短編小説のアンソロジー。
ひとつひとつの小説がかなり独特なので、次から次に読み進めていくっていう本ではない。じっくり味わって消化してから次の作品に手を伸ばす、という読み方がおすすめ。
画像の下はネタバレがあるので注意してね。
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収録作品は、
半村良「となりの宇宙人」、黒井千次「冷たい仕事」、小松左京「むかしばなし」、城山三郎「隠し芸の男」、吉村昭「少女架刑」、吉行淳之介「あしたの夕刊」、山口瞳「穴――考える人たち」、多岐川恭「網」、戸板康二「少年探偵」、松本清張「誤訳」、井上靖「考える人」、円地文子「鬼」の12作品。
もっともわけがわからなかったのは、山口瞳「穴――考える人たち」。
なにがなんなのかわからなかった。わからないなりにおもしろいということもなかった。なんだったのだろう?
意味不明な世界を楽しむのかな?北村 薫 と宮部 みゆき の解説対談のノリではそうなのかも。
解説対談はネタバレがあるので全作品読み終えてから読むべきだと思うけど、解説対談を読んでからまた作品を読むと「なるほどね~」と思ったり「これのことか」って思ったりして楽しい。
井上靖の「考える人」は解説対談読んだ後に読み直すとさらに味わい深く読めた。もともと面白かったけど。
小松左京「むかしばなし」、好きだなー。
なんか、ばあちゃんのほくそ笑んでる姿が想像できておもしろい。でも知らない人もいるんだろうなぁ。常識って人によって違うんだよね。博識な人でもこんなこと知らないの?ってことがある。
円地文子「鬼」はありがちなネタだけど、古い言葉遣いが読んでて気持ちよかった。小説には文章の快感がある。
文章の快感といえば吉村昭「少女架刑」、黒井千次「冷たい仕事」。これは小説じゃないとおもしろくもなんともないと思う。
城山三郎「隠し芸の男」はドラマにしてもおもしろそうだと思った。
これは悲劇だ・・・喜劇と悲劇は紙一重だ・・・
すでに続編の名短篇、さらにあり も購入済み。
うーん、楽しみ。