国家試験対策_保護司面接のためのSSTマニュアル | ペーパー社会福祉士のうたかた日記

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社会福祉士資格をとるまでと、とったあと+α。浮世のつれづれ、吹く風まかせの日々。

受験生には今日を入れて残り3回、
貴重な学習時間確保の日曜日がある。

今月に入ってからすることといえば、
弱点目一杯強化と知識の確認だけど、
その息抜きとして提供できる情報は、
未出題箇所がもし出たらということ。

ただしこれは脅しや煽りの類じゃなく、
ドリフが学校だったらこんな感じ的、
国語算数理科社会のノリであります。

【更生保護】は19科目の末尾であって、
しかも【就労】と抱き合わせっていう、
どっちかカタッポから1点でいい科目。

ただし毎回各4題なんで×2=8題。
他科目が7-10題なことを考えたら、
意外に遜色ない重量感なんであって、
取りこぼしそうなところを書きます。

攻略法はいたって簡単平易でして、
出題基準と過去4回分を見ていて、
他科目より変態度チンピラ度が低い。
正攻法で行けば高得点が望める。

出題基準に即してまず制度の概要、
保護観察、仮釈放、更生緊急保護、

次いで更生保護に関わる専門職、
保護観察官、保護司、社会復帰調整官、
第24回問題150は事例で被害者担当官。

少年法の細部に入り込むよりは、
まずは手持ちの教科書参考書類で、
赤字太字重要項目を整理+暗記。

たまには法務省HPも見ておくとよい。
これ受験生には最大の味方と同時に、
作問者もココ見てやがる形跡があるw

で、

2012年頃からの更生保護の流れに、
SSTを採用する動きが出てきている。

SST:Social Skills Trainingっちゃ、
私らの【相談援助】ではおなじみの、
「社会生活技能訓練」とも呼ばれる、
認知行動療法と社会学習理論が基盤で、
言動態度の以下のような訓練である。
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自分の望むことを伝える言動態度
相手から望む反応を得る言動態度
------------
自分がこうしたら相手はこうなる、
相手にされたら自分はどう感じる、

ロールプレイやリハーサルを通じて、
模擬的訓練を積んでいくことで、
実生活に生かしていく手法である。

なぜ保護司にSSTが導入されるのか。

社会福祉士資格取得をめざしている、
現役保護司の方々にお目にかかると、
バリバリ司法職出身の方が圧倒的。

どちらかといえばご高齢の方も多く、
対象者を自分ちにあげてお茶飲んだり、
職を世話したり相談に乗ったりして、
気長に付き合えば必ずわかりあえる。

そう思って職務に尽くしてきた結果、
2010年、担当少年が保護司自宅に放火。
全焼するも公的補償一切なしという、
前代未聞かつ衝撃的な事件が起きた。

根気とか人情とか善意熱意に加えて、
その前段階の訓練を要する対象者。

これまでと違うアプローチ技法とか、
これまでの対象者と違う方法で接する、
その主コンテンツは福祉職にあった。

というわけで、

日本更生保護協会が率先してSST研修、
積極的に実施するようになったわけ。

けど、私らが司法には手薄なように、
司法方面も福祉的手法には疎いんで、

たとえば、

福祉職の研修ではない方がおかしい、
すでに慣れ親しんだグループワーク、
講師のデモンストレーションからの
ロールプレイなんかも、初体験だと、
こんな風に感じる参加者が多いんです。

>参加者の多くは、「SSTとは何?」
>「演習中心の研修は
>何をさせられるのだろう?」と、
>当初は不安でいっぱいの様子でしたが、

そう、慣れって怖いって思ったのが、
この研修マニュアルの中で特筆すべきは、
ロールプレイをしたりさせたりする際、
相手の「照れ」に言及していること。

司法関係の研修って専ら座学中心で、
資料とデータと理論と講義なんだけど、
そうかロールプレイしたことないんだ!

保護司SST研修でのロールプレイは、
"担当少年とロールプレイする"って、
二重のお題が設けられているのだが、

そこにちゃんと無理強いはしないこと、
ロールプレイをいやがる子もいるって、
明記してある、こんなくだりがある。

スクリプトは少年の求人問い合わせ電話。
担当少年にロールプレイを持ちかける。
研修では保護司の2人組で行うわけです。
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少年役:明日電話してみようと思って…

保護司役:そうか、それはよかったね。
実は、私に提案があるんだけどね、
私を販売店の人だと思って、実際に、
電話をかける練習をしてみないかね。

少年役:うーん。

保護司役:あのね、これはね。
やってみると、きみのいいところが、
とてもよくわかるよ。一緒にやろうよ。

少年役:ちょっと照れくさいですし、
いいです。今日はやめておきます。

保護司役:お芝居みたいで照れるよね。
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この1クッションってスゴイと思う。
相手の拒否を想定したロールプレイって、
今まであんまり見たことがないなー

ロールプレイを初めてやったのは、
某コミュニケーション研修だったけど、
ココに出てくる少年と同じ気持ち。

"その人になりきったつもりで"って、
講師は参加者ができること前提だけど、
恥ずかしいったらありゃせんのよ。

演技する、芝居するって恥ずかしい。
ナントカごっこってコッパずかしい。
何回かやってみて、ああこうするんだ、
要領がわかる感覚には個人差がある。

保護司がロールプレイの恥ずかしさ、
研修で自分がまず感じているから、
「照れ」が理解できるんだろうし、
こういうの事例問題にしてほしいなー
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例)ロールプレイを拒否した少年に対し、
「保護司面接のためのSSTマニュアル」での、
対応として最も適切なものを選びなさい。

1_マニュアルに従い、多少強引でも、
保護司主導でロールプレイを始める。

2_本人の「照れ」を肯定し受容したうえ、
再度ロールプレイの長所を話して勧める。

3_保護司の指導に従わない態度を戒め、
次の課題としてロールプレイをあげる。

4_本人の選択と自己決定を尊重し、
2度とロールプレイを持ちかけない。

5_ロールプレイは就職に有利になると、
その重要性を理解させてから実施する。
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正解はCMのあとで!
※※予想問題ではございません※※

SSTは研修だけのセレモニーだとか、
その場しのぎになりやすいこと、
伝達し実施するのが困難なこと等、
問題点はまだ残っている手法だけど、

丸飲みにするんじゃなくできること、
役立ちそうな場面でふと思い立ったら、
やってみる的なことでいいのではと。

さて、

受験生はここから当日までの優先は、
やらなきゃいけないことはやりつつ、
できる限り受験勉強に傾けること。

体力気力を温存させるな!
労力を出し惜しみするな!

東洋大学風に言ってしまえば、
受験生、その1点を削り出せ!


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社会福祉士、本気モード復活。
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明日は更生保護と民間団体。

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例題正解:2
「抵抗は普通」との但し書きあり。
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少年役:ちょっと照れくさいですし、
今日はやめておきます。いいです。

保護司役:まあね、お芝居みたいで、
照れるよね。でもね、実際にやってみると、
役に立つっていう人がね、結構多いんだよ。

ちょっと練習するだけでも、
きっとね、きみの役に立つと思うよ。
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引っかけは選択肢5。ロールプレイは、
就職に有利になるとまではいえない。
これやると就職できるよ、なんて、
SST本来の目的とも合いませんしね。

で、

このあとロールプレイをさせてみて、
電話の用件と目的、敬語の使い方など
いいところできたところをほめる。

次に、
相手に合わせて名前を名乗ることなど、
"さらにもっとよくなる点"を告げる。
この話す順序もSSTてか福祉的ですね。