朝、夫に「メガネにまつ毛か髪の毛か、なんか毛がついてるからとって」と言われた。
「え?どこ?」「フレームのところ」「うーん…どこ?」「見えないの?メガネ外して見たら?」メガネを外して…「あ、ここか」フレームに挟まっている毛をとって「はい、取ったよ」夫にメガネを渡した。
ニヤニヤして「メガネ外さないと近く見えないんだ?老眼だ」
「なにその笑顔…めちゃ嬉しそう。やなかんじ」
「ふふ…同じだと思って。おそろいだ。老眼」
「やなかんじ。嬉しくない……」
夫は歳上なのでいつも老化現象を先取りしている。
肩こりや白髪やら。
今回は老眼。
そういう‘老い’がわたしにもあらわれだすと、やたら嬉しそうな顔をする。
仲間だ、という顔。
ちっとも嬉しくない仲間、楽しくも面白くもないお揃い。
なにがそんなに嬉しいのか。
近視でメガネをかけている夫婦だけれども、近くのものを見ようとするときは、メガネを外す方がよく見えるようになってきたんだよね。
これは、完全に老眼。
兆候は感じていたけど、目を逸らしてきた。
気づかないフリをしていた。
(近視で)遠くも見えなけりゃ、(老眼で)近くも見えない。
乱視でもあるので視界は歪んでる。
ドライアイですぐに疲れ目になるし、夕方には霞んでくる。
ぜんぜん目が良くないのに、目を酷使している。
わかっちゃいるけど向き合いたくない。
あーあ、老眼かぁ……