10:香りの歴史 Ⅰ
人はいつからどのように “香り” を利用するようになったのでしょうか。
そして、どのように人々に効果をもたらしていたのでしょうか。
ここで、香りの歴史についてのお話です。
-エジプト-
紀元前3000年頃のエジプトでは、香りは神への捧げものとして用いられてきました。
薫香は、悪魔祓いに使われたり、治療にも使われました。
ラテン語の“Perfume(芳香)”は、“Perthogh(〜を通す)”と、“Tosmoke(煙を出す)”からきています。
このことからも、香りの起源が、木や葉などを燃やして空に立ち昇った煙とともにかいだ薫香だということがわかります。
エジプトでは、ミイラ作りにも精油が使われました。
-クレオパトラ-
絶世の美女と言われたクレオパトラ(古代エジプト・プトレマイオス朝最後の女王)は、美貌と知性を兼ね備えた女性でした。
シーザーやアントニウスは、そこだけに惹かれたのでしょうか。
バラが好きな彼女は厚さ46cmもの花びらを室内に敷き詰めたり、麝香(じゃこう→ムスク)、霊猫香(れいびょうこう→ツベット)を使っていたと言われています。
麝香や霊猫香のような動物性香料は、セクシーで後々まで残る香りでこれらの香りの力をうまく利用していたのでしょう。
-キリスト-
新約聖書のキリスト誕生物語の中には精油の名前が登場します。
東方の三賢人がイエス誕生の馬屋を訪ねる場面です。
三賢人は、黄金、乳香、没薬を捧げたとあります。
黄金、乳香、没薬の意味や解説は、さまざまですが、貢物として選ばれていたということです。
【三賢人とは】
イエスキリスト誕生に駆けつけて祝福したという賢者たち。
・黄金とは何を意味するかというと・・・
「偉大な商人のシンボル」
・乳香(フランキンセンスのこと)とは何を意味するかというと・・・
「偉大な預言者のシンボル」
・没薬とは何を意味するかというと・・・
「偉大な医者のシンボル」