水 | 孤高の狼といふ者の旅日記

孤高の狼といふ者の旅日記

自身3度目のブログ。昔気質な性格故に、雲の流れの様に身を任せる事が中々できないのがもどかしくも、そんな己が心身の鍛錬と共に、思う事、起こった事を淡々と綴る。全てを捨てた漢の流離いの先にある心の美醜とは!?

今宵からは大雨の予報という日。

また、何処かで豪雨災害がおこらなければ良いが…と願うと同時に、全国各地で起きている水不足が解消されることにも期待する自分がいる。


昨日までの日中は、山の湧き水が入ったボトルをガブガブと飲み干すことしきり。


炎天下であろうが、わたしがやる事は自然が相手だけに、やる事が次から次へとわいてくるのだ。


そんな日々も、本人としては例年が如く「暑熱順化」の一環などと思ってるのだから、わたしの肉体は、ホンマに可哀想…と思うことも。


そんな幽体離脱ギリギリにありそうな日々でも、わたしがこの熱った大地に立ち続けられるのは…


山から尽きることなく流れてくる清らかなののお陰である。


さすがに、この水を飲むことはないものの、手や顔を洗ったり、この冷たい山水を頭からかけて我が身の火照りを鎮めるには必要十分!


その上、10箇所目のご縁となる目前の田畑にも、この透き通った水が大地を潤し続けている。


そんな風に滔々と流れる水を無制限に使える幸甚にあるのは、このわたしにとって何にも勝るご褒美のようにさえ思うのだ。


昨今の地球沸騰化などという、およそ地球上の生き物にとっては穏やかならぬ事象も、ここではそんな気配さえなし。


思えば、あと2週間で、わたしが全ての荷物を捨てて旅をした日から、ちょうど10年となる。


その10年前の今頃の自分は何を考えていたか!?


不惑を経ていたとはいえ、自然の中で逞しく生きることが出来るという自信はなかったし、今日に至るような穏やかなる精神の日々など脳裏には微塵もなかったもの。


それでも、あの播磨灘を眺めながら、いつの日にか清らかな水を愛で続けられるような時を迎えたいと思っていたのは事実。


それが、今では色々な意味から、まるで自分の為に整えられているのでは!?と錯覚しそうな程の環境にある。


だが、この環境は自分の欲を満たす為にあるとは全く思っていない。


ホンの僅かな自分という人間の生だが、その間だけでも、そしてこの地だけでも後世の者たちに、美しい自然との付き合い方を知ってもらいたいのが本音である。


この地域を広くみると、伝統工芸品の産地という歴史柄、かけ引き上手な商人としての精神も垣間みるが、わたし自身はそこにまみれる事はない。


それどころか、そんな中にあっても己が思いを貫くのみとは、この風来坊の最大の拙さにして、矜持でもある。


情けは人の為ならずというが、自分自身の今を思うと、巡りめぐって人以上に、この母なる大地から最大の恩恵をうけているのではとさえ思う。


空気、水、食(材)は、我々人間が生きる上で鍵になるもの。


ならば、それを踏まえて己が道を探せば良い…とは、人生の選択における極論とも言える気も。


そんな視点からすると、昨今の限界集落や過疎集落が増えていることは、わたしのような者にとっては選択肢が沢山あるように映る。


あとは、この地もリンゴやミカンなどが好きなだけ食べられるような地だったら最高なんだが…


そんな自分の淡い思いも、この9年の滞在中に植えてきた果樹が実ってきたことで、住めば都へと変わりつつある。


それも、その基には

清らかなる「空気(空間)」があり、

清らかなる「水」があることで、

清らかなる「食材」を生む。


それが「母」なる大地の恩恵だということ。


その上、わたしの場合は福井の「母」もおられるとあらば、旅の頃に抱いていた桃源郷とまではいかずとも、そのように感じられるのは当然のことなのかも!?


そんな旅の終わりも、いつかは必ずやってくる。


だからこそ、暑かろうが寒かろうが、矢が降ろうが、雨風であろうが、日々汗をかくことを惜しまないのだ。


これぞ、水五訓の五番目の

洋々として大洋を充たし発しては蒸気となり雲となり雨となり雪と変じ霰と化し凝しては玲瓏たる鏡となりたえるも其性を失はざるは水なり」

でしょうか!?


たかが水、されど水です。水の清らかに身を委ね、人生に活かしていきたいものですね。


では、豪雨災害がおきないように🙏


◎オマケ

※先日、簡易版の日傘を作りましたが、暑い中、草むしりに汗をかかれておられる女将、そして草むらで寝てるレイ🐕を見て…、廃材で日除け小屋を作っちゃいました❗️



※山水が滔々と流れる通年湛水による深水栽培米作り。雑草は全く生えず、稲も順調です☺️


※どんな味の水なの?蒸し暑い今日でしたが、綺麗な山水だけにレイ🐕もゴクゴク。


※わたしが植えた枇杷も、今は3mほどの高さに。夏バテには甘酸っぱい実が堪りません。


※田んぼから流れ出てくる水が途切れないのを確認しては、眺めてしまうのが日課となっています。