「人材派遣大手 人事労務 代行広げる」(1/19日経)~BPOも日本回帰の動きが出てきています~ | ものづくり企業の人事総務をワンストップで専門サポートするインディペンデント・コントラクター(IC独立業務請負人)が日頃思うこと

ものづくり企業の人事総務をワンストップで専門サポートするインディペンデント・コントラクター(IC独立業務請負人)が日頃思うこと

大手自動車会社での30年の人事総務経験を経て,2014年にIC・行政書士として独立しました。グローバル化進展の中、業務のアウトソーシング化など荒波にさらされつつある人事総務部ですが、企業活動を支える総務系業務の重要性・専門性など日頃思うところを語ります

独立人事総務業務請負人(人事総務IC)の木村勝です。

2015/1/19の日経朝刊に「人事派遣大手~人事労務 代行広げる~」という記事が出ていました。

当方、自動車メーカーの人事部門が分社化したインハウスのシェアードサービス会社で人事総務を担当しておりましたので、この記事には興味を持ちました。

意外な感じがしたのは、紹介されていた企業がマンパワー、パソナ、アデコといった人材派遣会社大手であったことです。

BPO(ビジネスアウトソーシシング)といえば、中国、インドなどのオペレーションセンターを最大限に活用し、グローバルレベルでサービス提供を行うGenpact、IBM、アクセンチュアといった企業が頭に浮かびます。

以前は派遣と請負で業務領域の棲み分け?があった感じがありますが、前の国会で流れた派遣法改正動向なども踏まえて、BPOの領域に人材派遣会社も本格的に踏み入れてくるようです(以前から年金業務の一括受託などは行っていましたが)

人材派遣会社は、派遣という領域で企業各社の人事部門と接点がありますし、登録社員の中にも人事業務に適応可能なスキルを持った人材も豊富だと思われますので、中国等の労務費コスト上昇などの要因も相まって、以前からのBPOグローバル大手企業といい勝負ができるかもしれません。

記事中にも紹介されていましたが、採用活動時期の後ろ倒しによる採用活動時期の短縮対応など企業側もこうした短期集中業務に対して業務請負を活用するニーズは今後も強いと思われます。

単なるデータインプットなどの単純作業に留まらず、従来日本企業の人事部が内製で担当していた人事業務も今後は外出しの流れが加速されてくると思います。

「まとまって外出し可能な業務は日本の拠点で一括して受託する」、その一方で「一括外出しの難しい業務や委託元での指揮命令が必要な業務については、従来の人材派遣で対応する」など、客先ニーズに細かく対応したサービス提供が可能になってくるかと思います。


パソナグループは、日系企業の米国法人向けの専門部門「USデスク」を日本に新設し、日米両拠点で対応可能にするとのことです。

労務費コストの安い拠点で業務を移管し、国間の労務費コスト差でメリットを出していくというモデルが従来の中心的なスキームでしたが、今後は客先に近いニアショアで、きめ細かい人事労務サービスを顧客に提供するというパターン多くなってくるかと思います。

昨年10月には当方も「アクセンチュア、業務代行拠点を熊本に開設」という記事を書きましたが、BPO業界の今後の動向、注視していきたいと思います。