友人が参加したワークショップは、
月2回、1泊2日を3ヶ月、計6回で、
太鼓とダンスを通して、西アフリカの共同体感覚を学ぶ、
というものだったそうです。
実は、当時私は太鼓だけに目が行っていて、
「共同体感覚」はあまり気にしていませんでした。
でも、これがこのワークショップの、キモだったようです。
ワークショップで指導をしていたのが、
柳田知子さん(ダンス)、砂川正和さん(ジンベ)。
ウォークトークというグループを主催しているそうです。
参加した友人は、子供の頃からダンスを学び、
プロとして踊っていたこともある人でした。
でも、どんな踊りなのか聞いても教えてくれず、
感想を聞いても「先生たちがすごいんだよ」というばかり。
何がどう、すごいんだろうなあ・・・
どんなすごい「踊り」なのかなあ・・・
そして発表会。やっと観れる!期待マックスでした。
今でも良く覚えているのは、
会場に入った時の、その場の雰囲気というか空気でした。
発表会ぽくないというか。
ワクワクと嬉しそうなんだけど、穏やか。
ピリピリ感がありません。
観客、と言ってもほとんど、参加者の家族や知り合いの人。
そんなにたくさんではありません。
だから穏やかなのかというと、そうではなかった思います。
ピアノでも、家族・知人だけを呼んで行う「おさらい会」をしますが、
なんとなく「ピリピリ感」はあるものです。
音楽の種類や、規模の問題でもないと思います。
私は、普段はいない人がレッスン室に入ってきたりするだけで、
緊張しますからね。未だに。
それにパンフレットを読むと、
「発表会があるのがプレッシャーだ」と書いている人も多かった。
やっぱり、緊張感は持っているんだ。
でも、なんか違うんだよなあ。
そして始まりです。
先生による解説というかお話があり、
ウォークトークによる演奏とダンスがあり、
ワークショップ参加者による発表、最後は観客も踊れるおまけ付き。
その時初めて、「すごい」先生を見たわけです。
ダンスの先生、小柄だなあ。太鼓の先生、金髪の関西弁だ・・・。
演奏は、ママディ・ケイタの時とはまた違う、
素朴で、でも地に足がしっかりついたような力強い音。
ダンスは、これも素朴というか、そんなに難しそうには見えません。
何より、ワークショップ参加者の皆さんの表情。
もちろん緊張感もあるし、照れ笑いもあるけど、
なんだかみなさん、すごく嬉しそうに見えます。
ピアノ発表会とはえらい違いだわ~。
こんな嬉しそうに叩いたり踊ったり、人前でできたらそりゃ最高だわ~。
こういうパフォーマンスは、見たことないなあ。
今まで私が「すごい」と思ったのは、
「自分にはできないなあ」というような、
遠くて手が届かないようなことを「すごい」と言っていた気がします。
いや、それも確かにすごいんですけど。
今でもそういうものは大好きだし、憧れてますけど。
友人の言う「すごい」はそれじゃないんだな、と思いました。
こういう場を作って、参加者みんなが、こんなに嬉しそうに、
パフォーマンスできるようにしてくれるんだ。
あ、「共同体感覚」。
単に太鼓とダンスの体験、ではないわけか。
これはすごい。確かにすごい。
発表会を見ながら、私が、長年音楽をやりながら、
なんとなく感じていた「足りない」感じ、
それが埋まっていくような気がしました。
欠けていたピースが手に入ったような。
これは大事なところだ。ここを逃したくない。
そして発表会終了後、私は早速、
「太鼓習いたいんですけど」と、お願いしたのでした。
