せかいのおきく(2023) :モノクロ映像が往年の日本映画を彷彿させる良作だが90分は短いかな | Bokuと映画  Chackn'sBlog

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おきにいり映画、 地元鹿児島のこと、 70年代、80年代のおもしろかったこと、 
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江戸時代の長屋が舞台の阪本順治監督作品

 

主演黒木華さんの和服のもっちり感が良い。

 

 

 

 

トイレには女神様がおるんやで

 

 

 

「せかいのおきく」

 

 

 

 

2023年公開 / 90分 / 日本 (米題:Okiku and the world)

 

監督/脚本: 阪本順治
製作: 近藤純代
製作総指揮: 原田満生
音楽: 安川午朗
撮影: 笠松則通
編集: 早野亮
制作会社: ACCA
製作会社: FANTASIA Inc./YOIHI PROJECT
配給    東京テアトル/U-NEXT/リトルモア

キャスト
黒木華/寛一郎/池松壮亮/眞木蔵人/佐藤浩市/石橋蓮司他

 

阪本順治が、先進的な循環型社会を実現していた江戸時代を舞台に、オリジナル脚本で贈るモノクロ時代劇。江戸末期を舞台に、貧乏長屋で暮らす、声を失った武家育ちの娘おきくと、社会の最下層で人々の糞尿を売り買いして生きる青年・中次と矢亮の青春物語。出演は「映画 イチケイのカラス」の黒木華、「ホテルアイリス」の寛一郎、「シン・仮面ライダー」の池松壮亮。美術監督として活躍してきた原田満生が発起人となり、気鋭の日本映画製作チームと世界の自然科学研究者が連携し、様々な時代の“良い日”に生きる人々の物語を映画で伝える“YOIHI PROJECT”の劇場映画第1弾。(moviewalkerより抜粋)

 

Wikipedia:せかいのおきく

 

*****

 

 

まず最初に、

 

 

北陸地方能登半島地震の被災地の皆さまは今まさに大変でしょうがご無事をお祈りいたします

 

そしてその被災地に物資を運ぶ飛行機による事故が起きてしまいました。

 

激動の年明けになりましたが皆で乗り切りましょう

 

 

 

それでは記事を進めていきたいと思います。

 

 

今作はU-NEXTの配信の方で上がってきており

 

配信に記載のある「見どころ」と「ストーリー」だけ読みレビューのほうも評価もよさそうでしたので、

 

いつもの如く何も入れないで鑑賞。

 

いきなりの序章のタイトルについおののく。

 

 

ちなみに配信の欄にはこう記してありました。。

 

見どころ
厳しい現実にくじけそうになりながらも心を通わせることを諦めない若者たちの姿を墨絵のように美しいモノクロ映像で描く。寛一郎、池松壮亮、佐藤浩市ら個性派俳優が共演。
ストーリー
武家育ちのおきくは寺子屋で子供たちに読み書きを教えながら、父と2人で貧乏長屋に暮らしていた。ある雨の日、彼女は紙くず拾いの中次と下肥買いの矢亮と出会う。辛い人生を懸命に生きる3人は次第に心を通わせていくが、おきくは悲惨な事件に巻き込まれ…。

 

それがいきなり「うん〇」の話しからスタートとはしらずw

 

「バビロン」といい冒頭「〇んち」から始まるのは最近の映画の流行りなのかねw

 

なんて思っちゃいました。

 

作品は7つの章に序章、終章合わせ9つの物語から成っている

 

流れはこんな感じです

 

序章 江戸のうんこはいずこへ

一章 むてきのおきく

二章 むねんのおきく

三章 恋せよおきく

四章 ばかとばか

五章 ばかなおきく

六章 そして舟はゆく

七章 せかいのおきく

終章 おきくのせかい

 

つまりは「おきくさん」の物語になっています

 

 

 

 

演じるのは黒木華さん

 

武家の娘だったが、都落ちし父、源兵衛=佐藤浩市と長屋へ引っ越してきた

 

 

序章では雨の日にある青年2人との出会いから始まる

 

 

 

 

下肥の買取屋と紙くず拾い屋

 

下肥はいわば汲み取り業

 

江戸の便所の排せつ物を亀有の畑の肥料として運ぶのを生業としている

 

紙くず屋は使用した紙を紙屋に持っていき再生紙として使う

 

江戸時代にはこのような回収業やリサイクル業はたくさんあったらしい

 

日本にある「勿体ない」の表れの仕事だ

 

紙くず屋の男、中次=寛一郎は

 

汲み取り屋の矢亮=池松壮亮と一緒に汲み取り屋を始める

 

 

 

 

 

この桶で運ぶというのは

 

実は昭和の頃までやってたという

 

 

現に田舎では桶ですくい、裏の畑に肥料として使うものだった

(かろうじて私の記憶にも残っている)

 

また作中の桶や小道具は

 

使い古しの物や古木を使用していたらしい

 

 

どうりでおきくさんの家の物などはみょうに味がある

 

 

このくりぬきの火鉢なんてのも非常に良い

 

 

この「う〇ち」の話が半分で

 

残り半分はおきくさんの恋バナとなっている

 

 

 

 

 

華さんのお着物姿が実に可愛らしく

 

後ろ姿は当時の写真かと思わせるほどのリアル感

 

 

 

 

うなじのラインも美しい

 

 

 

この見返りの姿もかなり意識して振り向いていると感じます

 

結構このシーンは所作を大事に撮っているシーンです。

 

 

 

とてもいい題材と

 

良いキャストが揃っているだけに

 

90分は短かったかな

 

もう少し、3人のことを深く知りたいし

 

江戸の生活のことを見たかったかな

 

 

往年の日本映画を思い出させる作品ではあるが

 

昔の日本映画ならもうふた山くらい物語に山場があったように感じます

 

 

黒澤映画でいうならば

 

「赤ひげ」(185分)ほど長くなくとも

 

「どん底」(124分)くらいのボリュームが欲しいところです

 

 

まーゆーてもしょうがありませんので

 

 

この辺で。