みだりにおもふ | 柚子プリンナーへの道

少し変な話。





図書館で課題をやっていた休憩に喫煙所へ。



ふーっ、と一服していると喫煙所に似つかわしくない可愛い女の子が入ってきた。
少し気になりつつも何食わぬ顔で居ると彼女が


「珍しいの吸ってるね、貰っていい?」


と聞くので



「ん。」
と、
さつきに傘を渡すカンタみたいな感じで一本タバコを差し出す。
男って不器用だ。


すると彼女はこう言うのだ。

「んーん。違う、君が吸ってるの一口でいいの。」


と。少し戸惑ったが、
緩い女だなと思いつつも、照れを見せないように吸いかけのタバコを差し出す。


「ありがと。」


彼女はそう言って俺が吸いかけたタバコを咥え、ゆっくりと燻らしていた。その姿は綺麗で思わず目を凝らしてしまっていた。
肺には入れずに吸っても楽しめるタバコだと気づいていたのだろうか。

紫煙を吐き終わると何やら恥ずかしそうにしていた彼女は、


「…あー、間接キスだね。間接タバコとか言うのかな?笑」


なんて、
少し戯けつつも白地に頬を赤く染めていた。
それとも頬が赤いのは寒さの為だろうか。

タバコを受け取り、吸ってみる。
仄かにいい香りがした。


「別に俺は気にしてない。」


彼女に流されないように少し恍けてやったが、心臓は強く脈を打っていた。



「なーんだ。笑

…じゃあ私課題やりに図書館戻るね。タバコありがとうね。ばいばい」


それを聞いて、俺は咄嗟に考えた事を口に出してしまっていた。



「……待って、俺も図書館で課題やってた途中だから。
良かったら一緒に。」


少し強引な気もしたが、なんとなくこの女ともう少し一緒に居たいと思った。
こんなに素直な自分は久々で、自分でも驚いてしまったものだが。

彼女は少し考えた後、
にこり、と優しく微笑んでこういった。


「ん、良いよ。」






喫煙所から出ると、先に出た彼女が空に向かって白い息を吐いていた。
俺はその息を見て、彼女の口から吐かれる紫煙がやけに綺麗だったのを思い出していた。

















なんて妄想してたら課題が捗らなかった。
明日もBBやれなさそう ; ;