【映画】哀れなるものたち(2023):エマ・ストーン自体がアート 思考する人間の本能映画 | Bokuと映画  Chackn'sBlog

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ギリシャ出身ヨルゴス・ランティモス監督のアート感満載の映画

 

個人的にはこんな作品を撮る監督さんがもっと増えたらなと思う作品

 

 

 

「哀れなるものたち」

 

 

 

 

2024年日本公開 / 141分 / アメリカ・イギリス・アイルランド合作 R18+ (原題:Poor Things)

 

監督: ヨルゴス・ランティモス
脚本: トニー・マクナマラ
原作: アラスター・グレイ『哀れなるものたち』
製作: エド・ギニー/アンドリュー・ロウ/ヨルゴス・ランティモス/エマ・ストーン
音楽: イェルスキン・フェンドリックス
撮影: ロビー・ライアン
編集: ヨルゴス・モヴロプサリディス
製作会社: TSGエンターテインメント/エレメント・ピクチャーズ/フィルム4・プロダクションズ
配給: サーチライト・ピクチャーズ/ウォルト・ディズニー・ジャパン

キャスト
エマ・ストーン/マーク・ラファロ/ウィレム・デフォー/ラミー・ユセフ/ジェロッド・カーマイケル/クリストファー・アボット/キャスリン・ハンター/ハンナ・シグラ/マーガレット・クアリー他

 

スコットランドの作家アラスター・グレイの同名ゴシック小説を「女王陛下のお気に入り」の鬼才ヨルゴス・ランティモス監督が、再び主演にエマ・ストーンを迎えて映画化した異色ドラマ。ヴィクトリア朝時代を舞台に、天才外科医の禁断の手術によって蘇った若い女性が、冒険の旅を通じて驚くべき成長を遂げ、時代の抑圧から自らを解放していくさまを、過激かつグロテスクな描写を織り交ぜつつ奇想天外なストーリーとゴージャスな映像美で描き出していく。共演はマーク・ラファロ、ウィレム・デフォー。
 1度は死んだ若い女性ベラだったが、天才外科医ゴドウィン・バクスターの手術によって生まれたばかりの赤ん坊の心を持って生き返る。ベラはゴドウィンに見守られ、急速に成長していく。次第に自我に目覚めていくベラは、やがて弁護士のダンカンとともに未知なる世界を求めて壮大な冒険へと旅立つのだったが…。

(allcinemaより抜粋)

 

オフィシャルサイト(海外)

 

 

 

Wikipedia:哀れなるものたち

 

 

*****

 

以前から気になっていた作品でしたが、アマプラにて鑑賞しましたのでやっていきましょう

 

ギリシャの鬼才ヨルゴス・ランティモス監督のヒット作

 

エマ・ストーンの知名度と

 

このビジュアルに引き付けられ「R18」でありながらもデカい箱で公開されていました

 

 

時代背景はイギリスのヴィクトリア朝時代

 

天才外科医ゴドウィン・バクスターの家にいる

 

身体は大人だが幼児のような行動をするベラという女性の物語

 

 

ゴドウィンはベラからは「ゴッド」と呼ばれる

 

 

写真隣の機械はゴドウィンの父が実験で胃の一部を切り取ったため、

 

それを補うための機械。

 

そのため食後には大きなシャボン玉のような泡が口から出るw

 

どうやらゴドウィンの父もマッドサイエンティストだったようだ

 

 

冒頭から40分くらいはモノクロで物語が進む

 

 

よちよち歩きの幼児のような思考の彼女は外の世界に出ることが出来ない

 

しかし時に垣間見る外界には興味津々だ

 

そんなベラが性の快楽を知ってしまう

 

理性や羞恥心をまだ持たない彼女は所かまわず没頭する

 

 

そんな時に外界のプレイボーイが現れ

 

ベラを外の世界に連れ出す

 

 

プレイボーイの弁護士ダンカン・ウェダバーンにマークラファロ

 

 

彼との行為を愉しみ、外の世界へ

 

 

 

 

彼女は性の快楽の次に、哲学などの書に刺激を受けるようになる

 

彼女は色んな人たちと出会い、色々なものを目にし経験して目まぐるしく成長していく

 

 

 

 

この作品、世界観はシュールでアート的だが

 

物語の進行はいたってまともだ

 

本能のみで生きていたベラ

 

本を読み、理論的な言語で武装していく

 

物事を割り切り、

 

倫理観、道徳心も備わっていく

 

蛙を潰していた彼女が、飢えで死んでいく人らを見て号泣する

 

 

この作品で伝えたいこととは

 

「理性」や「倫理観」が「本能」より大事だと言うことではなく

 

「思考」し感じることが大事だと伝えているように思う

 

 

見たままだけではなく、

 

見て思考し感じること

 

この作品自体、

 

アート的な世界観にアート的な衣装

 

アート(芸術)こそ「人」の想い(思想)が生みだした物だ

 

 

 

主題は「人間」そのもの(哀れなるものたち)を描いているが

 

演出面では非常にコミカルでコメディチックに撮られている

 

「人間」をコメディチックに描いているという点では

 

松本人志の思考に似ているかもしれない(笑いに関してだけ)

 

前半のエマストーンにウィレムデフォーの絡みや

 

中盤のマークラファロの哀れさ

 

「ごっつええ感じ」のコントに似通うところがある

 

 

そして性行為シーンをコミカルに撮っているのは

 

大林宣彦監督の「SADA〜戯作・阿部定の生涯」(1998)と似ている

 

コミカル度合いは違うがコミカルなのは一緒

 

このコミカルな性行為ってのにはきっと元ネタがあるはずだが、今は解らない

 

 

今作では世界観が独特ではあるが

 

演出面はアート的で

 

めちゃくちゃお金がかかった大林宣彦作品を観ているようで

 

非常に楽しく観ることが出来ました。

 

絵的なシュール感、アート感はあるが

 

物語は不条理さはさほどなく解りやすいのでね

 

 

ちょっと他の監督作品も

 

観てみよかなと思いましたよ。

 

 

 

あ、

 

 

明日は映画館へ行こうかなと思っております

 

 

そんときゃまたここで。

 

 

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