また親父の話になりますが、
昔から、親父は厳しい人でしたので、
親父からのプレッシャーというのは、すごく重たいものでした。
だから、私は、親父から逃げるように上京してきたんですよ。

でも、どんなに逃げても、
親父の存在というのは、ものすごく大きい。
自分に与える影響力は、半端ないです。
それは、歳を取るごとに思いましたね。
そういえば、「毒になる親」という本を、昔読んだことがあります。
内容はほとんど忘れてしまいましたが、
おそらく、親に関する葛藤に苦しむ子供に向けた内容だったと思います。
確かに、
いま、俺がこんなに苦しいのは、親父のせいだ!
と思ったこともありますね。
でも今は、
親父は、そういう役目を担ってくれたのだと、そう思っています。

私のために。
話すと長くなりますが、簡単に言うと、
私が、
親父のせいだ!とか、
○○のせいだ!とか、
周りのせいにすることを、止めるためのレッスンだったのだと、そう思います。
自分が幸せになるために、
誰かを、何かを、非難する必要はない、
ということ。
そのことを確信したのは、5年前。
親父を、初めて抱きしめた時です。
その時、自分が解放されたように思い、涙が止まりませんでした。
そして先日、
親父のレッスンは終わったんですね。
だから、ほんとうにご苦労様でした、という思いだったし、
昔の思い出は、全てが愛おしく感じられました。
その愛おしさを感じた時は泣けましたね。
後悔や悲しい涙はありませんでした。

今、親に対して葛藤を感じていても、
そして、すでにその親が亡くなっていても、
必ず、いつかは赦せるときが来ると、そう思います。
自分が望めば。