180°転換する視座とブログと飛行機雲 | ペーパー社会福祉士のうたかた日記

ペーパー社会福祉士のうたかた日記

社会福祉士資格をとるまでと、とったあと+α。浮世のつれづれ、吹く風まかせの日々。

亡くなった身内は感受性豊かな人で、
かなりの頻度で詩的なことを言った。

理性的な説明じゃなく情緒過多で、
だけど理屈じゃないから真ん中辺を、
のちのち影響を持つ言葉を放った。

たとえば、幼稚園くらいの私が、
モディリアニの画集なんか見てて、
子ども心にとても不思議に思った。

目はくりぬいたように笹の葉型で、
どうしてこんなに首が長いのかと、
傍らの身内に尋ねたことがあって、

そしたら身内は刺繍の手を休めず、
振り向きもせずこんなん答えた。

>そのひとのめには
>そういうふうにみえるのよ

視覚が絵の向こう側に持って行かれた。

その後浴びるように見た数々の絵画も、
彫刻も、すべての表現の結果について、
この一言が私の芯におさまっている。

>そのひとのめには
>そういうふうにみえるのよ

それは大げさでなく視座の転換で、
同じものを見ても違う見え方で、
違う感じ方をするものだということ、

そしてそれは個々に価値があって、
なんでそんな風に見えるんだとか、
これはおかしいじゃないかとか、

そうじゃなく黙って尊重するものだと、
私はあの春の陽光の中で学んだ。

>そのひとのめには
>そういうふうにみえるのよ

幼稚園の長い長い夏休みを利用して、
身内の故郷に新幹線で向かう車中、
細いあぜ道から犬を連れたお年寄りが、
私らの乗った新幹線に手を振っていた。

瞬間吹っ飛ぶように消えたその姿、
身内と私は同じ人を見たんだろう。

そしたら身内は何を思ったのか、
シウマイ頬張る私に向かって、
これまたこんなんをつぶやいた。

>わたしがあのひとだったかも
>そうおもうことがあるのよね

幼稚園児相手に何を思ってのこれ?

もうその真意を聞けることはないが、
東京に嫁いできてからのあれこれ、
きっと思うことは張り裂けるくらい、
胸にため込んでいたんだろうと思う。

瞬時にすれ違っていった窓外の、
犬を連れて手を振るおばあさんは、

このあとワンちゃんとお家に帰って、
みんなのごはんの支度をするのかな。
それとも田んぼや畑に出るのかな。
お米かな?お野菜かな。なんだろう。

いつも新幹線を見に来るのかな。
毎日の暮らしはどんななのかな。

幼い私は幼いなりの想像力を、
働かせて考えるようになった。
私は新幹線に向かって手を振り、
犬を連れて家に帰る私になった。

>わたしがあのひとだったかも
>そうおもうことがあるのよね

昨日、会社の休憩室から見えた、
青く晴れた空をゆるい矢のように、
豆粒ほどの飛行機が昇っていく。

夕方のハンパな時間の飛行機に、
それぞれの人はそれぞれの予定で、
たまたまあの中に乗り合わせて、

そして地上のどこかではきっと、
同じ飛行機を見ている人がいて、
私はその中の誰かかもしれない。

飛行機の中の人も自分の飛行機が、
どこか誰かが眼下の喧騒の中から、
眺めているなーと思っているかも。

ナンカに似てるなぁ。


あ、ブログだ。

びっくりするような人数の方々が、
たくさんたくさんあるブログの中から、
ここを見つけて来てくださっている。

私がブログを拝読するとき感じること、
書き手の方はどんな方だろうって、
読まれる方もそう思っているのかな。

ricorico1214ってどんなやつだろ?
相当イカレてるけど大丈夫?とかw
どんな容姿風貌で日々何をしていて、
どこでこれを書いているんだかとか、

考えて想像してくださってるのかな。

私はその方々がどこにいるのかも、
何をしているのかもわからないけど、
確かにそこには誰かがいてくれて、
この画面で何ごとか共有している。

遠い空の下で1年間共有してきた、
明日の試験への思いは同じで、
合格できればいいな、じゃなくて、
合格してほしくて書き続けてきた。

発信したことを受信してもらえて、
またそれが書くことの原動力になる。
お互いのことを互いに想像を交換して、
この円環はいつも成り立っている。

明日、日本のどこかの会場で受験する、
すべてのあなたにこの祈りが届くよう。

我を忘れて集中してきてください。
カスほども余力が残らないよう、
答案に絞り尽くしてきてください。

よく言うじゃない、
一生懸命やったから結果はどうでもとか。

んなこたーないっす。
合格するためにやってきたんだから、
その執念を放棄しちゃいかんのです。
合格しよう。絶対に合格しよう!

今日1日で何がどこまでできるかって、
今までやったこと思い出せばいい。
全部まとめて頭に入ってるからね。

行け行け!受験生!




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試験屋も今日明日修羅場だぜ!
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