BABYLON / バビロン(2022) | Bokuと映画  Chackn'sBlog

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「ラ・ラ・ランド」「ファースト・マン」のデイミアン・チャゼル監督の1920年代のハリウッドを描いた大作映画

 

マーゴット・ロビー版「ブラック・ブック」と言いましょうか、彼女にとっても過酷な撮影だったかもしれないが・・

 

 

後半に考察・ネタバレ有りになりますのでご了承をば。

 

 

「バビロン」

 

 

 

 

2023年日本公開 / 185分 / アメリカ R15+ (原題:Babylon)

 

監督    デイミアン・チャゼル
脚本    デイミアン・チャゼル
製作    オリヴィア・ハミルトン/マーク・プラット/マット・プルーフ
音楽    ジャスティン・ハーウィッツ
撮影    リヌス・サンドグレン
編集    トム・クロス
製作会社    マーク・プラット・プロダクションズ/マテリアル・ピクチャーズ
配給    パラマウント・ピクチャーズ/東和ピクチャーズ

キャスト
ブラッド・ピット/マーゴット・ロビー/ディエゴ・カルバ/ジーン・スマート/ジョヴァン・アデポ/リー・ジュン・リー/トビー・マグワイア/オリヴィア・ハミルトン/エリック・ロバーツ他

 

「セッション」「ラ・ラ・ランド」のデイミアン・チャゼル監督がブラッド・ピットとマーゴット・ロビーを主演に迎え、ハリウッド黄金時代を絢爛豪華に再現した群像ドラマ。無声映画からトーキーに移行する変革期のハリウッドを舞台に、それぞれに夢を追い求めて映画製作に携わる男女が、時代の大きな波に翻弄されながら駆け抜ける激動と狂乱の日々を、実在のエピソードをベースに圧倒的スケールで描き出す。共演にTV「アンストッパブル・ガールズ」のディエゴ・カルバ。
 映画産業が急成長する中、量産されるサイレント映画が莫大な富を生み出していた1920年代のハリウッド。毎晩のように開かれる豪華なパーティの主役は、サイレント映画の大スター、ジャック・コンラッド。そんな贅を尽くした規格外のパーティに潜り込んだのは、映画スターを夢見る怖いもの知らずの新進女優のネリー。彼女はそこで映画製作を夢見るメキシコ移民の青年マニーと出会い意気投合。ネリーが映画関係者の目に留まりハリウッドデビューのチャンスを掴む一方、マニーもジャックに気に入られ、彼の助手に抜擢され、晴れて憧れの世界に足を踏み入れていくのだったが…。(allcinemaより抜粋)

 

オフィシャルサイト

 

 

 

Wikipedia:バビロン

 

*****

 

本日はこちら。

 

 

チャゼル監督の大作でブラッドピットにマーゴットロビー出演なんてもう

 

映画館でも観たかったのですが、

 

長そうというのといつの間にか終わっていたので見る機会を失っていました。

 

 

それで配信にて鑑賞

 

 

主人公はマニートレス=ディエゴ・カルバ

 

 

 

映画アシスタントとして現場に入ることを夢見ているが今は雑用係(大道具さんのような感じ)

 

冒頭、象さんの現場入りに四苦八苦する

 

で、いきなり脱糞ありw

 

しかし動物園で見る〇〇コとは違う

 

「エブエブ」に続きお下劣映画かいなと、少し不安がよぎるが

 

さすがは鬼才、免疫を付けつつ低俗な金と欲とドラッグにまみれた業界を映し出す

 

 

夜のパーティで動き回るマニー

 

重役プロデューサーに「現場に入りたい」と告げるが、

 

返事は「身をわきまえろ」だった

 

 

彼はメキシコ人だった

 

 

だが彼をスター俳優だったジャック・コンラッド=ブラッドピットが気に入り、現場に入れるようになる

 

 

 

 

 

 

サイレント時代のスター、ジョン・ギルバートがモデルと言われている

 

ジョンギルバートはアルコール中毒で38歳の若さで亡くなっているが

 

劇中でもジャックは酒ばかり飲んでいる

 

ジャックニコルソンやマーロンブランドのような風格が出てきている印象がある

 

 

 

 

そのパーティに忍び込んだ女優志願のネリー・ラロイ=マーゴット・ロビー

 

 

 

 

ドラッグ好きのあばずれだが天性の明るさと華やかさで次の日に代役で現場に呼ばれる

 

彼女もモデルがいる

 

こちらもサイレント時代の女優クララ・ボウ

 

境遇や母が精神疾患であることなど共通点が多いが、

 

彼女はまだモデルがいるとのことだ。

 

 

まさにこのパーティで華やかな世界を見せている

 

全裸で踊り狂い、交わう者もいるが、

 

席に座り、ショーを見るシーンではそんな連中はいなくなるので

 

全裸の連中はパーティの演出の一環であろうか。

 

 

パーティが終わり朝を迎えるとそこは薄暗いマンションの一室

 

日常との落差を見せる。

 

 

ネリー(マーゴット)は踊り子の役で撮影現場へ

 

 

マニー(ディエゴ・カルバ)はジャック(ブラピ)と現場へ向かう

 

ジャックはマニーに言う

 

「現場は世界で最も魔法に満ちた場所だ」

 

マニーはこう言う

 

「そう聞いている」

 

 

ネリーは「泣き」の演技が認められ注目されていく

 

 

 

 

マニーも信用を勝ち得ていく

 

 

しかし、

 

トーキー(発声)映画が主流になっていくにつれ

 

彼らにも変化が生じていく。。

 

 

サイレント時代には身体で表現していた芝居が

 

トーキーになり声でも演じなきゃいけなくなる

 

 

時代について行けなくなり皆バラバラになる。。

 

 

 

マニーは街のギャングに追われ、

 

ロスから逃げていたが、

 

1950年代に入り、嫁と娘も出来、20年ぶりにハリウッドに来ていた。。

 

 

彼は懐かしそうに外からスタジオを見る。

 

そして一人、映画館へと入る

 

 

 

 

封切られていたのは

 

 

 

「雨に唄えば」(1952)

 

 

 

 

 

ジーンケリーのクソ有名なミュージカル映画

 

 

この物語も

 

サイレントからトーキーの変革の時代を扱った映画だった

 

 

彼は昔のこととダブり涙する

 

 

この作品は「雨に唄えば」のオマージュといえるシーンが何度も出てくる

 

ブラピが「アイラブユー」を連呼し笑われるシーン、

 

発音の練習のシーン、

 

トーキーの撮影の苦労、

 

サイレントの撮影風景などが被る

 

 

「ジャズ・シンガー」(1927)

(世界初のトーキー映画)

 

も両作とも出てくる

 

 

「バビロン」は

 

「雨に唄えば」のミュージカルで生き延びたジーンケリーではなく

 

甲高い悪声の持ち主だったリナ=ジーンヘイゲンの立場の人々の物語だ。

 

 

ラストにこれまでの映画の革命的な作品がフラッシュバックでインサートされる

 

それとともにカラーの3原色が映る

 

映画の作品は49作がインサートされているらしい

 

 

 

 

ここまでしなくても

 

「雨に唄えば」だけじっくり名シーンを見せてくれた方が感動的であったが

 

それだと「ニューシネマパラダイス」とまんま同じになってしまうので

 

 

結果「映画」は移り変わって進化し続けるという締め方にしたのかもしれない

 

劇中ジーンスマート演じるジャーナリストが言った言葉、

 

「映画」という「家」があり「人」が住んでいる

 

そこには「ゴキブリ」も済んでいる

 

家が焼けると逃げ遅れて死ぬ「人」がいるが「ゴキブリ」は生き延びる

 

そうして次の「家」(映画)へ移っていく

 

人も一緒だ

 

生き延びた「人」は次の「家」へ

 

「家」(映画)も進化していく

 

 

チャゼル監督の作品は「セッション」しかり、「ララランド」しかり、

 

幸せのあと一歩のところで幸せに届かないところで終わる

 

あともう少し手を伸ばせばハッピーに終われそうなところで一歩が届かない

 

それはどこか「寅さん」に似た

 

人間賛歌のようにも感じる。

 

 

3時間ある長尺の大作ではありましたが

 

時間は長く感じさせない

 

逆に短いカット割りに大量のセリフなど

 

テンポも速いくらいに感じる

 

 

音楽も「セッション」「ラ・ラ・ランド」と同じくジャスティン・ハーウィッツが担当

 

今回の音楽もなかなか良い

 

 

 

一つ、観る前に

 

 

「雨に唄えば」を観ていることが

 

面白さは倍増するかもしれません。。

 

 

それも「雨に唄えば」がオマージュされていることを知らずに

 

昔観ていたままとかならなおさら楽しめること間違いありません

 

 

というわけですのでホントは「雨に唄えば」の記事でも観返してやりたいとこですが、、

 

ちょっと間をおいてやりましょう(^^)

 

 

楽しいミュージカルという記憶しかありませんが

 

また今観ると評価も違うかもしれませんね。

 

 

 

次回は他の作品にします。

 

 

では(^^)