レジン (ここではエポキシレジンのことですが) での作品作りをしますと、必ず 「加工」 が必要となってきます。
成型したレジンの、シリコンモールドに接していた部分の縁にできる「バリ」の処理だけでも、「カット」、「ヤスリがけ」、「研磨」、「ツヤ出し」の工程が必要です。
私は約30年間レジンでの創作をしてきましたが、その間ずっとレジンの加工に関するご質問に回答してきましたが、いつの時代 (と、言うとちょっとおおげさですが) でも、ある程度レジンでの創作に慣れてくると立ちふさがる、最初で、そして実はもっともむずかしい工程が 「加工」 です。
今回は保存版として、その加工について解説してみますね。
(私が30年かけて試行錯誤の末にたどり着いた方法ですので、すべての方にとってこのやり方が正解というわけではありません)
カット
カット
切削
研磨
鏡面ツヤだし仕上げ
それではバリの処理方法を例として、各工程について解説しますね。
『カット』
まず最初に、バリについてご説明しましょう。
バリというのは、下の画像のように、流し入れたレジンの面の、シリコンモールドの縁に接していたエッジのことを言います。
なぜバリを処理するのか?と言いますと、バリはナイフのようにとても鋭利で、そのままではケガをしてしまうからです。
カットはカッターナイフを使います。
レジンをカットする際には、必ず新しい刃に替えてから作業をします。
切れにくくなった刃でカットしますと、余計な力が入ってケガをする恐れがありますからね。
ナイフには様々なタイプがありますが、カッターナイフがレジンとの相性が一番いいですよ。
カッターナイフを使うのが苦手、怖い、という方は、ムリにカットする必要はありませんから、このあとのヤスリがけでバリを削りましょう。
カットする際には、レジンを少し温めます。
エポキシレジンは40度程度に温めますと、ビニールのようにやわらかくなりますので、その性質を利用して、やわらかくしてからカットします。
温める方法は、「ホットプレート」 か 「お湯」 が温めやすいです。
ホットプレートを使用する場合は、「保温」にセットして、そのままレジンを載せますと焦げてしまいますから、くしゃくしゃにしたアルミホイルの上に載せて温度調節をします。
お湯の場合は、鍋などで沸騰させたら、冷めないようにホットプレートに載せて保温しながら、レジンを入れて温めます。
レジンを取り出す際には、トングなどを使って、やけどしないようにご注意くださいね。
温め加減は、「何度くらい」という数値でお教えすることができません。
実際にカットしてみて、スッと力を入れずに切れた時が適温、ということになります。
先ほど 「ビニールのようにやわらかくなる」 と書きましたが、これはカットした時の感触が、ビニール製品を切る時の感触と似ているので、そのように表現したのですが、本当に力を入れなくてもカットすることができて、しかもカット面はまるで水晶のようにきれいなのですよ。
力を入れないとカットできない場合は温めが足りていない状態で、カットできずにボロボロとくだけてしまう場合は、温めすぎですから、少し冷ましてからカットしてみてくださいね。
何度も何度もカットして、その感覚を手で覚えてください。
カッターナイフでのカットの仕方は、お刺身を切るのと同じ引き切りです。
時々ノコギリのようにギコギコと動かす方や、押して切ろうとする方を見ますが、それではカットすることができません。
刃を滑らせるように引いてカットしましょう。
くれぐれもケガをなさいませんように、十分にご注意くださいね。
『ヤスリがけ』
続いてヤスリがけです。
バリをカットしましても、そのままでは作品として成立しませんよね。
そこでカットした部分をなめらかにするために、ヤスリがけをします。
↓
さてここで問題になるのが、ヤスリの種類です。
単にヤスリと言いましても、「金属ヤスリ」、「紙やすり(サンドペーパー)」、「布ヤスリ」などさまざまな種類がありますね。
レジンを削る場合、その目的によってヤスリの種類や目の粗さを使い分けるのですが、その選択を誤ると最終的な仕上がりが悪くなります。
バリを処理する場合、多くの方は最初に目の粗いサンドペーパーでざっくりと大きく削って、そのあとで少し目の細かいサンドペーパーでなめらかにしていくと思いますが、実はここが最終的な仕上がりを左右する、とても重要な作業となるのですよ。
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