毎度ご来店いただきありがとうございます。
あの暑さがいつまでも続くのでは無いかと言う程の酷暑と思いきや、やはり季節は巡っているものですっかり秋らしくなりましたね。
朝晩はめっきり涼しくなりました。それでも10年20年前の秋よりは暑いのかもしれませんが、真夏の気温自体がさらに暑いので、やはり秋になったと感じるものです。
秋と言えば、食欲の秋。
秋の味覚と言えば、今年は秋刀魚が豊漁のようで脂の乗ったさんまが例年より安く店頭に並んでいるようですね。
ここ近年不漁続きだったスルメイカも豊漁のようでこれは嬉しいことです。
イカが獲れないと言う事で高値が続き庶民にとっては高級品になってしまっていましたし、漁業者の方々が困窮するのみならず、それに関連する様々な業種が影響を受ける事になりますし、八戸の町全体の経済にも影響すると言って過言ではないでしょう。
ただ温暖化により海水温が上がっていると言うのは紛れもない事実ですから、北海道では相変わらず鮭の不漁が続き、今までは取れなかった南の魚が取れていると言うのも間違いない事です。
秋刀魚やイカの不漁は温暖化により海水温が上がっていることが原因なのかとも思いましたが、黒潮大蛇行と言う潮の流れの変化も原因のひとつにあったそうで、それも海水温に影響を与えていたとの事です。
ただ、「今年は秋刀魚が豊漁で…」と言っても「ここ数年に比べたらね…」と言うのが実際のところらしく、データを見ると15年前の水揚げ量の半分以下なのだそうです。
やはり地球環境の変化や乱獲により個体数は減ってしまっているのでしょうか?
もちろん資源保護のために魚種ごとに漁獲枠などを取り決めた国際ルールもあるそうなのですがこれにも色々と問題や課題もあるらしく、例えば資源保護のためにクロマグロの漁獲量を厳しく規制しているルールがあるおかげで石川や新潟では逆に今年はマグロが獲れすぎてあっという間に制限枠いっぱいの水揚げに達してしまい、それ以上水揚げする事もできないのに定置網を設置していると入ってしまう上に網を傷つけてしまうので撤去するしかない状況なのだけれど、そうすると今度はそれ以外の魚の漁もできなくなってしまうと言うことで困っているのだとか。
水揚げできないマグロだけを網に入らないようにすることも出来ず、更にはイカ漁をしている漁業者にとってはそれを捕食するマグロはライバル的な立場になりますからマグロが増え過ぎるとイカがいなくなるといった弊害も。
自然の環境も目まぐるしい変化をしている中、自然の食物連鎖の中にもバランスの変化が著しく起きていると思われ、それのバランスを見ながら資源量の保護をするべき漁獲枠の取り決めにも各国の思惑もそれぞれの立場でいろいろですから本当に難しい問題なのでしょうね。
気候変動や温暖化による海水温の上昇により陸奥湾のホタテ養殖も大打撃を受けているそうで、これは大変です。
外海の魚たちは生育に合った環境下に移動するものも有るのかも知れませんが、湾内での養殖となると水温はどうにもなりません。
陸奥湾でのホタテ養殖自体が困難な環境になって来ているのかも知れませんがこれも大変な問題です。
なんでも値上げの昨今ですが今年の秋はおいしい秋刀魚が比較的安く食べられるというのは単に嬉しい事ではありますがね。
地球上には国という括りが有って国境という境目も存在しますが魚には国籍もありませんし、なんにせよ海はひとつにつながっているのですから、いろいろな意味でそれを忘れてはなりませんね。by店長きむら