10:香りの歴史 Ⅱ
-ヨーロッパ中世〜近代-
中世になるとアルコールの発見(イスラム)や、蛇管と蒸留器の発明により花本来の香りを抽出し保存することが可能になり、香料産業において実用化にいたりました。
-ハンガリーウォーター-
14世紀のハンガリー王妃・エリザベート1世は、晩年、手足が痛む病気を患います。
その時、フィレンツェの修道尼マリア・クレメンティネが、ローズマリーを使った痛み止めを献上したところ、状態がみるみるよくなり、70歳を超えて、隣国のポーランドの王子に求婚されたのです。
このことから、「若返りの水」と呼ばれているのです。
【ハンガリーウォーターは】
ハンガリアン香水とも呼ばれている。
この「若返りの水」は、1370年エリザベス女王にも送られた。
そして、17世紀になった時、ペストがイギリスで大流行。
このペストは、皆も聞いたことがある腸内細菌科に属したもので、人類の歴史上最も致死率が高かった伝染病です。
その中、香水工場で働いていた人々は、かかりにくかったのです。
香水の成分が、感染源を除去していたと言われています。