独立人事業務請負人(人事IC)の木村勝です。
2014年6月24日朝日新聞朝刊に「働きたいがん患者に支援を」という小さな囲み記事が掲載されていました。
この報告書ですが、2012年6月閣議決定された「がん対策推進基本計画」の目標に「がんになっても安心して暮らせる社会の構築」が新たに加えられたこと等を受け、今年の2月から概ね月1回開催されている「がん患者・経験者の就労支援のあり方に関する検討会」によるものです。
6月23日の会議は5回目の会議だと思いますが、夏ころには報告書を取りまとめる計画で進んでいます。
この報告書の中での提言として、「働きたいと思っているがん患者に、医師が仕事を辞めないように助言すること」を提言しています。
医療の進歩によりがんの5年生存率は6割近くあるにもかかわらず、患者の3割が仕事を辞める実態を受けての提言ということです。
以前ここのブログでも、「会社員で発症増える」という記事を書いたことがありますが、がん発症は男性の場合、55歳以降に急増するということですので、今後の65歳雇用義務化により、在職中のがん経験者は今後ますます増えることになるかと思います。
当方も35歳のとき、長男が生まれる1カ月前に急性心筋梗塞で倒れたことがありますが、この時ほど自分の将来に不安を覚えたことはありません。
・また再発しないだろうか?
(この頃は、バルーン手術で血管拡張してもかなりの高確率で再閉塞していました)
・こんな大きな既往症を持つサラリーマンを雇う企業はないだろうから、転職はできないな~
・団体信用生命保険も加入できないのでローンを組んでの家購入は無理だな
よく「倒産」「投獄」「闘病」で人生観が変わると言われますが、当方の場合もまさにそうでした。
上記の不安を少しでも解消すべく、すぐに独立可能な行政書士資格を取得したり、将来プランを考え始めたり、思い返せば現在の独立に向けた萌芽のようなものが現れた時期でもありました。
先ほどの記事によると、がん患者で働く人は約32万5千人(2010年時点)で、一方、がんと診断される人は年80万人いるとのことですが、厚労省の調査によると診断後に約3割が自ら離職していたということです。
病気により、辞めざるを得なかったケースも多いと思いますが、なかには自ら進んで人生のコース変更をされたこともいらっしゃると思います。
こうした闘病経験を持つ方々が職場に復帰し勤務を継続できるようになることは、職場にとってもいい意味で働き方の意識改革にもなるかと思います。
報告書では、医師や企業が協力し、患者への就労支援を進めるべきだと指摘して、主治医は患者の病状に応じて「今すぐに仕事を辞める必要はない」と助言、治療の見通しを文書などで説明することが重要としています。
昨日は、1カ月前に退任された小松一郎内閣法制局長官が亡くなられたことが報じられていました。
最終的には本人の選択になりますが、一度だけの自分の人生、悔い無いように生きたいものです。