小澤征爾音楽塾オペラ・プロジェクトXIVJ.シュトラウスⅡ世:喜歌劇「こうもり」 | 北十字の旅と音楽会記録が中心の日記

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無事にお腹を満足させることができたので、平安神宮まで バス移動🚍


ロームシアター京都へ

小澤征爾音楽塾オペラ・プロジェクトXIV

J.シュトラウスⅡ世:喜歌劇「こうもり」




来週も関西で、このプロジェクトの東京公演に行けないという理由と、以下のように本拠地が京都ということもあり、1月にリニューアルオープンしたロームシアター京都に向かいました。

ロビーには小澤征爾さんのグラミー賞をお祝いするお花もたくさんありました。



さて、今回の公演の概要は以下HPに
『2016年に14回目の開催を迎える小澤征爾音楽塾オペラ・プロジェクト。今回も、国外のオーディションによって選ばれた若い音楽家が集合し、音楽監督小澤征爾とサイトウ・キネン・オーケストラのメンバーをはじめとする講師陣の下で指導を受け、その成果をオペラ公演で披露します。演目は、2003年、そして、2008年に好評を得たJ.シュトラウスⅡ世:喜歌劇「こうもり」。舞台は19世紀後半のウィーン。今回はプロデューサーのオットー・シェンクが1986年にメトロポリタン歌劇場(MET)で初演した伝統的なプロダクションを取り入れます。壮麗な舞台セットや衣装など古典的なオペレッタの伝統が全て盛り込まれ、当時のウィーンを思い起こさせる演出をご期待ください。指揮は小澤征爾と村上寿昭の振り分けとなります。
また、2016年からは、1月10日にリニュアル・オープンするロームシアター京都を制作拠点として、全国公演を開催します。』

ダメ元で事前抽選予約を申し込めば、なんと当たり←倍率的にはそんなに高くはないので驚かなかったのですが… その席は6列中央。ベストじゃん!と思いきや、前5列がオーケストラビットになるので、つまり 最前列ってこと!
小澤征爾さんの『1.5m後ろ』で観ることになりました。



🎵J.シュトラウスⅡ世:喜歌劇『こうもり』

ロームシアター京都 メインホール
15時~

音楽監督・指揮:小澤征爾
指揮:村上 寿昭
演出:デイヴィッド・ニース
装置:ギュンター・シュナイダー=シームセン
衣裳:ピーター・J・ホール
照明:高沢 立生
振付:マーカス・バグラー
管弦楽:小澤征爾音楽塾オーケストラ
合唱:小澤征爾音楽塾合唱団
オリジナル・プロダクション:メトロポリタン歌劇場

ロザリンデ:タマラ・ウィルソン
アイゼンシュタイン:アドリアン・エレート

アデーレ:アナ・クリスティー

アルフレード:ディミトリー・ピタス
オルロフスキー公:マリー・ルノルマン
ファルケ博士:ザッカリー・ネルソン
フランク:デール・トラヴィス
ブリント博士:ジャン=ポール・フーシェクール
イーダ:鷲尾 麻衣
フロッシュ:笹野 高史



小澤さんと村上さん、2人で一緒に出てきて 並んで座り、交互に指揮をしていきました。
序曲は小澤さんの指揮。オケを立たせて挨拶させたあと、そのまま(立って弾けるパートを立たせたまま)演奏を行いました。私の席ではオケの直接音となり、バランスが崩れてしまった感はあるものの、ホール全体としては 良かったのではと思いました。若いエネルギーいっぱい、かつ細かなニュアンスまで徹底した序曲が聴けました。

第1幕。
幕が開いて目に入ってきたのは、近年稀に見る豪華かつ丁寧な装置。ウィーン国立歌劇場の引っ越し公演以来の 装置に満足の舞台になりました。
冒頭のアデーレの読んでいる手紙には 切手に冒頭の挨拶、本文、終わりの署名まで横文字で打たれていたり(書いてあれば尚 良かったかも…)、ブリントの持ってきた書類にも 印のようなものも打たれていたりと、細かい所まで しっかり準備されていたのに さすが!と感服。

歌と演技は楽しくて愉しくて…
声量にも圧倒されました。
特に アルフレードの能天気ぶりにには 大爆笑させてもらいました。

第1幕のあとに30分の休憩。

休憩のあと 第2幕
まず、ピット内では第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンがひっくり返っているどころか、弦のパートはみな違う場所に移動している。音楽塾だからこそ(水戸も同様ですが…)。

幕が開けば豪華な装置。
ここでは合唱とバレエの充実した舞台に魅せられました。特に「雷鳴と電光」の場面では、バレエ団と『一緒に』役つきの歌手たちが踊っていたんですから! 息が持たない、否、肉離れ起こさないか、とこちらがハラハラしちゃいました。

休憩30分を入れるのが いい。ゆっくりできます。

またまた弦の皆さんは座席が変わってました。
第3幕。
笹野さんが登場。私の笹野さんのイメージは 映画『おくりびと』の銭湯で将棋をしているイメージ。
ちょっぴり今日は硬さが感じられましたが、ホールにやわらかな風を届けてくれるには十分でした。

歌手陣は主役、準主役級の歌唱と演技には何も言えませんでした。
以前、アデーレでの名演技で圧倒された、今回 イーダ役の鷲尾さん。笹野さんと同じくちょっぴり硬さが感じられました。

それにしても小澤さんのオペラって感じでした。
ロザリンデの『チャールダッシュ』は小澤さんが指揮したのですが、ここでは小澤さんがウィルソンさんを完全にコントロール。もちろん それがまた完璧なまでの揺らしだったので痺れちゃいました。
村上さんでは 歌手主導での指揮だったので 面白く見ることもできました。



今回は小澤さんがいろいろ指導しながら、歌いながらの活動が感じられる席は とても楽しめました。オケの若手がそれはいい笑顔でアンサンブルを楽しんでいました。見て、聴いていてとても気持ち良かったです。

今日は公演にカメラが入っていました。



オペラそのものというよりは、小澤さんのドキュメントの撮影かな?って感じでした。が、指揮している場面を正面から撮る場面では、後ろに入り込んでる可能性大!
注意をしていたけど 緊張感を解す公演だったので どうなっているのか…
怖すぎます…

最後に クロークの混雑を待つ間に、ホールの別室での
『小澤征爾音楽塾展』



当初からのポスターや その原画。また小澤さんが使用した、書き込みのあるスコアの展示なども見ることもできました。

ホールから出ると 雨は上がり、月が綺麗。
雨上がりの風を感じながら東山駅まで歩いて 地下鉄で山科。そして石山でお友達とわかれて、今夜は石山寺駅近くの旅館でのんびりです。

笑顔いっぱいの、充実かつ、時間や経済的価値を超越する1日になりました。