も時代と共に変化してゆきます。

 実業家の前澤友作氏が米国現代画家のジャンミッシェル・バスキアの絵画を2016年に現在のレートで約74億円で購入し、先月5月にニューヨークで競売に掛けられ、約109億円で落札されました。前澤氏は、バスキアの作品を所有した6年間について、幸せで刺激的な忘れられない時間になったとし、アート作品は、なるべく多くの人に共有されるべきものだ、と語られました。

 バスキアは黒人差別がまかり通った時代のブルックリンに生まれ、幼児期に、母親に連れられてメトロポリタン美術館でのアートと出会いが、その後の芸能活動へと発展してゆきます。

日本も美術作品がオークションで気軽に買える時代になり、作品価格はオークションの落札結果から推計することができます。

 目黒区美術館所蔵の作品を落札結果から推計し例にいたします。

 荻須高徳展は新聞社企画の巡回展で、歴史ある目黒区美術館の中で来場者数が最多だったと聞き及んでいます。当美術館は荻須作品を数点所蔵し、その内の水彩画の「ベニス」は60万円から100万円

今井俊満画伯はフランスのレジオン・ド・ヌール勲章、フランス芸術文化勲章コマンドールを受賞、2008年に文部大臣表彰を受けられ、当館は中期の時代の8作品を所蔵しています。

 私は今井画伯のファミリーとお付き合いがあり、美術の仕事をしていた関係から中期1978年の作品を1点、後期の「花鳥風月」2点を所有しています。

 私が所有する中期の作品で同サイズの当美術館所有作品を調べたところ、10万円から20万円。今井作品を所有する私としても価格の変動に驚きを隠せませんが、美術館が購入した当時の価格は10倍以上かと思います。

 当美術館所蔵で際立って所蔵数の多い藤田嗣治のコレクションの中では、旧シャーマンコレクションの点数が多いのですが、水彩画や銅版画が多く、作品の価値から言いますと、美術館が昭和56年に購入した油彩画の「動物群」は100万円から1800万円と推計されます。

 美術品の値段は時代と共に変化する例を挙げましたが、作品の価値判断は内外的にそれぞれとなりますが、美術品は、なるべく多くの人々に共有されてこそ価値が増してゆきます。

 そこで、目黒区美術館所蔵の作品を総合庁舎や社会教育館、学校など区有施設に展示し、区民がアートを身近に楽しめる空間を創出することで

「常に芸術と触れる芸術文化の香りあふれる目黒」が実現されます。

例えば、藤田嗣治のコレクション、イームズの家具コレクションが数年に一度しか展示されないのは、区民がアートに接する機会を損ねているとも言えましょう。

 アートの敷居を下げ、イームズの家具に区民が触れ座り楽しむ空間を創出するなど美術館所蔵の作品を活用し、アートが日常となる目黒を創造してはてはいかがでしょうか、見解をお伺いいたします。

 

4点目 仮囲いアートで、まちの新しい価値を創出せよについて

 新しい建物が着工すると長期間真っ白い壁の仮囲いが設置されますが、近年、アートの力で街の風景を変えようと仮囲いを利活用する仮囲いアートが注目されています。

 区民センター、駒場国家公務員宿舎跡地、学校の更新と続々と建設される建物の仮囲いに、児童生徒の絵や地域性を反映するなど、まちの新しい価値を創出する仮囲いアートを設置することを提案しますが、所見をお伺いいたします。

 

5点目 学校施設更新時に芸術文化のエッセンスを取り入れよ

 板橋区は世界最大の児童書見本市が開かれる、イタリアのボローニャ市と友好交流都市協定を結び「絵本のまち板橋」を掲げ街づくりに取組み、

「絵本がつなぐ『ものづくり』と『文化』のまちの実現~子育てのしやすさが定住を生む教育環境都市~」の提案が評価され、本年「SDGs未来都市」に選ばれました。

 板橋区長は「絵本を軸に、若い世代の定住化や健康寿命の街づくりを推進したい」と方針を示されました。

特色ある学校づくりを目指す本区として、学校施設更新時に芸術文化のエッセンスを取り入れ児童生徒が芸術文化を楽しみ創造する学校を目指しては、いかがでしょうか。

 委員として関わった「祐天寺お絵かきコンクール」は、近隣の保育園、幼稚園、 小学校に祐天寺の街をテーマにお絵かきを依頼すると、400点あまりの子供たちの絵が集まり、表彰式では、はにかみながら喜ぶ子供たちの笑顔が強く印象にあり、また、毎年お絵かきを提出する子供の成長が絵によって表現され、アートと教育は深くかかわっている喜びもありました。

 例えば、学校ごとに「源氏物語」「百人一首」「俳句」「国際交流」「宇宙」といったテーマを決め、仮囲いアートからテーマに沿い学校建設を進めることも一案かと考ええます。

 学校施設の更新に1校70憶円を見込んでいることを鑑み、ハード・建物にアートなどのソフトを融合させてこそ特色ある学校づくりと考えますので、所見をお伺いいたします。