国の借金過去最高がどうした? | 中小企業診断士らっきんのブログ

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先日、毎年、恒例の国の借金問題の最新情報の報道がなされた。

 

 

 

 

 

このブログでは、国の借金問題のおかしさを訴えることをメインテーマにしていることから、

「借金が過去最大!!」、「一人あたり1000万円の借金!!」と言われても「それでどうしたの」と感じる人ばかりだとは思いますが、

改めて、国の借金報道の何がおかしいかをロジカルな分析的視点で検証していきましょう。

ポイントは①キーワードとなる国の借金を定義すること、②借金が過去最大となることは本当に問題なのかという視点、更には問題の深刻度合いを測るために、比較対象として海外諸外国との比較の視点を軸にすることで客観的に日本の財政問題がわかるのではないかと考えます。

 

①まずは、国の借金ですが、英訳すると、national debtとなります。で、national debtとは何かということですが、以下のとおり、(個人・企業体・行政の小部門の負債と区別して)中央政府の負債を意味することになるわけです。簡単に言うと、政府の借金というわけすね。

https://www.ei-navi.jp/dictionary/content/national%2Bdebt/#google_vignette

 

 政府の借金であることを明確に意識すれば、記事に記載されている「国民1人当たりの借金は約1025万円となる。」の部分は言葉の誤りであり、

 正確には「国民1人当たりの政府の借金は約1025万円となる。」であり、となると1人あたりの借金額を強調し、1人1人が借金背負っているよう

 な表現にしていることについては、誰でも違和感を感じるのではないでしょうか。政府の借金なのになぜに我々が国民が返済していかなければならな

 いのかと。

 

 ②借金が過去最大となっているなら、誰もが「やべえな」と危機感を感じるかもしれませんが、ここは冷静になって借金が過去最大となることの深刻度を客観的に考える必要がありそうです。客観的に国の状況を見るため、国際比較を行っていきましょう。要は毎年、過去最大となっている国がどれくらいあって、もし、日本のみが過去最大を更新し続けているのであれば、問題は深刻と言えるのではないでしょうか。

というわけで、国際比較の統計を引用してみると、

 

 

いかかでしょうか?どう見ても日本はそれほど増加していないことがわかりますね。

と言いますか、借金過去最大を更新し続けることが深刻な問題であるならば、約25年で6倍に増加したイギリス

は国家滅亡の危機に直面していてもおかしくないはず。でも、実際、イギリスはどう見ても先進国の一角として

世界経済を引っ張っていますよね。

ですから、国の借金が過去最大を更新するのは特段問題ではないことは明らかです。

 

以上、国の借金は政府の借金であるから、国民1人あたり借金を背負っているということではないといういこと、国の借金は過去最大を更新するのは

特段問題ないことがわかりました。ここまでは明々白々になったところで、日頃から「日本の財政状況は厳しい」と深刻な面持ちで言っている所謂財政健全派の皆さんからは、「借金のGDP比250%は世界最悪なのが問題なんだよ。だから、財政健全化は極めて重要。」としたり顔で言われそうですが、自分なら、「国の借金は増え続けるもの。借金のGDP比が問題なのは、分母のGDPが全く伸びていないのが問題なのでは?」と更問します。財政健全派の皆さんはどのように回答するのでしょうかね。