経済政策の舵取りが難しくなる中でも、日本の財政破綻論だけはデタラメであることはわかってほしい | 中小企業診断士らっきんのブログ

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中小企業診断士らっきんが日本経済復活のための提言、中小企業診断士試験を分析、評論をします。意見等→rsv00104@yahoo.co.jp

久しぶりの更新となります。

ここ最近の日本経済の動向をみると、今までとは様相が異なってかなり複雑な問題を抱えてしまったという印象が強いですね。円安やエネルギー、原材料費の上昇を背景とした著しい物価高に対して賃金の伸びが全く追いつかず、庶民の生活は苦しくなるばかり。経済学用語で一言で言えば、いわゆるスタグフレーション※が深刻に進行していると言えるのではないでしょうか。

 

※不況にもかかわらず、世の中のモノやサービスの価格(物価)が全体的に継続して上昇すること。英語表記「stagflation」の日本語読みで、「stagnation(景気停滞)」と「inflation(インフレーション)」の合成語です。通常、不況時は需要が落ち込むことからデフレとなりますが、原油など原材料価格の高騰などにより、不況にもかかわらず物価が上昇することがあり、こうした状態が「スタグフレーション」です。不況で賃金が上がらないにもかかわらず、物価が上昇するという厳しい経済状態で、1970年代のオイルショック後に日本はこうした状態となっていました。https://www.smd-am.co.jp/glossary/YST2300/

 

昨年までなら、物価高が問題であったと言え、依然需要不足を解消するための財政政策が必要不可欠であるという認識でおりましたが、ここまで現状のような深刻なスタグフレーションが進行してしまうと、従来のように、「とにかく財政出動、金融緩和を実行すべき」と主張することもできないと認識しております。特に、金融緩和については、利上げ等、金融緩和の縮小が進むにつれて円高方向に進むと誰もが予想していたにもかかわらず、歴史的な円安に見舞われれる事態になっていることを踏まえると、「アベノミクスの継続で、金融緩和しろ」とは安々と言えないですね。

それはそれとして、昨年の年末に2024年は円高になるとしたり顔で予想していたエコノミストは今頃、息をしているのでしょうかね。

 

まー、為替は投機的なお金の動きで劇的に変化するものなので、予想が大外れでもそこまで批判はしませんが、経済の専門家と言われる人の予想は大外れすることは普通にあることを庶民としては、しっかり頭に入れておく必要があるのではないでしょうか。

このような複雑な環境の中で、適確に経済政策の提言をしてくれている下記のレポートですかね。紹介しておきましょう。

 

 

ただし、財政政策については、最近の物価上昇がスタグフレーション、つまりコストプッシュインフレーションによって生じていることが明らかである以上、庶民の生活苦を助ける積極財政の必要性はいささかも変わらないのは、声を大にして主張したい。ですから、経済政策の舵取りが難しくなったとはいえ、財政出動を妨げるデタラメ日本財政破綻論は徹底的に否定したいと思う。

で、相変わらずの荒唐無稽な日本財政破綻論を振りまいている典型が下記の記事です。物価高による貧困化の問題については適確に言っているのにもかかわらず、財政問題については、「もう勘弁してください」と叫びたくなるぐらいのデタラメさ。個人的にはあきれるばかりですが、このような記事に感化されて、日本は財政破綻するというファンタジーにはまってしまう人が一定数いるでしょうから、著者は罪深いと言えます。

 

下記の部分がひどいデタラメですね。

 

「日本は、国債と借入金現在高が1200兆円以上という借金大国です。しかも現状では、国は、借金を借金で返している詐欺のような資金繰りをしています。この巨額の借金を処理できないことが激しい円安を招いている一因。国の借金が膨らみすぎれば、どこかで市場の信用が失われ、国債と円が暴落し、モノの値段が高騰する、ハイパーインフレが懸念されます」

 

 

次回は、このひどいデタラメをロジカルに解明していきたいと思います。