【映画】市子(2023) :市子の境遇に感情移入しすぎて製作スタッフにダメ出ししたいほどなんだが | Bokuと映画  Chackn'sBlog

Bokuと映画  Chackn'sBlog

おきにいり映画、 地元鹿児島のこと、 70年代、80年代のおもしろかったこと、 
趣味の話、 最近の出来事など。。

戸田彬弘監督の戸籍のない女性をめぐるミステリー風人間ドラマ

 

主人公、市子を杉咲花さんが演じ日本アカデミー賞最優秀女優賞を受賞する

 

 

アマプラにて鑑賞

 

 

「市子」

 

 

 

2023年公開 / 126分 / 日本 (米題:ICHIKO)

 

監督: 戸田彬弘
脚本: 上村奈帆/戸田彬弘
原作: 戯曲「川辺市子のために」(戸田彬弘)
音楽: 茂野雅道
撮影: 春木康輔
編集: 戸田彬弘
制作会社: basil
制作協力: チーズfilm
製作: 映画「市子」製作委員会
製作幹事/配給: ハピネットファントム・スタジオ

キャスト
杉咲花/若葉竜也/森永悠希/倉悠貴/中田青渚/石川瑠華/大浦千佳/渡辺大知/宇野祥平/中村ゆり他

 

「名前」「13月の女の子」の戸田彬弘監督が、自身の手がけた舞台『川辺市⼦のために』を映画化したヒューマン・ミステリー。主演は「湯を沸かすほどの熱い愛」「青くて痛くて脆い」の杉咲花。共演に若葉竜也、渡辺大知、宇野祥平、中村ゆり。長谷川義則は3年間一緒に暮らしてきた恋人の川辺市子に、ちゃんと婚姻届けも用意してプロポーズをする。その時は嬉しそうにしていた市子だったが、翌日、彼女は突然姿を消してしまう。やがて、途方に暮れていた彼のもとを、一人の刑事が訪れる。そして長谷川は、市子のことを全く知らなかったと思い知らされる。こうして市子の過去を知る人々を訪ねまわり、話を聞いていく長谷川は、少しずつ彼女が生きてきた壮絶な半生を知っていくのだったが…。(allcinemaより抜粋)

 

オフィシャルサイト

 

 

 

Wikipedia:市子

 

 

*****

 

 

どーもです。

 

 

こちらも評判よいようでしたのでアマプラにて早速鑑賞してみました。

 

 

 

 

** 今日もネタバレとなると思われますので未見の方はご了承をば **

 

 

 

 

 

物語は市子に同棲中の彼からプロポーズされた翌日に

 

失踪してしまうところから物語が始まり、

 

彼女の過去がわかってくるという内容

 

 

 

 

彼女を知る上での主要な過去の記憶も映像として見せてくれる

 

 

その失踪した彼女、市子には戸籍が無かった

 

 

 

 

市子を演じるのは杉咲花

 

彼女は子役の頃から演技力の高い女優さんのイメージがある

 

この作品でも主演女優賞も納得の演技を見せていると思う

 

 

色んな顔を見せる市子

 

素の語り口調は花さんのいつもの口調にも似ているようにも感じる

 

どこか影があるが急に爆発するほどの感情を表す

 

 

蒸発した市子を探す彼氏長谷川役は若葉竜也

 

 

彼もなかなかの熱演だ

 

 

もう一人、

 

学生の頃から市子に思いを寄せる男、北=森永悠希

 

 

 

 

彼の演技はちょいとクドイなと感じていると

 

 

どうやらこの作品の元ネタは演劇だったようで

 

自ら主宰する劇団チーズの旗揚げ公演の演目のようだ

 

 

それもあり、ちょっと演劇ぽいクセの強い演技が目に入る

 

そして演劇は「演技」を見せるのが主要な芸術と私は思っており

 

脚本は少し曖昧でも演技で押し通すところがあるように思う

 

 

そんなところで本作は脚本に粗が目立つ

 

 

 

※(ここからは苦言が記載されていますので、

 

この作品が好きな方は見ないほうがよろしいかもしれません(汗)

 

 

 

アラ探しをするつもりはないが

 

重要な部分が曖昧過ぎる為

 

作品自体に芯がないような感じになる

 

重要な部分というのは

 

 

何故、

 

市子に戸籍が出来なかったか

 

母親がうやむやにしたのだろうと、

 

勝手に刑事たちが言ったそれだけで

 

母の証言も聞けない

 

何故戸籍を取らなかったのかという

 

この物語の核を曖昧のままに語られてもと思ってしまうし、

 

ここをフワっとしたままと、市子の生まれたときの境遇がわかるのとは

 

物語自体と言うか

 

市子の存在自体が輪郭がフワっとしたままになってしまっている

 

もしかするとそれを狙ってのことかもしれないが

 

そうなると市子が「私は市子だ」と主張する意味もなくなってしまう。

 

 

 

「そもそも話」を言うのは嫌いなんだが、

 

刑事は何故、戸籍もない市子を探しに元カレの家までたどり着いたのか

 

これも謎だ

 

何故、母のところには刑事は実の子が死んでるのに行かないのか

 

非常にご都合主義だ。

(ご都合主義が悪いとは言ってない)

 

 

も一つ

 

 

物語の終盤に車の転落事故があったのに、

 

刑事に知らせが来る前に何故ニュースにでるのか。

 

男性の方も身元は少なからずとも判るはずだ。

 

男性の身元がわかればすぐに担当の刑事に知らせがあるはずだ

(まあこれくらいはどうでもよいw)

 

 

またそもそもだが、、

 

 

そもそも市子は「市子」として生きたいのではないのか

 

彼女は市子を捨てて他の女性としてこれから暮らすのか。。

 

 

彼女の境遇に花さんの熱演もあり、

 

感情移入しているのに

 

この辛い事ばかりだった彼女を

 

スタッフさんらが映画の場合は導いてくれなきゃ

 

誰がこの先、手を差し伸べてくれるんでしょうか

 

 

なんて、

 

 

「おしんちゃんをいじめるな!」

 

と、NHKに苦情を入れていた当時のおばさんみたくなっちゃいましたがw

 

 

映画は

 

その映し出された人の、その先の人生も

 

考えさせてくれるのが映画なわけで

 

エンドロールの後が

 

あの終わり方じゃ悪い方向の予想しか立たないし、

 

ふんわりした感じで終わらせているのかもしれないが

 

先を感じさせないと物語の余韻が残らない

 

そのあたりも演劇ぽいのかもしれない

 

映画は

 

エンドロールがフィナーレとなり、

 

カーテンコールでご挨拶ではないのだ。

 

 

どうか長谷川君がずっと探していてくれてて

 

いつか見つけてくれて、

 

ちゃんと堂々と「市子」として長谷川君とともに生きる人生を

 

 

迎えてほしいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなわけで、

 

 

苦言が多い感じになっちゃいましたが

 

けして嫌いな作品ではないです

 

役者さんたちの熱量で

 

良い作品になっていると思います。

 

 

では。