信頼貫く采配結実
20日、高知球場などで3試合を行った。2位香川OGと対戦した首位の高知FDは、七回の集中打で4―1で勝利。後期優勝を決めた。FDはシーズン優勝を決める、前期優勝した長崎Stとのリーグチャンピオンシップ(全5戦)に進出。26、27日に県内球場で対戦(会場は未定)し、10月2~4日は佐世保球場で戦う。3戦先勝すればリーグ王者となる。
試合はFD・吉川と香川・松居の両先発左腕が、ともに得点を許さない投手戦。吉川は伸びのある直球と切れのいい変化球で、五回まで走者を二塁に進ませなかった。
FDは七回、四球の中村に古卿がヒットで続き、藤嶋の適時打で先制。流も2点三塁打、山伸も中前タイムリーを放ち4点を挙げた。
九回、吉川はヒット3本と押し出し四球で1点失い、なお2死満塁とピンチを招いたが、一塁中村の好守で試合終了。優勝を決めた。
愛媛MPは徳島ISを4―2で破り、再び単独5位。長崎St―福岡RWは2―2で引き分けた。
■高知―香川7回戦(20日・3勝3敗1分け、14時、高知球場、905人)
[勝]吉川34試合14勝5敗1S
[敗]松居25試合6勝3敗2S
▽三塁打 流▽二塁打 飯田▽犠打 笠井▽盗塁 山伸▽失策 流▽暴投 松居
▽試合時間 2時間52分
勝負どころ一挙4点
定岡監督は満面の笑みで、宙を舞った。選手を信頼する采配(さいはい)を貫き、2年目。「選手さまさま。本当にうれしい」と喜んだ。
就任1年目の昨季は、前後期とも2位。ことしの前期は5位に沈んだ。後期も首位に立ちながら先発陣に故障離脱が相次いだが、総力戦で連勝を続け優勝のゴールにたどり着いた。
この日、香川の先発は左の松居だったが、左打者を4人並べた。「左を苦にしない選手もいる。そこに懸けた」と定岡監督。しかし、中盤まで松居を打ちあぐね六回まで2安打だったが、監督は動かなかった。
ナインが信頼に応えたのは七回。中村の四球、古卿のヒットなどで1死二、三塁。打席は左の指名打者藤嶋だ。それまで2打席凡退だったが「使い続けてくれた期待に応えたかった」。狙っていた高めのスライダーを迷いなく振り切り、中前に運ぶ。流、山伸も続き、決定的な4点が入った。
藤嶋の一打に定岡監督は「(起用した)自分が一番ホッとしている」と打ち明けたが、シーズンを通して選手に任せる采配は、ぶれなかった。「少しずつやりたい野球が身になっている」と手応えを口にした。
26日から、シーズン優勝を決めるチャンピオンシップだ。「また気持ちを入れ替えて、勝ちにいきたい」と、気を引き締めた。
最後も締めたエース
優勝を決める大一番。マウンドに上がったのはやはりエース吉川だった。ここまで投げた182イニングはリーグ最多。それでも防御率1点台という抜群の安定感はこの日も健在だった。
今季開幕直前に練習生から昇格し、ホーム初戦で初白星。前期は投手陣が手薄で中1日の先発登板もあったが、「使ってもらえることで自信になった」。勝ち星を積み重ねて、いつしか首脳陣から全幅の信頼を得るようになっていた。
「ことしで一番気合を入れた」との言葉通り、直球が走った。捕手飯田も「気持ちが生きるよう心掛けた」と的確にリード。切れのあるスライダーやチェンジアップも交えて強気に攻め、毎回の12三振を奪った。
九回、3安打と1四球で1点を失ったが、「打球が飛んだ場所が悪かった」と強気のコメントにはエースの風格十分だ。
後期はチームの21勝のうち9勝。試合後、監督に続いて吉川が胴上げされた。それは、ナインからの信頼の大きさの表れだったのだろう。
[高知新聞 ]
高知が後期V
野球の独立リーグ、四国・九州アイランドリーグ後期は20日、高知ファイティングドッグスが7期ぶりの優勝を決めた。高知は高知球場(高知市)で2位の香川オリーブガイナーズと対戦し、4―1で勝利。前期優勝の長崎セインツと年間王者を争うリーグチャンピオンシップは26日に開幕する。
若手投手陣が成長
四国・九州アイランドリーグ(IL)で20日、後期優勝を決めた高知。2位香川との直接対決をエースに成長した吉川の好投で制するなど、課題だった投手陣の成長で栄冠をつかんだ。
常に「優勝候補」と呼ばれてきた高知が、久しぶりの頂点に立った。この日はエース左腕の吉川が好投。香川打線を1点に抑える完投勝利を挙げ、「楽しく投げられた」と胸を張った。
昨年は前後期ともに2位に入り、今年は打線の主力の多くが残った。就任2年目の定岡監督は「優勝を狙える力はある」と手応えを持って、前期開幕を迎えた。
だが、前期は球団史上最低の5位に沈んだ。最大の原因は、昨年の投手部門のタイトルを独占した2人が抜けた投手力。前期は吉川、昨年15勝を挙げた野原をフル回転させるしかなかった。
転機は6月。元阪神の伊代野が加入したことで、吉川、野原が先発に専念出来た。また、伊代野、伊良部(退団)からアドバイスを受け、各投手が成長したことも原動力となった。
看板の打線に加え、充実した投手力が備わり、定岡監督も「俺が一番ホッとしているのかも」と笑顔を浮かべた。その目は、4年ぶりのリーグ王者を見据えている。
FDきょう香川倒せばV
19日、高知球場などで3試合を行った。首位の高知FDは福岡RWと対戦。投打がかみ合ったFDは8―2で快勝し、首位を守った。2位香川OGも勝ったが、20日のFD―香川の直接対決でFDが勝てば、後期優勝が決まる。残り2戦をFDが全敗し、香川が全勝しても香川が勝率で上回れないため。
FDは0―1の三回、西本、カラバイヨの適時打で2点を挙げて逆転すると、2―2の六回には1死二、三塁から飯田の適時打で勝ち越し。七回は梶田のソロ本塁打や藤嶋の適時打などで3点、八回にもオの2点適時打で突き放した。
先発伊代野は初回に本塁打で1点、五回にも連打で1点失ったが、粘りのピッチングで福岡打線に追加点を許さず、六回以降はヒット1本に抑え、完投勝ちした。
長崎St―香川OGは5―3で香川が勝ち、先発福田(高知大出)は10勝目。愛媛MPは先発近平が徳島IS打線を完封し、5―0で勝利した。
■高知―福岡8回戦(19日・福岡4勝3敗1分け、14時、高知球場、538人)
[勝]伊代野24試合2勝2敗9S
[敗]徳永29試合9勝9敗
▽本塁打 国信4号①(福)、梶田5号①(高)
▽二塁打 西本、トモ▽犠打 西本、藤嶋▽盗塁 中村(福)翔、山伸2、西本3、流▽失策 国信、大沢、西本▽ボーク 中田
▽試合時間 3時間27分
FD 一体感高め後期Vへ
本来は抑えの伊代野が2失点で完投すれば、打線は13安打で8得点。苦手福岡を圧倒し、ムードは最高潮だ。
ここまで、終盤限定で投げてきた伊代野が、初先発。「頭の切り替えは難しかったが、1回1回トライアウトのつもりで投げた」と、気持ちがこもっていた。
初回、国信に先頭打者本塁打を浴び、三、四回も走者を許したが、我慢の投球。四回の2死満塁で迎えた国信にはフルカウントまで粘られたが、低めのストレートで見逃し三振に切って取った。
伊代野の力投に打線も応える。苦手とする福岡先発の下手投げ徳永の緩急をつけた投球に手こずったが、二回以外は毎回走者で重圧をかけ続けた。2―2の六回、飯田の適時打で勝ち越すと七回、梶田が右越えの本塁打で4点目。徳永を攻略した。
前後期制でなかったリーグ1年目の優勝を知る中村は「あの時は勢いだけだった。今は能力のある選手が力を発揮して、補い合っている」と、チームの充実ぶりを指摘する。
故障者を抱えながら優勝戦線に踏みとどまってきた。定岡監督は「本当にしんどい戦い。それでもこんな晴れ舞台で戦える幸せを感じてもらいたい」と話す。
20日のホーム最終戦。2位香川と優勝を懸けた大一番を戦う。地元ファンの前で、すっきりと決めたい。
[高知新聞 ]