安定安心の群ようこ。
やっぱり面白い。
市井の人を書かせたら、ほんっと、素晴らしい。
群ようこの描く人々は、リアルだ。
学校行ったり仕事をしたりサボったり昼寝したりオナラしたりコンビニ惣菜を買ったり小銭貯金をしたり、噂話や他人の不幸にニヤッとしたり反省したり。
大事件も愛憎劇もないけれど、小事件や色恋沙汰はたまに発生する。
心温まる……というほどの善人ではないけれど、地獄に堕ちろというほどの悪人でもない。
めんどくさい人だけど便利だったり、ウザいけど優しかったりする。
そうそう。
そういうもんだよね、って思う。
群ようこの本読むの、10年ぶりくらいかも。
昔すごく好きで本棚の一区画が群ようこになるほどだった。
わたしっていつもそう。
一冊読んでハマってぐわーっと過去作品漁ったり新刊読み捲るんだけど、ある日、ブームが去ってしまう。
林真理子も重松清も京極夏彦も。
みんなそう。
たまに再読したり、未読本を読んで「ああ、そうだった、そうだった。この作者ってこういうんだった」って思う。
そこからまた小さなブームがやってくることもあるけど、第一次の大波ほどの熱量ではなくなる。
時を経て昔馴染みの作家さんの本を読むと、わたしも作者も年をとったなあと思うことが多い。
テーマも筆の運びも、静かになっているような気がする。