人生、サラッと 何事も追及せず、深く考えず、疑問も持たず死ぬ前に、ああ、そうずらだったかと、初めて人生を悟るというのが理想なのかも知れない。何もかもが天界の星々が定めた運命、じたばたしたって始まらない。どうせ面白くもない人生 何を そんなに熱くなる お前は あと何年生きられると思っているのだ もう竜馬や高杉晋作の時代は過ぎ去ったというのにだ。遥か遠く宇宙の彼方まで見渡せようかという時代に。 ミズリー艦上で 小柄な重光をコーンパイプを燻らしながら横柄な態度のマッカーサーが得意げに白人同盟国の大将たちを従え椅子に座り、足を組んで待っている。あのモノクロフィルムが妙に頭に焼き付いている。重光の背筋をピーンと伸ばした毅然とした態度は立派だった。そのような勇者は もう日本の何処にもいないのだ。混沌とした宇宙のどこかにかき消え去ってしまったのだろう。古事記のように日本神話の一ぺージとして語り継がれればいい。