群馬交響楽団 第485回定期演奏会:群馬音楽センター | 北十字の旅と音楽会記録が中心の日記

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伊香保温泉から高崎に戻って、昭和の香りがプンプンのアーケード街の、これもまた めちゃめちゃ昭和の大衆食堂で夕食。
そして…


群馬交響楽団 第485回定期演奏会 

18時45分~
群馬音楽センター

指揮:井上道義 


このホールは 昭和30年代の香りのプンプンする、横長のホール。
初めて聴く群馬交響楽団の定期演奏会。決定打は井上さんの指揮だから。

今日の席は一番前のほぼ中央。ここが3ランク目のB席という良心的席割。

最初の曲は
🎵C.Debussy:『おもちゃ箱』
OEKと井上さんのHPなどで、先に金沢で行われたOEKの演奏会で 何かをやったみたいだ、との情報が…
で、ホールにはいると、緞帳が降りているではないですか。ワクワク度アップ。
緞帳の前に井上さんが登場。
曲の前からしゃべるしゃべる。

曲は5つの部分からなるようですが、曲の中で様々なおしゃべりや演技が入り、飽きさせない。
井上さんやコントラバス首席は、寝っ転がったり仮面を被ったりと…
ストーリーはフランス版「くるみ割り人形」。
照明の色も駆使した ほのぼの系のストーリーにピッタリの 温かい舞台でした。

続いて
🎵プーランク:2台のピアノのための協奏曲 二短調
ピアノ:児玉 麻里、児玉 桃
時間をかけて並び変えたオーケストラの配置にビックリ。
舞台下手に弦楽器、上手に管楽器。チェロは正面の雛壇の上。
躍動的で色彩感あふれる冒頭から 惹きこまれてしまう。ちょっぴりピアノの音が頭の上を飛んでいく傾向だったのが予想外。
打楽器とピアノの見事な融合に圧倒されたかと思えば、第1楽章の最後のチェロのフラジォレットに支えられたピアノの神秘的な響きにゾクゾク。わけのわからない形式の第1楽章でしたが、とっても楽しめました。
第2楽章の冒頭は まるで古典派。W.A.Mozartかみたいな旋律が、オケの中間色満載のバックに流れていると、それが印象派へと変容していく様がすごくユニーク。
児玉姉妹の迫力いっぱいの演奏は、期待大で行って それ以上でした。

休憩の後は
🎵三善 晃:『樹上にて』(1993改訂版)
この曲は4手のピアノ(連弾)と管弦楽の編成なので、またまた児玉姉妹の登場。
オケの配置もまたまた独特。井上さんいわく「三善さんの指定の通りの配置」。
中央のピアノを囲むように2列にまあるく、管楽器が前で、後ろに弦楽器。
最初は「案の定」の現代音楽で始まりましたが、後半は『阿波踊り』のリズムが乱舞。後半はリズムに乗せられて、一気呵成にたたみこめられてしまいました。
この曲ならかなり楽しめます。

そして最後は
🎵M.Ravel:(おもちゃ箱風)ボレロ
またまた配置変えに10分近く。
その間は井上さんタイム。
「おもちゃ箱風にやるから楽しんでくださいね~」って。
並んでビックリ。
雛壇の一番後ろに、ソロを吹く管楽器と中央にスネアを置いた12人が 椅子なしで並ぶ。
井上さんが指揮台に登るや照明が落ち、舞台後方にスポットライト。
中央のスネアドラムからだんだん外側に、右左交互に ソロの順番になるような配置。
誰がどう演奏しているかが一目瞭然。これ 演奏者を知っている定期会員なら、本当に楽しいだろうなぁ~と。
ソロの無いセカンドは普通の位置にいる。そのため、ファーストとセカンドが掛け合う時に、音が飛ぶ感じが否めませんでした。そして ファーストとセカンドのレベルの差が大きいパートでは、その差が明確になってしまいました。
しかし それを超える楽しいボレロになりました。


今日は本当に楽しい演奏会でした。
大当たり!
群馬交響楽団、クセになったらどうしましょう。