156 裁判官の子として生まれてきたキミ | 京都 coffee bar Pine Book

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日々楽しく生きるにはコツがあります。
まずいちいち反応しない事です。
そしてオセロの4つ角を取る事です。
4つ角とは?
1 健康
2 人間関係
3 趣味
4 仕事
コレが楽しく生きるコツです

今から40年前、次生は父保三の法律事務所にいた。


ある日・・・


あの〜?


はい!はい?


松本保三先生はおられますか〜?


はい?どちら様でしょうか?

(あっ?見たことある!この人!)


松本保三先生の大学院時代の後輩の〇〇と申します!


と、次生に名刺を差し出し次生も名刺を交換しながら、ふと相手の名刺に目を落とした。


大阪高等裁判所 判事  〇〇〇〇


あっ!やっばりや!裁判官やわ、この人!あの〇〇さんの事件の担当裁判官や!


事務所奥の応接室に通した。


父は、東京ですが、講義がありまして・・・


はっ!そうでしたか、はい。


で?何か伝えておきましょうか?


実は、わたしは来年退官いたします。


つまり、こうだ。

自分は現在大阪高等裁判所の裁判官であるが、来年退官すると。それで、弁護士登録して保三の法律事務所に来られないか?または、保三も京都産業大学法学部の教授でもあったことだし、法学部教授の職はないものか?地方の大学の法学部の教授のあては無いか?あれば推薦願いたい!ということであった。


結論から言うと、地方のある大学に父保三はこの後輩の裁判官を紹介し無事法学部教授に決まったという。


次生はこの世の役職は儚いものだと、この時痛切に感じたのだ。

役職の無くなる恐怖をこの裁判官は感じて生きている感じが伝わった。何が怖い?



お金を持つとお金が減る恐怖と戦わねばならない。




役職を持つと役職が無くなる恐怖に苛まれて生きていく。


つまり、この世はお金と権力(役職)を持てば持つほど本来の自分の生きていく使命から逸れはしないか?


しがみつくのは不幸な生き方と言えまいか?


この裁判官と次生は話しているウチに感じたのである。

この人は怯えている。

恐怖なのだ、来年退官した後の生活がみえないのだ。


次生は、法廷内の裁判官の「この人」と今、目の前に座る来年からの生活を心配する「この人」と同じには見えなかった。


次生は思った!

そうか!お金は目的ではなく、手段なんや。

役職も目的ではなく手段に過ぎない!と。


人はこの消えてなくなるお金とそのうち無くなるその役職に執着し、人として大切なモノを失っていかないか?


商売人は、リアルに毎日お金を数え触って金庫に入れていると、どうなるのか?


金庫が不安の塊になっている事を商売人は知らない。


お金は、持てば持つほど失う恐怖が膨らんでいくのだ!


そしてなくなるのが恐ろしくなり、遂に人を家族を一切信じられなくなるのだ。


次生は見てきた、リアルに商売人が小銭を貯めこんでも不幸な顔をして常に不平不満を撒き散らしているのを。


人を下僕扱いする商売人は常に孤独と地獄の苦しみの中で暮らすことになるのだ。


そしてお金は消失する。使い込まれるのだ、身内に。このとき、この商売人は狂い死ぬ。


お金を小汚く貯める人間には、きっちりと全て使い切る人間が取り憑いていく。

見事なまでに使い切る人間が傍に育っていくのを知らない。


次生の母方の内田家は河原町御池にあった。



現在は日本銀行京都支店になっている。

内田亀蔵は福井から一旗あげに京都に着き、恐ろしい運とともにお金を稼いだ。


しかし・・・


お金は魔物である。


内田家は内田亀蔵の財産をあっという間に子供達が全て溶かしたのである。

人を育てられないと、このように全て使い切る人々により無くなる。


お金に取り憑かれた一族は滅びる、間違いなく消えていく。

 

何故に?消えていく?


人が育たないのだ。金を貯めている人間の魂が不純であるからして人が育たない。絶対に間違いなく育たない。

本人がまず育っていない。

取り巻きは全て下僕。

言いなりに動く輩に囲まれ次世代を乗り越えていけるわけが無いのに乗り越えていけると思っているのがこの小金持ちである。


産まれがラッキーなだけの金持ちは時間差でお金が溶けていく。


大して貯まらないお金は結局没収されて無くなっていく。


そして、金に汚い人には100パーセントそれ以上の金に汚い人が取り憑いてくる。


この輩達が綺麗さっぱりと全てを溶かして無くしていくのを次生は見てきたのだ。


いつの時代も同じである。

世の常である。


次生は遺産相続問題において何件となく現実に見てきたから断言できる。


お金を小汚く意味無く貯める人間は、苦しんで苦しんで苦しみ抜いて死んでいく。

因果応報である。ひとりぼっちで死んでいくのだ。周りには人はいない。あるのは空っぽの金庫だけ。


賢者のお金持ちは「人」を育てる為にお金をつかう。

決して意味無く相続税なんかのために脱税まがいのケチな節税なんかしないのだ。


たっぷりと儲けた金は綺麗に人材育成の為に使い切っていく。

そして、育てきった人材に囲まれて笑顔で死んでいくのである。


何度も言うが、賢者のお金持ちは人に投資して報恩感謝で日々生きている。

だから人はそのうしろ姿を見て育つのだ。


この善ある愛の指導者に育てられた後継者達もまた、人を育てていくのである。


愚者の小金持ちはお金を失う恐怖に苛まれ日々を過ごす。


「人」を利用し下僕を集め、下僕に囲まれ裸の王様ではなくただの裸の大将である。滑稽である。愚者は腐臭にまみれ朽ちていくのだ。宇宙の法則である。避けることはできない、決して。


お金は腐る。絶対的に腐る。

権力も腐る。絶対権力は絶対に腐る。


腐臭漂う金は人が臭くなる。

本人はその臭さを解らずに死んでいくのだ。

恥ずかしいかぎりである。


次生は見てきた、幾人もの腐臭漂うこ金持ちを。

不幸な結末を迎え死んでいった。


因果である。


小金を貯め込んでも的確に人に投資しなければ金もただの腐った紙切れである。


この仕組みを次生は40年前にわかっていた。


お金を目的とした生き方。

役職を目的とした生き方。


共に不幸な晩年を苦悶の生活を強いられていくであろうこの生き方を改めなければ、自らも子孫達も巻き込むことになるのを彼らは知らない。子孫達は貪り愚か怒りの三毒に侵されて溶けていく。


腐ったお金は100パーセント人を眷属を一族を苦しますことになる。


宇宙の法則である。