【虎に翼】伊藤沙莉朝ドラ主役!女の幸せってなんだろな? | [ridiaの書評]こんな本を読んだ。[読書感想文]

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虎に翼…ゴールしたら賞金2倍ってことかな?と思ったら桃鉄脳。

 

新しい朝ドラがはじまりましたね!

『らんまん』『ブギウギ』と明るく楽しく上質な朝ドラが続いております。今度の朝ドラも面白いといいなあと思っています。

 

主演は伊藤沙莉ちゃん。

誰かの友だちばっかりやってる印象だったけど、とうとう主役です。

大好きな女優さんなのですごく嬉しい。

 

松山ケンイチが先導役になるのかな?

「女だから反対だ」と言うその意見がこれからどんな風に変化していくのかな?

 

 

第1週は戦前の女性のおかれている立場を描写する時間。

 

女は男の3歩後ろを歩く。男の陰を踏まない。男をたてる。控えめに慎み深く。

 

お見合い相手の「理解ある俺くん」なチャラ男を演じた藤森慎吾にはシビれました。

 

いるよね〜

昭和初期どころか令和にもいるよね〜

 

俺、理解あるから。

男女平等だよね。女性の素晴らしさわかってるよ。どんどん意見言ってよ。話をしよう。

(男である俺が気分良くなる意見だけね、男の俺より上に立つのは許さないよ、男の俺が了解した範囲からは逸脱するなよ)

 

自分より「下」だと思っているから鷹揚な態度で「いいよいいいよ構わないよ」と言える。

だけど相手が「下」ではなくなるのは我慢ならない。

 

偉そうに。

何様のつもりだ。

 

「女性さま」と慇懃に持ち上げておいて、本心では自分こそが俺さまなので「理解ある俺くん」はご立腹。

 

そんな男性ばかりではないけれども、そういう価値観はある。

今でも残っているし、昭和初期ならそれがスタンダードだったはず。

 

賢い女なら、そういう俺さまのご厚情に謝意を示しつつ、そこそこ知的な会話を心がけつつも要所要所で「さすが〜そこまでは知りませんでした〜」と俺さまよりは「下」ですよアピールするのでしょう。

さすれば、「理解ある俺くん」は寛大で先進的精神をもつ紳士でいられます。

 

わきまえた女の態度。

そういうそぶりを「スンとしてる」と表現する寅子(伊藤沙莉)ちゃん。

 

納得できません。

 

女学校で2番の成績なので理解できないわけではないのでしょう。

理解はできても納得はできない。

 

そのモヤモヤが、下宿人のお弁当を届けた先で解消します。

 

女(妻)は無能力者。

何をするにも夫に許可が必要。

家事すらも夫の代理という建前です。

家のことをすべて取り計らっていても家長は夫。

法律でそうなっている。(旧民法)

 

 

 

 

 

 

同級生の花江ちゃん(森田望智)はそういう意味では実に賢い女です。

従順でおとなしいフリをして、可憐な笑顔で狙った獲物をしたたかに仕留める。

 

一目惚れエピソード素敵でしたね。

あれこそ水も滴るいい男。

見る目あるなあ。


 

女中の稲(田中真弓)も。



なにも腹に据えていない女はいないのかもしれません。

 

けれども寅子のように真っ正面からぶつかっても痛い目を見るだけ。

だからみんなが寅子に言うのです、それはかしこいやり方じゃないよ、と。

 

 

 

 

 

女学校に行きたくても行けなかった母はる(石田ゆり子)も愚かな女ではありません。

記憶力判断力胆力備わった強く賢い女性。

 

けれども寅子の進学には強く反対し、見合いを勧めます。

 

それはこの時代に「女だてらに」男と肩を並べて勉強し、前人未到の女性法律家として生きていく困難を予測できるから。

 

その道が茨の道であること、血まみれになっても拓けていくのかわからないこと、苦難の果てにみじめで取り返しのつかない未来になるかもしれないこと……聡明であるが故の心配、親心でした。

 

 

寅子は結婚否定派で、結婚なんてしなくていい、と言っています。

 

でも、ずっとその気持ち持ち続けられるのか。

嫁き遅れ(当時は20代半ばでもハイミス)て良い結婚相手が望めなくなった頃、やっぱり嫁ぎたいと後悔するようになるのじゃあないか……

 

老婆心とはよく言ったもの。

 

時の流れだけは巻き戻せないことを知っているからこそ、安全そうに見える道を歩んでいってほしいと願ってしまうのです。

 

 

それでも、それを他人に言われるのは癪に障る。

 

同じことを思っていても「女では苦労する」「泣いて辞めてしまうだろう」なんて言われては。

 



女学校に行きたかった。

だけど旅館(実家)の利益になる縁談を押し付けられそうだったから、逃げたくて、離れたくて結婚した。

 

結果的に幸せになれたし、後悔もないけれど……

 

 

「スンと」しなければならない生き方はイヤだというのなら、どの道地獄だというのなら。

母は誰よりも強い応援団長となる。

 

桂場(松山ケンイチ)にはなった啖呵は痛快でした。

 

 

寅子の生き方はかしこいやり方じゃないかもしれない。

 

けれども賢い寅子は、傷だらけになっても進むことを選んだのでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 








 


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