藍川由美「日本のうた編年体コンサート」⑭ 『國民合唱』と同時代の歌(1941~1943) | 北十字の旅と音楽会記録が中心の日記

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その後、演奏会のハシゴで 東京文化会館に移動。


東京文化会館 小ホールで
19時~

藍川由美「日本のうた編年体コンサート」
⑭ 『國民合唱』(1942-45)と同時代の歌(1941-43)

藍川由美:ソプラノ
蓼沼明美:ピアノ
片山杜秀:お話


前半は
・昭和16年
🎵「祖先の血潮」(市川健次・淸瀬保二)
大日本靑少年團制定歌
モダンな歌曲。片山さんのお話では、沖縄音型は日本人のルーツが南から入ってきたことを表している!と。
🎵「世紀の若人」(讀賣新聞社/キング/福田傳吉・林伊佐緖)
明るい軍歌。
🎵「英國東洋艦隊潰滅」(ラジオ報道歌謠/高橋掬太郎・古関裕而)
🎵「断じて勝つぞ」(サトウハチロー・古関裕而)
古関さんらしい美しい旋律を持った曲。前の「英國…」とは同一旋律。歌詞を変えて後日の発表されたとのこと。
・昭和17年
🎵「防空監視の歌」(大日本防空協會/相馬御風・古関裕而)
歌いやすい曲。日本で待つ家族の歌は 古関音楽とはちょっぴり遠い感じの仕上がり。
🎵「空の神兵」(ビクター 1942.4.新譜/梅木三郎・高木東六)
ピアノの伴奏がお洒落に変身していてビックリ!間奏の部分で大きな転調!
🎵「子を頌ふ」(國民合唱 1942.11.10放送/城左門・深井史郎)
🎵「つばさの力」(國民合唱 1942.11.24放送/佐藤惣之助・古関裕而)
🎵「御民の歌」(國民合唱 1942.12.1放送/大木惇夫・山田耕筰)
スローテンポの感情豊かな曲。
🎵「少國民進軍歌」(コロムビア 1942.12.新譜/軍事保護院・佐々木すぐる)

前半が終わると同時に(藝大に続いて)片山さんのお話。
この時代、国民歌謡から国民合唱に変わっていく時代背景など…

休憩のあと
・昭和18年
🎵「必勝の歌」(國民合唱 1943.1.12放送/深尾須磨子・福井文彦)
🎵「アリューシャンの勇士」(國民合唱 1943.1.26放送/西條八十・大中寅二)
スローテンポの当時、歌うというよりは聴く曲って感じ。
🎵「みたみわれ」(國民合唱 1943.6.8放送/海犬養岡麻呂・山本芳樹)
これはもう 芸術的な歌曲。
🎵「御朱印船」(國民合唱 1943.8.24放送/北村秀雄・淸瀬保二)
古風な雰囲気の曲。
🎵「やすくにの」(國民合唱 1943.10.12放送/大沢一二三・信時潔)
素晴らしい祈りの歌ともいえる曲。
🎵「実り」(國民合唱 1943.11.2放送/野口雨情・佐々木俊一)
一転、村のお祭りの歌という感じの軽快な作品。
🎵「學徒進軍歌」(國民合唱 1943.11.23放送/西條八十・橋本國彦)
『決戰の大空へ』主題歌
🎵「決戰の大空」(東宝 1943.9.16公開/西條八十・古関裕而)
『決戰の大空へ』挿入歌
🎵「若鷲の歌」(東宝 1943.9.16公開/西條八十・古関裕而)
この3曲は勇壮な軍歌。若鷲の歌は有名ですね。
🎵「海を征く歌」(コロムビア 1943.11新譜/大木惇夫・古関裕而)
深い情感をたたえた6/8拍子の作品。ワルツ?それともマーチ?ワルツに聴こえる演奏でした。

今日は上野で1日、戦前の日本の音楽三昧。どうしても気になってしまう時代。藝大の演奏会は戦争の陰を感じさせない芸術作品。対して、藍川さんの歌曲になると戦時色濃厚な作品。この大きな違いからも考察しなくてはいけない課題が いろいろ。

耳より頭を動かさなくては!という1日でした。それにしても、片山さんのお話(レクチャー)は勉強になります! が、2回だとこちらが疲れちゃうくらい…
熱いお話を堪能しました🙌