A/G比とは? | 獣医とノルウェージャンフォレストキャット マリアの腎臓闘病生活

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今年で4歳を迎えた我が家の愛猫マリアについてのブログです。若くして腎臓病になった我が子にしてあげられる事を書き記していきます。獣医師として同じ境遇に置かれた猫ちゃん、又は飼い主様の心の支えになれればと思います。

前回記事(こちら)に登場したAlb(アルブミン)Glb(グロブリン)についてもう少し深く掘り下げていきます。

この二つの蛋白を割り算(Alb÷Glb)して出すA/G比というのが臨床ではよく利用されます。
このA/G比は簡単に言うとAlbとGlbのバランスを見るのに優れています
例えば、FIPの場合、Glbが上昇することが知られています。
では、Glbが高いとそれだけでまずい傾向か?というとそうではありません
このとき同時に見る必要があるのがAlbです。

Glbが高くてもAlbが高いと通常は脱水を疑います。
問題なのはGlbは高いけどAlbは高くない場合なのです。

これらをA/G比は見分けてくれます。
脱水の場合は両方高いので割り算でその高値は打ち消されA/G比問題なしとなります。
またGlbだけが高値の場合は割り算によりその異常が打ち消されることなく、通常の比率よりもA/G比は低い値を示します。

このため、2つの数値を見なくてもGlbのアンバランスな高値を知ることができるので僕たちはよくこのA/G比というものを利用します。
次はこのA/G比とFIPとの関連性についてお話ししていきますね。
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