【映画】無力の王(1981):高樹澪の映画2作目 もう一つの横浜物語 | Bokuと映画  Chackn'sBlog

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おきにいり映画、 地元鹿児島のこと、 70年代、80年代のおもしろかったこと、 
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高樹澪さんの「モーニングムーンは粗雑に」に続くヒロイン映画2作目

 

1作目同様、横浜を舞台にその1日を描く

 

 

 

夜の映像に東映セントラルフィルムの臭いがします

 

 

「無力の王」

 

 

 

 

1981年公開 / 95分 / 日本

 

監督: 石黒健治
脚本: 渡辺千明
原作: 粕谷日出美/東條雅紀
企画: 吉田達/高畠久
撮影: 長谷川元吉
音楽: 永井龍雲
主題歌: 永井龍雲「カリフォルニア伝言」
編集: 中静達治
製作協力: イドールプロダクション
製作会社: ニッポン放送/東映セントラルフィルム
配給: 東映セントラルフィルム 
 

キャスト
高樹澪/柄沢次郎/倉淵雅也/西沢守/池田善彦/大村波彦/吉田淳/有近真澄/景山真澄/円浄順子/稲田ゆみ子/吉野みどり/沢田和美/内田裕也/根津甚八他

 

 

横浜を舞台に、日曜の午後から月曜の朝までの十七時間の間に出会った女子大生と、青年たちの出来事を描く。'80年に設けられた〈ニッポン放送青春文芸賞〉の第一回受賞作の映画化。原作は同賞受賞作、粕谷日出美の「無力の王」と同賞佳作の東像雅紀の「八月は夏の終り」を合せたもので、脚本は「十八歳、海へ」の渡辺千明、監督はこの作品がデビュー作となる石黒健治、撮影は「さらば映画の友よ インディアンサマー」の長谷川元吉がそれぞれ担当。

(moviewalkerより抜粋)

 

Wikipedia:無力の王

 

 

*****

 

 

先日配信にて「モーニングムーンは粗雑に」を鑑賞しましたところ、

 

此方の作品も見つけまして、

 

 

「無力の王」をU-NEXTで視聴 

 

 

こちらも高樹澪さんヒロインで、横浜舞台、しかも1日限りの話となっていまして、

 

シチュエーションは「モーニングムーンは~」とほぼ一緒

 

比較のつもりで鑑賞してみました。

 

 

両作の比較は後程するとして、

 

 

まずはちょっと物語を追っていきましょう

 

 

 

 

喫茶店の窓をぼんやり見ている女性(高樹澪)

 

 

 

人が通り過ぎていく。。

 

音楽は永井龍雲。

 

81年の公開作ではあるが

 

冒頭の雰囲気は70年代ぽい

 

コーヒーのお代わりをもらっていると

 

隣の男に声を掛けられる

 

 

 

 

おごってはもらうが軽くいなして店を出る

 

 

 

 

横浜は元町あたりを歩く

 

ブラブラと暇を持て余してるようだ

 

 

 

 

信号を渡っているとスーツの男(内田裕也)に声を掛けられる

 

 

 

 

一言、「やぎ座?」

 

 

女性「やぎ座。」

 

 

男は歩いていき、

 

 

女はついていく。

 

 

 

 

 

そしてベットイン。。

 

 

 

 

んなアホなww

 

 

女がシャワーを浴びると、

 

男は金を置いていなくなっていた。

 

 

また横浜をぶらぶらする女。。

 

 

 

 

するとスイミングクラブのあるプールへたどり着く

 

 

 

 

ここのコーチらや女性アルバイトらがイケメン、イケ女が揃っている

 

 

このあたりから80年代の雰囲気に一気に流れ込む

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その中の先輩に根津甚八さんがいる

 

 

女はプールサイドで転寝をしていると

 

もうスタッフは清掃に入っていた

 

 

 

 

女はスタッフの一人を遊ぼうと誘う

 

 

男は知り合いの老人の葬式に行くが

 

 

 

 

そこから夜の街へ繰り出す

 

 

 

 

 

青白い夜の街

 

 

 

 

 

 

東映セントラルフィルムの作品でよく見る夜の光だ

 

 

 

 

レストランでは

 

女はシャトームートン ロートシルトの1970年を注文する

 

 

シャガールの絵の奴

 

当時は81年とすればまだ新しいロートシルトになるが

 

当然今ではウン十万のワインである

 

 

彼女は靴を買い替えると

 

今まではいていた靴は店に「いらない」と置いていく

 

 

典型的な消費型の女だ

 

 

男はまだバイトで貧乏な身

 

 

 

 

周=柄沢次郎さん

 

いまでも活躍中の俳優さんである

 

 

女は男に「口説いてよ」というが男は口説かない

 

そのうちイラついて喧嘩になり襲ってしまうが未遂に終わる

 

 

するとスイミングクラブの仲間とばったり会い、

 

行きつけのバー「アロハ」へ皆で駆けつける

 

 

 

 

 

 

ココからは「から騒ぎ」の夜の始まり

 

 

 

ビールは80年代と言えばバドワイザーw

 

海外のビールはバドとハイネケンくらいしかなかった

 

 

ここで若者たちの人間模様が見えてくる

 

そして、

 

このキャストが非常に興味深い

 

 

 

まずこのイケメンコンビ、

 

歌っているのは後にシンガーとなる西沢守に、

 

後ろの愛シャツのイケメンは、

 

「X JAPAN」のTOSHIが洗脳騒動の時に時の人となったMASAYAさん(当時:倉渕雅也)である

 

 

 

 

そしてこの真面目そうなタレ目の彼は

 

「宇宙刑事シャイダー」の神官ポーや「仮面ライダーBLACK」のビルゲニア役だった吉田淳さん

 

 

 

 

 

この中性的な彼は今でもシンガーソングライターの有近真澄さん

 

作詞家星野哲郎さんのご長男さん

 

 

 

そしてこの店の甚八さんのお前にいるマスターの役だったのは

 

 

 

これまた活躍中の大村波彦さん

 

 

この乱痴気騒ぎの中

 

事件が勃発。

 

 

最後はまた

 

70年代ぽいラストに戻っていく

 

 

まだ70年代と80年代を行ったり来たりしているが

 

確実に80年代のポップな波が見えてきています

 

 

 

そして、「モーニングムーンは粗雑に」との違いなんですが

 

「モーニング~」は作品として見るとナンパな作品にも見えるが

 

実は下世話だった古谷一行らの先輩世代から

 

本物志向へと世代交代を意識した作品だった。

 

 

「無力の王」は、

 

まだその下世話な世界を引きずり、

 

80年代のバブルの乱痴気騒ぎが主流へなっていったのでした。

 

 

しかし、バブルは弾け飛び、

 

本物とエンタメを融合させた「アミューズ」は生き残るのでした

 

 

作品的には「無力の王」のほうがちょっとだけ良かったかな。

 

 

 

 

はい。

 

 

そんなわけで、私も東京へ来てもうすぐ丸4年経つことになります

 

また気を引き締めるためにも一つ苦行を行おうかと思っていて

 

 

次の休みに実行しようかなと思っています。

 

 

果たした時はまたこちらでお話しできたらと思っています。

 

まあ、そんな大それたことではないので

 

てか、笑える苦行ですのでお楽しみにしておいてください(^^)

 

 

 

では。